ご存じのように、関節には8つの動きがある。
足首(足関節)の動きには、背屈、底屈、外転、内転、内反、外反、
(足全体を含めて)牽引と圧迫がある。
その中でも、内反、外反というのはなかなか注目されない動きだ。
捻挫などでは「内反捻挫」足の親趾に障害がでるのが、外反母趾。
意外と酷使しているということは、操法としてとおしてみる価値が十分にあるということだ。
昨日今日と、足関節の内反について、再確認するチャンスがあったので、記録しておこうと思う。
通常、仰臥膝二分の一屈曲位においては、腰が捻転する方向と、反対の方向に首は向いてくるが、内反では、内反の動きが大きくなると、首も同方向に向いてくるということもある、という理解も必要かもしれない、ということだ。
連動学の勉強をした方なら、なるほど、と思うかも。
何故なら、内反・外反の動きには、大腰筋が大きく関与しており、
また、この大腰筋というのが、深部にあり、慣れないと触診ができない(だから動かして診る@動診なのである)。
スポーツの世界では(ターザンとか見ると、『腸腰筋』という言い方をしているところが多い。腸骨筋と、大腰筋を一緒にしているのである)
腸骨筋と大腰筋の一番の違いは、その起始部にある。
腸骨筋は字のごとく、腸骨内側の腸骨窩から起こり、一部は大腰筋の内側に合し、一部は直接大腿部小転子に付着する。
つまり、骨盤と大腿骨を繋いでいる。
比べて大腰筋は(深部と浅部の差違はここでは触れない)、腰椎(正確には、浅部はT12番から起こる)深部、本当に大事なコアな
部分は、腰椎から発し、大腿骨小転子につく。
働きとして、股関節を曲げる、大腿部を挙げる、少し回外する、
また、下肢を固定した場合は骨盤を介して、身体を前方に倒す、などが挙げられる(以上立位)
何だか大腰筋について色々書いてしまったが、仰臥位で左右の足の開きに差がある、または、腰掛けて、左右の両膝挙上で運動制限、運動差がある場合、構造的にちょっと大腰筋を疑ってみても
いいかもしれない。
かといって、大腰筋を鍛えろとか、そのようなことではない。
インナーマッスルであり、なかなか触れないところにある(つまり、大事な筋肉ということだ)、それを、内反、外反という感覚の聞き分けをとおして、治癒へ運ぶというのが操体の面白いところだ。
決して、これこれこういう動きをしたから良くなる、のではなく、
結局は、本人しか判らない感覚のききわけ(味わってみたいという要求感覚を満たしているかどうか)と、『最快適運動コースに乗せて、最高のきもちよさを味わう』ことが大事なのです。