操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

足趾の操法集中講座を受けて(2)

http://teizan.com/teizan/sokushi_kanso


「足趾の操法アドバイザー講座に参加して」


小代田綾 (東京操体フォーラム 会員)


今回は足趾の操法集中講座(足趾の操法アドバイザー講座)に参加してに参加させて頂き、ありがとうございました。日々の臨床にありがたく生かさせて頂いています。


私が足趾の操法を知ったのは、操体指導者養成コースでした。足趾の操法は、からだが動かせる患者さんだけでなく、麻痺で動けない方や寝たきりの方、また意志の疎通が難しい患者さんなどにも受けていただける操法として、日々の臨床になくてはならないものとなっています。


その足趾の操法を改めて学びたいと強く思ったのは、昨年スペインで行われたフォーラムに参加させて頂いたことでした。三浦先生がモデルの方に足趾の操法を行った『その時』のことを私は忘れることが出来ません。そこには私が操体を学んで初めて目にする命の喜びとも言える光景がありました。その光景や喜びで震えるようなその方の波動のようなものが今でも思い出されます。
今まで自分が臨床で行っていたはずの足趾の操体、けれどこの体験により私が足趾の操法にもっていた概念が一瞬にして塗り替えられました。「この無限の可能性を持つ操法をもう一度学びたい」と強く思いました。今回はそんな思いで臨んだ講習会でした。


[今回参加させていただいて]
□良かったことは
・今回自分への課題であった「より豊かな問いかけ」、その視点から自分が行っている操法を見直すことができた。
・細部にまで渡る細やかな指導もあり、今後の自分の課題が明確になった。
・練習の相手が臨床を行っている方々だったこともあり、指の置き方、触れかた、リズムなど細部に渡ってチェックして頂き、率直な意見や感想を聞きいたり、意見を交換することができた(普段臨床に出てしまえばこのようなことは決してない。これはとても貴重なことだと思っている)。
・第2分析など今まで学んだものをどう臨床に生かしていくか、その生かし方を学べた。


□気づいたこと
・足趾の操法は「簡単なものではない!」と改めて実感。
・その操法はシンプルでありますが、操体の基本である身体運動の法則やその哲学などの学びがなければ、それはただの技法になってしまう。それは足趾の操法でなくなり、操体でもなくなってしまうのだということ。
・本やビデオなどで見て覚えられるものではなく、学べるものでもないということ。そして学ぶにはきちんとした指導者のもとで学ぶことが大切だということ。
・実際受けてみなければ(見ただけでは)、足趾の操法そしてそれが及ぼすものを知ることは出来ないのだなということ。


足趾の操法は操体のひとつの操法にもなり得るし、操者の学びの深さや足趾の操法への取り組み方によって大きくその可能性を変えるものであるということも学ぶことができた。足趾の操法を「ただの一つの操法」とするか「それ以上のもの」にするか。
講習会の中では三浦寛先生から実技の指導、そして特別講義を通して多くの学びと問いかけを頂きました。この日いただいた指導や講義の内容、この日学んだ全てがこれからの自分に生かすものとしてあったのだと今感じています。
そして畠山先生がよく言って下さったこの言葉、「習うならう本物に習いなさい」。この言葉の意味を今回の講習会を通し頭ではなくからだが知って帰ってきた、そんな気がしています。上手く言えませんが、三浦先生、畠山先生のもとで学んだあの時間、習うのとも見るのとも違う、形でない何かが染み込んでくるような、そんな感覚なのでしょうか。「習うなら本物に習いなさい」、この言葉が頭ではなく自分のからだにふと落とし込まれている。
日々更新して行きます。ありがとうございました。



「足趾の操法アドバイザー講座に参加して」


三浦 寛幸 (東京操体フォーラム実行委員)


今回の講座はアシスタントとして参加させて頂きましたが改めて日々の操体の進歩を実感できる3日間でした。毎回、参加させて頂く度に新しい「気付き」を得られ、細かい作法、プロになる為のテクニックだけでなく、1人の人間としての生き方も学べる講習でした。


私は幸せな事に子供の時から今は師であり父親である三浦寛から足趾の操法をよくしてもらっていました。(本当に幸せですよね)その時の「気持ちの良さ」は子供の時の私にとって親からの最高のプレゼントでした。


月日が流れ、父のような臨床家になりたいという思いを胸に操体を学び始めたのですが右も左も分からぬ私に最初に教えてくれたのが「般若身経」と「足趾の操法」でした。今、振り返ると丸腰の私に師匠は臨床家としての武器と武器の使い方を教えてくれたのだと思います。武器を持っていても使い方が分からなければ意味がないのも当たり前で、最初は最高の武器を使いこなす為に体の動き、使い方を必死に勉強しました。


この足趾の操法は一見簡単そうに見えますが実に奥が深いです。それは操者が1、正しい体の使い方 2、良い心の状態 3、しっかり作法を身につける 事で初めて患者に「気持ちの良さ」を提供できるからです。まさに心・技・体だと思います。これらを何十年もかけて身につけた三浦先生、畠山先生から教わるのは実に奥の深さを実感でき、基礎から応用までしっかり身に付く講座だと思います。そして何回受講しても新たな気付きがえられるので自分が「更新」する事も出来たことが大きな財産です。


三浦先生、畠山先生、そして各実行委員の方々3日間本当にありがとうございました!