操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

どうすれば操体の臨床家になれますか?(おまけ)

今朝からいきなりクシャミ連発です。私にも花粉症が迫って来たのでしょうか。
私の場合、ひどければ鍼を打っていただく(特定の先生の鍼でないと効きません・・・)か、行きつけのクリニックで漢方薬を出していただき、操体法東京研究会の定例講習で、受講生に指導するフリ(ちゃんと指導もしてますよ)をして、からだを操って
歪みを正せば、大したことにはなりません。

さて、クシャミがでる前日と前々日、何故か膝から下、足の裏に鈍いだるさを
感じました。こんなのは初めてです。あまりにだるくて夜もよく眠れません
でした。
また、師匠に治療していただこうにも、仕事で東京に居らずという状況。
これはストレートに「足を揉んでもらったらどうか」と思いつき、早速
フットケアのサロンに行って来ました。

私はよくリラクゼーションと臨床の違いを書いていますが、
別にリラクゼーションを否定しているわけではないのです。

リラクゼーションは「方法」を習い、ワンウェイ(施術者からお客様
への一方向性)ですが、臨床は、「診断」と「治療」があり、
その中でも特に操体は「双方向性」(被験者のからだの感覚が
治療の主人公となる)という違いと、
「方法」と「テクニック」を学ぶリラクゼーションと、
「診断分析法」を学ぶ臨床とでは、習得する時間が違う、と言っている
のです。

それはさておき、足はラベンダーオイルでケアしていただき、
すっきりしました。

こういう時、自分で足趾の操法ができないのが口惜しい限りです(笑)。

さて、先程ふと思い出したのですが、操体を学びたいのに、
体験しない人がいます。
勉強したいのだったら、その先生とか弟子の臨床を受ければいいのです。

以前、操体の同門で、自分は三浦先生の治療を一度も受けたことがない」
と、自慢する人がいました。彼は、講習の中では受けたことがある
けれど、自腹を切って、師匠の治療を受けたことがない、と言っていたのです。
私は「それがなんで自慢になるのか??」と不思議でした。
私は受講する前に、三浦先生の治療を受けに行きました。
これは別に不思議なことではないですし、現在の受講生の中にも
先生の臨床を受け感銘した、とか、私がやっている
施術+ベーシック講習」を受けてからという方が多い状況です。

 

★ちなみに「操体」はどこも同じではありません。操体専門で、
治療も講習もやっているところもあれば、臨床をやっておらず、
講習セミナーのみというところもあります。
ポイントとして「誰に操体を習ったか」を押さえて下さい。

その先生の先生まで分かれば、操体は出所が殆ど分かります。

まともな先生ならば、誰にならったか、二代遡ると橋本敬三先生に
辿り着くか、もしくは操体法東京研究会出身かになるはずです。

操体はみんなのものだから、自分が勝手にアレンジしていいんでしょ」という
スタンスで、本を読んだだけでプロ向け講習をしている場合もあります。
ビジネス上は成功するかもしれませんが、習った方が果たして実際の
臨床に用いることができるかどうかは、わかりません。

また、私の10年前以上の受講生で、多分当時のテキストを使って
(現在の私は当時の操体は行っていません)、プロ向け講習をしている
こともありました。

更に「操体は○○県のナントカ先生に習った」と、意気揚々と
私にメールを下さった方がいましたが、○○県のナントカ先生は
私の元受講生だったりしたこともあります(笑)。

結構トホホです。

操体を学ぶのだったら「操体法」(操法のみ)を習うのではなく
是非「操体」(橋本敬三哲学を含む、診断治療体系)を習って下さい。

橋本敬三哲学、橋本敬三の生命観・死生観、救いと報い、
第七の天、陰陽弁証法など、うわべで「やり方」だけ習うのとは
根本が違うはずです。

操体法」を指導しているところは、わりと短期間ですぐできる!とか
「極意を教える」というケースがあるようですが、
診断・分析がその95%である「操体」をそんなに短期間で学べるわけがありません。

