操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

「健康寿命」と操体。

操体は、どこか痛いとか辛いとか、そんな時に「治すため」に使われるだけのものではない。
 
  • 未病医学(健康な人が病気にならないための医学。からだの使い方、動かし方、呼吸のしかた、飲食、精神活動、軸、環境など、橋本敬三の哲学をも含んだもの)
  • 治療医学(いわゆる治療)
  • いやし
  • 免疫力がアップする

 

こういう側面があるが、大抵は「治療」として見ている。

ところが、操体はそれだけでなないのである。

 

ここから派生して、パフォーマンス向上なども含まれてくるのだが「未病医学」に含まれているものだ。パフォーマンス向上とは、運動効率を上げ、疲れにくくなり、フォームが美しく、身心が安定することに繋がる。

 

 

4月29日の春のフォーラムのテーマは「健康寿命につながる健康学」。
 
 
健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のこと。
 
寝たきりや要介護の期間を除いた期間のことだ。
 
平均寿命は延びているけれど、健康寿命はどうなんだろう。

 
 
呼吸法のプロがいる
 
 食養のプロがいる
 
身体系・運動系のプロがいる
 
心の問題のプロがいる
 
重心や体軸に関するプロがいる
 
これらは健康寿命にとってはとても大事なことなのだが、いかんせん、本当はひとまとめにして全体を俯瞰しなければいけないのに、バラバラに扱っている。
 
これに、現代人がかなり鈍くなっている「原始感覚(好きかキライか、あるいは快か不快か)」を目覚めさせ、息食動想、軸の全ての方向から面倒を見ましょう、
 
で、これらは皆繋がっているので、まずは「動」(今は息でも軸でも構わない)からアプローチして、みんな一緒に面倒見ましょう、というのが操体の基本だ。
 
健康寿命にとってだいじなこと、全部面倒見ましょう」というのが操体なのである。
 
 
勿論年をとればガタがくるし、メンテも必要になる。それはからだを使っているのだから、当然だ。
 
それを「ありがたくからだを使わせていただいている」というスタンスで、
 
普段から「からだの使い方、動かし方」や、その他秘密のエトセトラ※などの工夫などによって、遅くしたり、メンテの頻度を下げるのだ。
 
※こういうことを「操体のプロ」は勉強するのです。
 
操体は、どっか痛いとか、そういう対応だけしているわけではないのだ。
 
我々は、20代30代の頃から「未病医学としての操体」を勉強しているので、例えばちょっとやり過ぎて病気になっても回復が早かったりする。
これは間違いないし、もう少し始めるのが遅くても、大丈夫なのである。
 
そして操体の面白いところは「完璧を求めない」ということだ。
 
六割できていれば良しとする。
 
 
元気で健康に暮らすための、最低限のルールを守り(これが操体のキモである。どのようにからだを使ったらいいのか、ということ)完璧を求めず、六割程度で良しとし、頑張らず欲張らず、というのが未病医学、つまり健康寿命につながる。
 
 
ちなみに、操体のお陰で免疫力はアップしていると思うが、コロナのワクチンを打った時は、高熱が出て1ヶ月くらいは本調子に戻らなかった。