この15年の間、ほぼ毎週日曜日は操体の講習に出ている。現在、第一第三日曜の午前中は「足趾の操法」の講座を担当しており、その後午後は三浦先生の講習でサブ講師を担当している。
私自身先週の金曜、一連の確定申告書類を仕上げた辺りから、後頭頸部と左肩甲骨辺りに痛みがあった。さらに全身が筋肉痛っぽく、倦怠感がある。これで熱があったらインフルエンザの疑いがあるのだが、熱はない。というか、子供の頃からインフルエンザにはかかったことがないのである。
そして自分のは結構わりと改善したのだが、実行委員のI君から連絡があった。
熱の峠は越したのだが、インフルっぽいので講習への参加はどうしましょう。気力では生けます、という連絡である。三浦先生に連絡をとったところ
「愛する弟子よ、這ってでも来なさい」(笑)というメッセージを送れとのことだった。
ちなみに、ちょっとくらい具合が悪くても、講習を受けていると良くなってくる。これは波動の問題もあると思うのだが。また、ちょっとくらい調子が悪いのは、モデルとしては最高である。
というわけで、I君はマスク姿で登場した。いつもは俊敏な動きが今日はスローモーである。早速仰臥位をとらせ、実行委員のT君に、ひかがみ(膝窩)の触診を頼む。
左の膝窩に数ヶ所、逃避反応を起こすくらいの圧痛硬結がある。
また、頸部にも硬結、左のそけい部にも硬結がある。特に左のそけい部は風邪を引くと反応が出やすいところである。頸部の圧痛点に手を触れながら、膝を右に倒すと、首の痛みが軽くなるということで、T君に膝の右傾倒の介助をたのみ、他の実行委員に左右の手の内旋、外旋に対する介助をお願いした。
四人がかりでの動診である。きもちよさがききわけられたので、その快適感覚を味わう、操法に入る。
その次に再度ひかがみに触れると、今度は左のお尻を持ち上げるような逃避反応が起こった。そこで、左足の足底全体を床に押し込ませ、臀部が浮いて背中と腰が伸びてそるように誘導する。これも両手ヘの介助を他の実行委員にお願いする。これもまた気持ちよさがききわけられたので、十分に味わうよう指示する。
それから左そけい部の圧痛をピンポイントで除去する。
この辺りでI君は大分人間に(笑)戻ってきたようだった。
その時、丁度三浦先生が講習会場に顔を見せた。
這ってでもやってきたI君は、ごほうびに師匠の操法を受けることになったのである。
すごいごぼうびだねこりゃ。
足趾の操法の最新版(横足根洞)につづき、渦状波(かじょうは)も登場だ。
足のポイントに触れられる度に何だか意味不明な叫び声をあげていた彼だったが、午後はマスクはしていたものの、普通に戻っていた。
安静と服薬も大切だが、積極的に免疫力を高めるには操体は向いているのである。