操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

伝統療法カンファレンス2015 その2

さて、筋整流法の腱引き体験にやってきた。

畳敷きの広間に敷物が敷いてあり、
問診票に名前を書く。
私は別に辛いとか痛いところはないので
全身の調整ということでお願い。

最初に左側を下にして休む。
割と痛い?というイメージがあったのだが、
そんなことはない。
また、強さは大丈夫か聞いてくれる。

 

臀部と腰は「おおっ」と、来たが
顔をやってもらった時は寝るかと思った。

 

実は、上手い人がやると、痛くても
それは一瞬だし、きもちよかったりする。

 

操体の「ひかがみ」の触診などでは
逃避反応が起こる程「一撃」でやる。
私達はその一瞬の逃避反応を見て、
瞬時に動診を考えることもある。


一瞬である。
私はこれを「秒殺」と言っている。
下手なのは「生殺し」と言う。

 

私が腱引きを受けたのをきっかけに、
フォーラムのメンバーも続々と腱引きを
受けに行った。

皆「体験してみないとわからないものですね」と言っていた。

 

同時に、筋整流法の皆さんも、足趾の操法®を受けにきてくれた。
皆さん、きもちよさを味わっていただいたようである。

 

互いに他流の施術を、お金を出して受けるというのは
とても勉強になるのだ。

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足趾の操法®施術中。

自分の見方と世界の見方を編集する夜学

伝統療法カンファレンス報告の合間ですが、
9月8日、イシス編集学校の「イシスのお祭り」に行ってきました。

 

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es.isis.ne.jp

本日のプログラムは「自分の見方と世界の見方を編集する夜学」ということで、
湿板写真家のエバレット・ブラウンさんと松岡校長のトーク。

千葉のいすみで素敵なお宿「慈慈の邸」もプロデュースしていらっしゃいます。

brownsfield-jp.com

といえば、私が行かないワケがありません。

 

エバレットさんは10月にパルコ劇場で公演の「影向」(YowGow) のポスターを
湿板で撮っていらっしゃいます。松岡正剛さん、田中泯さん、
石原淋さん、宮沢りえさんによるステージですが、
こちらも私が行かないわけがない(チケット買ったし)。

www.parco-play.com

幸いに正面かぶりつき(笑)の席を確保し、じっくりお話をうかがいました。

最初にビデオを見ながら、先の「影向」(ようごう)のポスター撮影をした時のお話。

写真を勉強中の私ですが、湿板写真は勿論、暗室に入って現像とかしたことがないもので、撮影の様子の手順の一つ一つが非常に興味深いものでした。

ガラスの板に液を垂らし、それが乾かないうちに撮影するので「乾板」に
対して「湿板」というのでしょう。

撮影が終わって、現像するまでどんなものができるのか分からないので、
焼き物みたいなもの、というお話にはやはり「へええええ」でした。


使っているカメラは江戸時代末期から明治初期のもので、撮影に10秒くらい
かかるそうです。なるほど、10秒も動きを止めて大きな箱を見つめるわけですから、
「魂が抜かれる」というのもわかります。

 

私は「へえええええ」とうなづくばかりでした。

 

そしてエバレットさんは、撮影時には自分を「なくす」そうです。
写真家と被写体の間には、通常何らかの「念」が入るものですが、
それを排除しているのだそうです。

撮影時にも、被写体(モデル)を見ない。

 

そして「他力」という言葉を聞きました。

操体は「自力自療」なので「他力は良くない」っていうのでは
ありません。他力というのは、自分一人では何もできないけど、
回りの力、あるいは宇宙の力をありがたくお借りするということです。

 

「他力」というのは、最近東京操体フォーラムのメンバーの一部で
流行っている言葉ですが、心屋仁之助さんの言葉を借りると
「なんか知らんけど」というヤツです。

 

この「自分のテクで撮影するんじゃ」とか「オレがオレが」という
のではないところが「他力」、つまり「お任せする」ということなんです。

 

後半は、突然ですが「目の体操」をやりました。
私も目が悪いのと、パソコンとスマホKindle人間なので、
目が凝っているのがわかりました。

 

