こんにちは。
畠山@TEI-ZAN です。
25年以上前のことですが、誰かから
『「どれくらいで食えるようになりますか?」と聞くヤツはまずコケる』という話を聞きました。
「操体を勉強して、どれくらいで食えるようになりますか」
という質問と同じです。
あと「治療家あるある」を一つ。最近はあんまりないですが、20年くらい前は、施術に来た人が、施術室の中を舐めるように見回して(間取りチェック?)「ここは何平米くらいありますか」とか「家賃はどれくらいですか」と聞いてくることがありました。
まあ、こういう場合、適当にいなしますが、そのうち
「1日に、患者さんはどれくらい来るんですか?」
「1ヶ月にどれくらい稼げますか」と聞いてきたりします(笑)。
そうです。同業者か、同業者になりたい人のリサーチです(笑)。
ちなみに、そういうことを聞かれても、本当のことは答えません(当然)。
私の場合、最初に正体を明かして「これから開業したいんですが」と、ちゃんと正直に言ってくれれば、アドバイスしますよ。
さてさてさて。
操体の臨床をやるには、「実技」と「知識」が必要です。
知識:操体を一通り習い、知識を得た
実技:実際にクライアント、患者様に臨床を行うこと
占いもそうです。
知識:占いの学校で占いを5種類ならって知識を得た
実技:実際にお客さんを占うこと
この二つが揃って、はじめて占いが成立します。
よくある勘違いが「操体を習えば、できるようになる(臨床ができる)」という思いこみです。
私の周りにも、1年とか2年講習を受けただけで、いきなり開業して、やっぱり廃業という人が何人もいます。
ほぼ「治療業界のヒト」ではなく「脱サラ」組です。
こういう人達は左脳で「1年勉強して2年目に開業」とか、プランを立てているのだと思いますが、そこには「実技」(とか、丁稚奉公の時間)は入っていないのです。
しかし、アタマがいいので、マーケティングなどには長けており、ホームページなどは、魅力的に作ってあります(誇大広告っぽいです)。SEOなんかも勉強していて、検索すると上位に来るような仕組みも構築しています。
★★操体に関しては「誰に操体を習ったか」と書いていない人は、要注意です。
いや「書けない」と言ったほうがいいかもしれませんね。
破門されたり、出奔したり、途中でばっくれたりすると、書けないのです。
ああ、すいません、実感を込めて言っちゃったよ。
操体法は、創始者がはっきりしていますし、臨床家は、ほぼ「操体法東京研究会」に源を発しています。三代遡れば、出所がわかるからです。
は、鍼灸院や接骨院などの、国家資格系の治療院は、広告宣伝について、法律で厳しい決まりがあります(誇大広告しちゃいけないんです)。
なので、治療院系に関しては「超魅力的なサイト」が「本当にそんなにすごいテクニックを持った先生がいるのか」「マーケが上手いだけなのか」を、見極める必要があるんです。
★ちなみに、武術系を習っていて「1年で有段者になって道場を開いて弟子を取りたい」とか言ったら「へ?」って言われますよね。。
そして「1年?」って言われて、先輩にボコボコにされるでしょう。。
実際、鍼灸師や柔道整復師は、国家試験を受けるまで、3年とか専門的に勉強しているわけです。その後、また操体を学んだりしているのですから、勉強している期間が全く違うのと、在学中に接骨院でアルバイトとかもしているので、実技を磨いている上に、独立開業の大変さも知っているのです。
(私は国家資格ホルダーではないですが、操体の勉強をはじめてから開業に至るまで、4年かけました)
よくある、短期間で、操法だけを教えて、それで終わり、というプログラムで、操体の臨床が身につかないのと同じです。
また、ある易の本を読んでいたら「友人知人を無料で占っても、甘えや馴れがあり、厳しい判断ができない」とありますが、操体や手技療法も全く同じです。
「家族で練習している」というのは、互いの甘えや馴れがあるのです。
さて、実技を学ぶには、どうすればいいんでしょうか。
それは、師匠の臨床を見せてもらったり、症例集を読んだりすることなんです。
師匠の臨床を見せてもらう、というのは、ものすごく勉強になります。
(見せていただけるくらいの弟子になる必要があります。信頼関係がないと、見せてもらえません)
そして、臨床を見せてもらったりすることは「操体の講習」とは全く別の次元の勉強になるんです。
何を習うか、何を得るかというと「人との関わり方、からだのとの関わり方」です。
あ、こんなとき、師匠ならこうやってかわすのか、とか、そういうことを習うのです。
これは「定例講習」では習えません。
三浦先生は、橋本敬三先生の元で5年間、丁稚奉公をしたそうですが、その間に、橋本先生の患者さんのあしらい方や、関わり方を受けとったのです。
私自身も、三浦先生から患者様への関わり方を教わりました。
そういう「実技」を軽視して「2年講習を受けてテクニックを身につけたからいいや」という感じ(つまり、実技不足)で、突貫開業とかすると、危ないんです。
例えば「渦状波」。
あれは、不思議な仕組みがあります。
講習会場では、できた。すごい効果があった。
しかし、自分の家でやってみてもできなかった。できてもまぐれだった。
私はこの仕組みを知っているのですが、実際にあることなんです。
ちなみに、先日の「東京操体フォーラム実行委員勉強会」で、
「私達って、しつこいよね~(笑)」という話になりました。
今いる固定メンバーは、ほぼ変わりません。
つまり、しつこいのです。
半蔵さんや岡村先生なんて、20世紀の終わりから参加してるんですよ。
で、未だに勉強を続けている。
私もかなりしつこい部類に入ります(笑)。
たった1年2年3年くらいで「もうマスターした」っていうつもりになるのは、本当に勿体ない。
講習が終わった後も「塾SOTAI」という勉強プログラムがありますが、これでブラッシュアップできます。
今年は、操体法東京研究会の定例講習の新プログラムが開始されるそうですよ。
決まり次第、お知らせします。