東京の映画館が、6月1日からやっと開館になりました。
この前映画を観に行ったのはいつかというと、3月の「エヴァンゲリオン」でした。
二ヶ月以上も映画館に行かない、なんていうのはあまりないのですが、これもコロナ禍のためですね。
また、映画のチケットを予約するにしても、今現在では「当日分」しか予約できません。早く普通に映画鑑賞ができる日が来て欲しいものです。
さて、公開延期になっていた「HOKUSAI」を観てきました(久しぶりに六本木に行きましたが、映画館に行って帰って来ただけでした。今度は香妃園の鶏そば食べて帰ろう)。
今は、コロナ禍で中断していますが、私自身、太田記念美術館(原宿にある、浮世絵専門の美術館)の年間会員だったくらい、浮世絵好きなんです。
そして、この時代は、蔦屋重三郎(蔦重)、滝沢馬琴(蔦重の下で番頭をやってた)、柳亭種彦、喜多川歌麿、東洲斎写楽、葛飾北斎、山東京伝、歌川広重など(映画に登場するのは、蔦重、歌麿、写楽、馬琴、種彦、北斎)、江戸後期の町人文化を代表する大スターが出た時代です。
なお、北斎は海外で「有名な日本人」に入っているそうです。
また、今回特筆すべきは、若き日の北斎を柳楽優弥(どうしても土方十四郎を思い出す私笑)が演じ、晩年を田中泯さん(みんさんは、さんづけしちゃいます)が、演じています。
そして蔦重は阿部寛(この方はヅラものも似合いますね。「のみとり侍」もよかったし)。
北斎は色々なエピソードがある人ですが、今回は「引っ越し魔だった」とか(一説によると、弾圧から逃げるためだったとか)、北斎漫画(今見てもキュートすぎる)とか、有名な(私は現物を「春画展」で見ました)「蛸と海女」とか、娘のお栄を「おーい」と呼んでたので、お栄の雅号が「葛飾於為(おうい)」になったとか、そういうのは出てきません。
ここで出てくるのが「天保の改革」です。
簡単に言えば「町人文化が花開き、それをけしからん、とした幕府(水野忠邦)があーとやアーティストをを弾圧した」というもの。
映画のしょっぱなで、蔦重の店、耕書堂が役人達に押し入られ、本や絵が焼かれたりします。また、当時は「本の装丁が華美」ということで、処罰されたんだそうです。
もしかすると、町人が本を読んだりすると、過激な思想にかぶれるとか、華美な服装や、華美なものはけしからん、みたいな感じだったのでは、と思います。
「自分より下の者が、華美なものを纏ったり、華美なものを持ったりするなんて、けしからん」って、思い切り「嫉妬」のシステムです。
今、コロナ禍を理由に、映画館閉めろとか、デパート閉めろとか、そのうち「灯火管制」とか「贅沢は敵だ」とか言う人が出てきたらどうしようかと心配したりしちゃいますが・・。
今回クローズアップされているのは、あの「HOKUSAI BLUE」と言われている青い色です。
途中で、田中泯さん演ずる北斎が、顔料の入った器を湿らせ、頭から青い顔料を被る、といシーンがありますが(途中から、北斎が田中泯さんにしか見えなくなってきて困った)、あの色を使った波や、赤富士のエピソードや、風に吹かれてものが吹っ飛んで慌てている市中の人々を描いたものとか、有名な作品のエピソードが出て来ます。
いや~、見て良かったです。
是非大画面で、北斎・ブルーを愉しんでください。
なお、蛸と海女(しつこい笑)は出てきませんので、ご家族でご覧になっても全く問題ありません(笑)。
で、何故か見おわったら、「銀魂」(実写版)を見たくなったのは、多分、柳楽優弥のせいです(笑)。とくに「銀魂2」だな。
蛇足ですが、最近大河ドラマを見ても「銀魂」を思い出してしまう私です。