日経ヘルス誌の売りは
「なぜ、「日経ヘルス」の美容・健康法は、信頼できるのでしょうか?
1.)発行元の日経BP社は、医療・薬剤師向けに「日経メディカル」、「日経ドラッグインフォメーション」など多くの専門誌を発行しています。だから、信頼性の高い、科学的な美容・健康法を提案できるのです。
2.)「日経ヘルス」が誌面に紹介するダイエット法やレシピ、スキンケア術は、毎号、社内外のスタッフ自ら実験・実証した“納得”の実用情報を満載しています。」なんだそうである。
なのだそうだが、操体、あるいは操体法に関しては全く信頼できない。
一昨年は「操体ストレッチ」なるものを巻頭カラーで掲載された。
担当の編集の方と何度かメールでやりとりしたが、「操体って皆同じだと思っていた」という答えが返ってきた。
確かに「簡単ですぐできる」というメニュを掲載するのが商業誌としての使命でもあるのだろうが、それによって被害を受けているのは私達操体の専門家なのだ。
「操体ストレッチ」などという言葉を聞いてココロを痛めた臨床家は多いと思う。
コレはストレッチに対しても操体に対しても失礼だからである。
私は以前から「操体に関するコトを書くのだったら、三浦先生とか、今先生とか、仙台の温古堂の方とかに聞いて書くべきだ」と言ってきた。
確かに操体という名称は登録商標でもナンでもないが、その道のプロがいるのだったら、その道のプロに聞くべきであり、情報伝達をすべきである。
以前、編集担当者とメールのやりとりをしたが、「W先生は野口整体を学んで、操体を学ばれて、操体には大した思い入れはないそうです」というメールをいただいている。大した思い入れがない方が、巻頭カラーで「操体ストレッチ」というのを掲載されたのだから、私達操体の専門家はどうすればいいのだろうと思う。
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日経ヘルス2月号を読んでみた(ちゃんと買いました)。相変わらず「操体法」の文字を掲げるW先生の連載である。
今回は
「順番を守ることが操体法を効かせるコツ」と書いてある。
私は長年操体をやっているが、こんなことは橋本先生も書かれていないし、臨床歴42年の師匠からも習ったことがない。
また、ここに掲載されているのは、うごかしやすいほうに動かして、可動域を広げる、ただそれだけであり、操体とは認識し難い。
ナンでも動かしやすい(快方向とはまた別)ほうに動かして力を抜くのが操体では
ない、と私は言いたいのだ。
日経ヘルスのように、一般読者だったら欺けるだろうが、医道の日本誌とかたにぐち書店の「月刊手技療法」を読んでいるとかある程度、操体に対して知識がある人はだませない。
というか、ここに掲載されてるのって
単なるストレッチである。
これを「操体」というのだったら、ホントの操体のプロに受けてみればいいのだ。
まず
「症状疾患にとらわれない」というのが操体の理論である。
順番を守る、なんていうのは本当にナンセンスとしか言いようがない。
クライアントのからだにききわけて、動診操法を選択すべきである。
私はここで「何故順番を守ることが操体法を効かせるコツ」なのか聞いてみたい。
何故なのか???これに明確に答えて下さったら私も納得するかもしれない。
何故、「からだにききわけるい」という操体が「順番を守ること」になるのか??
というか「どの操法を選択するか」というのが操者の腕の見せどころなのではないか??
「パターン化」というのは私達操体臨床家が一番やらないことだ。
パターン化はある意味ではわかりやすい。こういうのにはこれ。
操体でいうところの、連動の観点から言えば
自然な連動、ボディに歪みがなければ、自然な連動でからだが動く。しかし、
歪みがあったり、アンバランスだと不自然な連動が起こる。私達は基本を知って
不自然を知る。不自然の自然ということも理解している。
なので、パターン化しているのではないのだ。
野口整体に私は明るくないが、人間の体壁をいくつかにわけているのは知っている。
しかし、例外があるのが臨床だ。それに対してどうやって対応するかがプロではないか。
例えば、100人いれば100通りのやり方と順番と直り方がある。
それが操体なのだ。
私の周りにも「とっかかりになればいいじゃないですか」とか「興味を持ってくれればいいじゃないですか」というヒトがいないわけでもない。しかし、スジを通すのと
なあなあで、どうでもいいじゃん、というのは別モノだと思う。