操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

藝術部@ジョジョ・ラビット

年明けは、なかなか観たい映画とスケジュールがマッチせず、なおかつ映画館に行ってまで観たいのがなく、ネットで「マイティ・ソー」三部作で結構満足していたものの、これは足を運びました。

お薦めです。

主人公のジョジョ役が「ホーム・アローン」のリメイクに出るとか出ないとかですが、今から「堕ちる子役」とか心配しちゃうよね。。(カルキン君とか)

 

映画『ジョジョ・ラビット』公式サイト

www.foxmovies-jp.com

オープニングが、ビートルズの「抱きしめたい」をバックに、ナチスに熱狂する若者の姿が写し出されます(曲の利用を、ポール・マッカートニーが許可したそうです)

 

こんなアホなことをしていたのだ、熱狂にまみれて狂っていたのだということを、真正面から見せつけられます。

 

当時は、ナチスに若者や国民が熱狂していたのです。本当にビートルズさながらに、嬉しくて泣く少女や、叫ぶ若者の姿が流れます。

 

この映画ですが、

1945年前後が舞台だと思われます。

ジョジョは10歳。

 

ということは、ジョジョ、私の父と同じ年の生まれです。

(私の亡父は昭和10年生まれです)

ジョジョと同じ年で終戦を迎えたわけですが、この辺りはなかなか考えさせられるものがあります。

なんというか、コメディなんだけど、リアルな戦時下を感じさせます。

 

熱心な愛国者で、ヒトラーユーゲントヒトラー青少年団)のメンバー。

週末を利用したキャンプに行きます。

 

そこで、男の子はともかく「女の子は、妊娠の仕方を習う」というくだりがあり「私なんか18人生んだ」という、ミス・ラーム(ウソに決まってるけど)。

「産めよ、増やせよ」ってヤツですね。。

 

そして、ユーゲントのキャンプで指導にあたるのは、キャプテンK。
戦争で片眼を失ったため、ユーゲントに所属、キャンプでジョジョに怪我をさせたため、事務職に。

 

ユーゲントは、戦争末期には、若者が多数ベルリンの戦闘に参加し、多数の死者が出たそうです。

そして、ジョジョの空想上の友達が「アドルフ」(ってあのアドルフ)。
監督のタイカ・ワイティティマイティ・ソーも最近彼が撮ってますね)が、コミカルに演じています。

 

ジョジョの素敵な母親が、スカヨハ。最近は「アベンジャーズ」のブラック・ウィドゥですが、私は結構昔から好きなんですよ(真珠の首飾りの少女とか)。

 

父親不在の中、明るく振る舞っていますが、実は反ナチ運動をしており、屋根裏部屋にユダヤ人の少女、エルサをかくまっています。

 

スカヨハ演じる、ロージーの言葉

「人はどんな時も恋に落ちる」
「憎しみは勝ちはしない。愛が最強の力よ」
「愛は痛いの。お腹の中で蝶が飛び回るような感じ」

という言葉が伏線になってきます。

ちなみに「お腹の中の蝶々」は、フランスの言い方で「恋愛でドキドキする」ことなのだそうです。

 

キャプテンKも、ロージーも、表面は「大人」で体制に従っているふりをしていますが、やはり「愛」なのです。

 

劇中、反ナチス運動に関わって、反逆者として処刑された人達が、街中につるされているというシーンが出てきます。

 

こういうことは、少なくとも日本ではなかった(と思う)ので、ちょっとショッキングでした。

 

ジョジョはエルサに「ユダヤ人の事を教えて欲しい」と、接していくうちに、彼女に惹かれて行き、空想上の友人、アドルフともケンカをするようになります。

 

ジョジョは親友のヨーキから、ヒトラーの自決を聞きますが、その後ジョジョの前に現れる「アドルフ」は、頭から血を流しています。

 

最後は、戦争が終わり、エルサが外に出て、二人で、ボウイの「Heros」(ドイツ語版)に合わせて踊るシーンで終わります。

 

ジョジョとエルサは、パリに行くのかな。なんてことを考えました。


ちょっとブラックだけど、愛がテーマの反戦映画でした。