- 作者: 勝間和代
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2011/10/18
- メディア: 新書
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勝間和代氏の著書を久しぶりに買った。本人は「まじめな人達」から批判を受けるのは当然の覚悟で書いているとのことだが、痛快な本だ。私などは「非まじめ」に属するが、日本人なので「まじめの罠」にはまってしまうとも限らない。セルフチェックの重要性を感じた。
- 「まじめの罠」に何故はまってしまうのか
- なぜ「まじめの罠」が危険なのか
- 「まじめの罠」の害毒とは。
今年の春のフォーラムでは「救いと報い」というテーマで発表した。勝間和代氏と香山リカ氏の一連のバトルを「救いと報い」というキーワードで解説したのである。勝間氏は努力の人、努力して勉強してそれで幸せになった。その方法を皆さんに教えている。いわゆる「報い」の人である。一方香山氏は「がんばれない人はどうするの?」「がんばらなくてもいいじゃない」というスタンス、人間は生まれながらにして「救われている」というスタンスである。救いは絶対的、報いは相対的なのだ。
この2つは同時に存在するが、決して交わることはない。この2人のバトルが平行線を辿るのは当然のことなのである。
この本にも書いてあるが、流行語「カツマー」で持ち上げられ、その後「勝間和代にならなくてもいい」というバッシングを受けている。日本の「まじめな人」がよくやる「もちあげておいて」その後「こきおろす」というヤツである。
この本は「まじめな人」に捧げる本です。「まじめな人」とは、ある目標に向かって一所懸命に突き進んでしまう人。「まじめ」は日本では褒め言葉ですが、本当に褒め言葉に値するものなのでしょうか。そのことを疑ってほしい、というのが本書の考え方です。
勿論、静かな汗を流して勉強することを否定しているわけではない。例えば職人とか私達のように、特殊な身体感覚が必要な場合はある程度の時間がかかるし、努力も必要である。
実際操体はそんなに簡単に身につくものではない。武術や芸事と同じである。
まじめな人は、簡単にすぐできる、短期間で(例えばホリエモンのように)大金を手に入れるようなこと、他人の真似(先人の意見などを借りるなど)をやると、「それは良くない」と批判する。
「いい学校を出ていい会社に入って結婚して子供がいて持ち家があって」という概念に縛られているので、離婚とか転職とかする輩は「ふまじめでけしからん」なのである。
勝間氏はベンチャー企業家1人、若手代議士2人と食事をしたそうだが、この3名は全員離婚経験者だという。その理由が「結婚したときは普通の会社員だったのに、起業とか代議士になったので、妻とぎくしゃくした」らしい。妻は「安定性のある会社員」のほうがいいのである。
自営業とか起業家は多分「非まじめ」なのだ。
ある病院では、「TKK」と言って、東大、京大、慶応出身の医師には警戒しているという。それはこの3つの医学部の偏差値が高く、本来医者は「人を助けたい」とか「人の役に立ちたい」という志を持った人がなるべきなのだが、そういう志を持たずに、単にアタマがよくて合格してしまった、つまりアタマはいいけれど、医師としての理念などに欠けた医師がいるのだという。
そして、「まじめの罠」に対する処方箋が示されている
- 失敗を恐れるな
- 問題設定そのものを疑え
- 動物的な勘、身体感覚を養え
- 独立した経済力を持て
- 自分のまじめさや常識を疑え
- 正しい自己認識を持て
2012年はいよいよアセンションと誕生数秘学で言う「大変革の年」にあたる。
「まじめの罠」にとらわれていると、この先生き残れないかもしれない。