和田裕美さんの本だったと思うが
「私は今度結婚します。幸せだから、そのパワーをお分けしま〜す」、と
幸せ度満々を振りまくといういうのはどうでしょう、というのがあった。
どういうことかと言えば、世の中には一緒になりたくてもなれないとか、
色々な事情がある人達もいるからだ。
大抵そういう事情がある人達は黙っているので、誰がどんな事情がある
のか、わからない。
「子供ができました!」と、嬉しそうに報告する人もいる。
勿論悪いことではなく、お目出度いことだ。
これも上記同様に「その幸せをお分けします」みたいな感じだと
それも「どうでしょうねぇ」となる。
子供が欲しくてもできないとか、そういう人もいるからということだ。
特に結婚と子供が生まれるというのは、デリケートな問題でもある。
「死」は万人に公平に訪れるが、結婚と子供を得るということは、
必ずしも万人に訪れるとは限らない。
誰かの本に書いてあったが、例えば辛い不妊治療をしている方などは、
猫の子の話を聞くのも辛い場合がある、と。
クライアントの中にもいらっしゃるが、本当に大変だと思う。
知人の中には、ノイローゼではないかと思える兆候がある人もいる。
私が好きなマンガ「百鬼夜行抄」では、主人公の律が、
子供の頃、女の子の格好で育てられるというエピソードがある。
何故かと言えば「あちら」に持って行かれないためだ。

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「イイコトは期が熟すまでそっとしておこう」というのが
日本人にはあったのだろうか。
私自身印象に残っているのは、年賀状に「彼女とディズニーシーのホテルに
お泊まりしました。3月には婚約予定です」と書いて来た人がいて
3月に「ご婚約されたんですか」と、聞いたところ
「あれは破談になりました」という話もある。これは笑えない。
本人は彼女とツーショットの写真を年賀状に使っていたりして、
ちょっと複雑な気分になったものだ。
数年前、ブログに「彼女と明日から婚前旅行に行って来ます」と書いて、
翌日練炭による一酸化炭素中毒で亡くなった男性がいた。
このブログは色々なメディアで紹介された。
本人はブログに書くほど嬉しかったのだろうが、女子目線で見ると、
「余程モテないヤツ」か「露出狂」に見えてしまう。
もう一つ非常に印象に残っていることがある。
非常に真面目な30代半ばの男性で、職業もお固めだ。
外見からしても、彼女がいるという臭いは微塵もしない。
島地勝彦氏も書いているが、モテる男というのは「女のにおい」が
するものだ。

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ところが、今まであまり真面目に過ごしてきたせいか、
ある時「性」と「プロ相手」に目ざめてしまった。
ふとした機会に彼の書いた実名手記を読んだのだが、自分がどのような
テクニックを練習し、用い、複数の女性と同衾し、楽しんでいるかが書いてあった。
「自分が楽しんでいる」という書き方で、私としては、女性を道具に
しているように思えた。
彼の職業上、これがネット上などで流出したら、彼は解雇間違いないし、
何よりも彼の未来の彼女やお嫁さんが傷つくことになる。
流す前に食い止められてよかったと思う。
これも「自分の幸せ」を、表に出したいということの一つだったのだろう。
幸せなこと、例えば美味しいものをいただいたとか、
友人と楽しい時間を過ごしたとか、そういうことは分かち合ってもいいと思う。
幸せなことは、心にしまっておいたほうがいい。