これは、
柔道初心者に、二日間で技を教えるから、有段者になれる、というのと
同じです。これはヘンですよね。

繰り返しになりますが、
世の中、偉人伝とかルネッサンスの画家伝などを読んでも
凄い方は相当の確率で素晴らしい師匠に恵まれています。
仏教の世界とか、古代ギリシャの哲学者もそうです。

師匠に恵まれた先生に習って下さい。
それだけで、学びの姿勢に誇りが生まれます。

ちなみに「第二分析」「第三分析」を指導しているのは
操体法東京研究会の講習と、師範代の証号をいただいた
全国5名の師範代のみです。
これ以外で「第二分析」「第三分析」(皮膚へのアプローチ:渦状波®)
を教える、というところは、本来ありません。

まあ、名称を変えてやっているところもありますので、
それをどう選ぶかはその方の運も関係しています。

これは、操体の言うところの「自己責任」でもあります。

世の中には「手っ取り早くできればいい」とか
守破離」の「守」を修めていないのに、
「破」とか「離」に行きたがる人が必ずいます。
それは確率的に仕方ないことなのかもしれません。

ところで、人様のからだに触るということを考えると、
色々体験してもよさそうです。

私は小学校6年の時、内藤景代先生の
「こんにちわ 私のヨガ」を読んで、ボディワークの世界にはまりました。

新版 こんにちわ私のヨガ―美しく変身する107の秘密 (Yoga and meditation)

新版 こんにちわ私のヨガ―美しく変身する107の秘密 (Yoga and meditation)

今でこそヨガをやるのは女性が多いのですが、
30数年前は、ヨガをやるのは殆ど男性でした。そういう時に
書かれた、多分日本で最初の女性によるヨガの本です。

その後、景代先生の瞑想などにもはまり、中学の時は、親の会社の保険組合で
配った「足のゾーンセラピー」にはまり、「いたたた」と言いながら
自分の足を揉みまくっていた経験があります。
日本でリフレクソロジーが流行った頃は、飽きてしまい、その頃は
操体や手技療法の世界に進んでいました。

これらの二つの体験と、太極拳と外気功(医療気功)を習った
ことは、私の臨床家人生に結構なメリットを与えてくれたと思って
います。

もう一つ。
私の同門、東京操体フォーラム相談役の平直行さんと話すのですが

「ある日できるの法則」というのがあります。
私は同じ意味で「Fコードの法則」と言っています。
平さん曰く、できなかったことでも、続けているとある日できるように
なるから、ある日できるの法則なんだそうです。
私の場合、電気(ハードロックとメタル好きなもんで)ギターの
練習をしていて、Fコードがどうしても弾けない。
人差し指の皮が二回位むけても、まだ音がでない。
それでも続けていたら、ある日、全然力を入れなくても
「じゃーーーん」と音が出たという経験によります。

このお陰で「できなくても続ければある日できる」ということを
知りました。

さらに考えてみると、私は20代後半の頃、エステサロンに通っていました。
「何で今からエステなんて行くわけ?」「バカみたい」という方も
いました。無視しましたけど(笑)。
そのエステの先生は、マンションの一室で開業していたのですが、
当時日本で五人もいなかった(今は沢山いると思いますが)、たしか
CIDESCOという、エステティシャンの国際資格を持っている方
だったのです。イギリスに1年留学して、資格を取ってきたという
すごい方でした。
そういう先生のゴッドハンドに10年近くお世話になったわけです。

上手い方の施術を受けるということは、非常に勉強になります。

男性向けのエステも流行っています。
臨床家になりたい男性は、メンズエステを体験するといいと思います。
どのように触れるか、その感触を学ぶにはぴったりだからです。

なお、私の知人でエステティシャンがいます。今はどうかわかりませんが
メンズエステは基本的に指名なしなのですが、たまにエステティシャンを
指名するお客様がいて困るとか(笑)。

マッサージや指圧が好きな方は、受け慣れているので、
(強圧好きで、感覚鈍麻している場合は少しナゾですが)
施術者の上手い下手はわかると思います。

まあ、マニアになってしまっては臨床家になれるかどうかは
わかりませんが(笑)。

いずれにせよ、実際受けて体験していただくのが一番です。