右脳左脳の話が嫌いな人っていますよね。
人をそんなのでカテゴライズするなっていうんです。
しかし、右脳左脳の話ですが、人間右脳も左脳も持っているのだから、どちらかが優位であるクセがあるとか、他者に何かアプローチをする場合、相手の「左脳」(理性)に働きかけるのか「右脳」(感覚)に働きかけるのか、という問題で考えたほうがいいような気がします。
さて、先日「きもちいいですか」と、聞きすぎるのはどうかと書きましたが、補足しておきます。
あるところでは「とにかく患者さんには、感覚を躊躇せずにどんどん聞け」という指導をするのだそうです。
これは、私も操体を学び始めて人様のからだに触れさせていただいてわかったのと、自分で受けてみてわかったのですが、
「聞かれるとウザイ」とか「きかれてもよくわからない」ということが多々ありました。
聞いても「う〜ん、わかんない」とか「・・・・」とか。
自分が受けていても「どんな感じですか」と聞かれても、きもちよくも何とも無いとか、そんな場合は答えるのが苦痛になります。
いいですか、何度でも言いますよ。
わからないことを何度も何度も聞かれるのはウザイんです。
きもちよくもなんともないことを「きもちいいいか」と聞かれるのもウザイんです。
「操体をやってるけど、クライアントに「わからない」といわれてしまう」場合、問題は100パーセント操者にあります。
クライアントのせいにしてはいけません。
私のクライアントにも「あまり色々聞かれるので操体が嫌いになった」という人もいました(挽回しましたけどね)。
とにかく「聞かれてもわからないことを何度も聞かれる」のと「きもちよくないことをきもちいいかと聞かれる」のは、苦痛になります。
うちの師匠が「大事なことは三回くり返せ」といつも言っているので、そうしてみました。
操体の指導者(施術者)は、それを頭に入れておかねばなりません。
この問いは、どちらも「左脳的」な問いかけです。つまり、アタマで考えさせてしまうと言ったらいいでしょうか。
通常、動診操法に入ると、被験者のからだは「感覚優位」になってきます。
勿論私も「いま、どんな感じですか」と、たま〜に聞くことはありますし、三浦先生も聞くよ、とおっしゃっていました。
しかし、聞くタイミングを間違えると、被験者は「アタマ」で「う〜ん?どんな感じってどんな感じ??」みたいに、考えます。
つまり、右脳優位の状態で動診操法を受けていたのに、問いかけによって左脳にスイッチが入ってしまうのです。
こうなると「う〜、わかんない!」「きもちよくもなんともないのにきもちいいって聞かれてもなあ〜」と、「アタマ」で考えます。
私のクライアントの一人は、他で「きもちいいですか」と「どんな感じですか」と聞かれて
「面倒臭いので適当に答えておきました」と言っていました(実話)
私はこれを聞いて笑ってしまいましたが、実話です。
と言う私も、25年位前に趾廻(ゆびまわ)しをやっていて「内廻しと外廻し、どちらがキモチイイですか?」と聞いていました。そう習ったから。
当然ながら「う〜ん」とか「わかりません」という人が出ました。私も困りました。
しかし、ある時三浦先生に趾廻しを受けて頂いていて、私はついついうっかりと、こともあろうに三浦先生に
「どっちがきもちいいですか」と、最高にアホな質問をしてしまったのです。
その時、三浦先生は
「どっちもきもちいい」
と、おっしゃいました。
この時は、大ショックでしたが、「そっか、どちらもきもちいいってこともあるんだ」という新たな発見と、今まで「どっちがきもちいいですか」と聞いてきたやり方がダメだったわけがわかったのです。
私が第二分析、すなわち一つ一つの動きに「快」を問いかけるやり方と、「快適感覚」に対する疑問が吹っ切れた時でした。
その後、やり方を改善して、上手く行くようになりました。
操体は、テクニックのみに非ず。
心理的なアプローチや、コミュニケーションの手法も必要です。
11月23日開催予定の「2019年秋季東京操体フォーラム」は、こんな話も少しでるかもしれません。
また、心理臨床的アプローチと身体的アプローチとして、駒居義基先生のセミナーと、足趾の操法の体験コーナーを企画しました。
こちら、13時〜16時の限定ですが、フォーラムフルセッションが10,000円ですが、駒居先生セミナーと足趾の操法の体験コーナーは、3,000円となっております。
臨床家のみならず、心理臨床家、占い師、カウンセラーの皆様、また、足趾の操法®ってよく聞くけど、一度受けてみたい、という方も是非どうぞ。
★大佐倉 勝胤寺(曹洞宗)の庭にて。