操体には「バルの戒め」というのがあります。
がんばるな、いばるな、よくばるな、(しばるな)。
よく言いますが、「がんばるな」というのはだらしなくしてもいい、ということではありません。
ちなみに、昨年開催された「操体関係の学会」(勿論東京操体フォーラムではない)では、「がんばる」という言葉をかなり多く聞きました。ちょっとショックでした。
操体を勉強しているものですから「がんばる」という言葉には結構敏感なのです。
操体のコアな哲学である「救いと報い」をちゃんと勉強していたら、そんなに簡単に「がんばる」を連発しないのではと思いました。
そこまで求めなくても、というかもしれませんが「指導者クラス」が使っていたので気になった次第です。
さて、先日の日曜は、三浦先生が法事で東京を離れていたので、午前の勉強会と午後の講習は、私が代講しました。といっても、午前中はみんなで打合せ。午後は「丁度いい」と言ったらアレですが、受講生のTさんが一週間前にバイクで転倒し、右足首を痛めていたので、
「操体ではどうやって打撲と内反捻挫に対応するか」というのをやりました。
今回は講習ということもあって、渦状波®はとっておいて「動き」で対応するという試みです。操者は、神奈川県「操快堂」、東京操体フォーラム賢人組の岡村郁生氏
はじめ、実行委員の準指導者の面々です。
内反捻挫ですが、勿論患部には触りません。
ここで第五分析的な動診操法を行ったところ、打撲による右大腿部の腫れと、そけい部付近の腫れがまず引きました。これには皆驚きの声があがったりして。
結局、できなかった正座ができるようになり、やっぱりすごいね、と思いました。
東京操体フォーラム副実行委員長、岩手県久慈市(あまちゃん、で有名ですな)の「てまり堂」の瀧澤一寛氏に手伝ってもらいました。
昨年から講習に参加しているメンバーに操体の歴史と「息食動想」という、操体の基本の「き」を説明してもらうというものです。
操体の歴史はともかくとして、先の「バルの戒め」の話が出た際、受講生の一人が、「がんばらなくてもいい」というのはわかるけど「がんばるな」というのはどうもひっっかる、という意見を述べました。
たしかに彼女は長年スポーツをやってきて、多分、人生の殆どを「頑張って」きたのではないかと思いました。「がんばるな」というのは、彼女の今までの人生を根本的に揺るがすような事だったのかもしれません。
がんばるな、というのは、「救いと報い」という話から来ています。
で、操体を少しでもかじっていて「救いと報い」を知らないというのは、
モグリです(笑)。
このあたりです。この二冊は重複している箇所もありますが、救いと報いについて書いてあります。それを読みましょう。
なお、東京操体フォーラムの実行委員のうち、結構な数のメンバーが「生体の歪みを正す」を写本しています。
そうなんです。勉強するヒトは勉強してるんです。
ちなみに、たにぐち書店は、私の原稿料を未だに払ってくれないんですが。
それは置いときますが、
そこで岡村郁生氏が登場し、「救いと報い」について、細胞分裂の話を例えにして、見事に説明してくれました。
ドラマチックな操体の話をさせたら、この人の右に出る人はいないと思います。
受講生は「ぐっときちゃいました」と感動で涙ぐむという次第でした。
東京操体フォーラム実行委員は「指名されればいかなる時でも操体については語れる」「実技ができる」のです。
4月30日は「2018年春季東京操体フォーラム」。
テーマは「スポーツ障害と操体」です。