操体は『症状疾患にとらわれない』のが基本ですが、「花粉症に効きますか?」と、聞かれることがあります。
私の経験から言うと「首のコリが消えるとハナ水が止まって、アタマがスッキリするから」と、操体を受けに来る方が結構いらっしゃいます。
確かに首と鼻の関係性は感じます。首がスッキリすると鼻が通るのです。
花粉症というのは、春になって、本来はからだがゆるむのに、何らかの理由でからだがゆるまず、そのからだをゆるませるために、花粉などをトリガー(引き金)にして、くしゃみ鼻水で強制的にゆるませている、という説もあります。
首のしこりが消えるということは、首がゆるんでいる、ということでもあります。
「腰と首はよく診ろ」と、橋本敬三先生はおっしゃったそうです。
腰を診るというのは、ひかがみ(膝の裏)を診ること。全身形態の歪み、からだの中心骨盤の歪みが反映される場所だからです。
何かしら不調を訴える場合には、ここに圧痛を伴うしこりが現れます。
首にはわりと痛みを伴うしこりがあることが多いので、全部触れていたら、受け手は痛いし、時間もかかります。
という訳で、一番大きなしこりに触れてみます(一番大きいしこりを正解にキャッチする方法があるのです)。
これらのしこりが悪いのではなく、ボディの歪みの結果として、あらわれているのです。
操法の後、ボディの歪みが正されていると、しこりは変化します。
無理に100%取ろうとしなくても大丈夫です。
むしろ、完全にしこりを取ろうとして、被験者のからだに
負荷をかけるほうが心配です。
「完全にしこりや痛みが取れる」というのは、治療者のエゴであることもあります。
雑草を根こそぎ絶やそうとして、除草剤をまき、結果的に
本来育てるべき花まで枯らせてしまうようなものです。
痛みは悪者ではなく、からだの異常を知らせるサインです。
操体の創始者、橋本敬三先生は患者さんに
「もともといいからだなんだから」と言っておられたとか。
先にも書きましたが、花粉症も、こわばったからだをクシャミやハナミズで
ほぐして、春の緩んだからだにするための、自然の働きかもしれないのです。
左脳的右脳的と言います。
勿論どちらも必要なのですが、時代が「右脳的」(陰の時代、あるいは「2」
の示す女性性の時代、水瓶座、愛と調和の時代)に変化しつつある現在、
左脳的思考を、くしゃみや鼻水によって、ぼーっとさせるという
宇宙と自然の荒療治なのかもしれません。