そしてこれも面白かったのが、
視野の境界線を見るというワーク。
これは、私が「視診触診講座」で教えている、「放散視」に似ています。

視診する場合、
凝視すると見えないんです。

凝視すると、一生懸命やってるとか
そんなふうに見えると思うかもしれませんが、
実は凝視すると、身体的な異常とかアンバランスは見えにくいんです。

「集中しながら放散して観る」というのがコツです。

 

最近、私達は「目線」の勉強をしていますが、
色々ヒントがありました。

 

アートも編集も、行き着くのは「身体感覚」なのです。

 

 

伝統療法カンファレンス2015 その1

9月4日昼過ぎ、天気のいい東京を出発し、
途中の佐野PAで餃子を食したり、栃木名物の「レモン牛乳」に
驚いたり、道の駅に寄って買い物をしたりしながら、
カンファレンス会場の会津アストリアホテルに到着。

 

標高が千メートル近くあるので、少し寒い。
そして、空気がきれいだ。

 

前日入りし、翌日に向けて色々策を練る。
夕食後は温泉に入って宴会。

 

そしてカンファレンス当日。

土曜から参加組が到着する前に、
先発隊は「足趾の操法®」のブースを設置。

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先発隊と土曜参加組集合。

私は早速隣の「腱引き体験」の部屋に行ってみた。

つづく

 

 




 

2015年冬季東京操体フォーラム開催第一報

2015年冬季フォーラム開催日が決定致しました。

今回は12月開催のため、「冬季」と致しました。

 

2015年冬季東京操体フォーラム(開催速報) « 東京操体フォーラム

 

12月5日(土) 分科会 
於ルーテル市ヶ谷センター 13時~20時(予定)
臨床とスピリチュアリズムについて(仮)

「スピリチュアリスト、臨床家がネガティブなエネルギーから身を守るには」
「占術を臨床に活かす。東洋医学知識を占術に活かすには」等

 

12月6日(日)本会   
昭和女子大学会議室 9時開場 9時30分~17時40分(予定)

 

「今さらきけない→今だから知りたい『からだ』の要求に適う診断分析法」

特別ゲスト講義 筋整流法創始者・腱引き療法伝承者 小口昭宣先生

「からだ」の要求に適う臨床を通すためには診断分析が欠かせません。
今回のフォーラムでは操体ならではの触診等の講義や、東京操体フォーラム
理事長の三浦寛による最新の臨床講義などを予定しております。
また、ゲスト講師として筋整流法創始者・腱引き療法伝承者の小口昭宣先生を
お招きし、古来から伝わる「療術」について語っていただきます。

 

参加費用(事前申込み料金)

A 5日分科会、6日フォーラム本会 16,000円(昼食つき)
B 5日分科会のみ 8,000円
C 6日フォーラム本会のみ 11,000円(昼食つき)

事前申込み締め切り 11月30日(月)

事前申込み締め切り以降は、昼食の手配ができません。
A 16,000円(昼食なし)、B 9,000円、C 11,000円(昼食なし)

となります。

お申込フォーム

お問い合わせ等は forum@tokyo-sotai.com までどうぞ。

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操体とは?足趾の操法とは?

2015年9月5日(土)、6日(日)
ヘルスケアリゾート南会津 伝統療法カンファレンス2015
が開催されます。

 

aizu-kougen.jp

 

一般社団法人日本操体指導者協会および
東京操体フォーラムからは、三浦寛先生はじめ、私も参加予定です。

さて、去年も「足趾の操法®」の体験ブースを設置しましたが、
操体って何ですか?」「整体とどう違うんですか?」と
多数の方にお問い合わせいただきましたので、簡単に説明したいと思います。

 

操体とは?

  • きもちのよさを味わうことによって、ボディの歪みを正し
    二次的に症状疾患を正す、日本医学です
  • 福島県会津生まれの医師、橋本敬三が、日本に古来から伝わる
    「正體術(せいたいじゅつ)」をヒントに創案したものです
  • 整体は「悪いところ」を動かして治しますが、
    操体は「いいところ」を動かして治します

 

足趾の操法®とは?

  • 数ある操体の引き出しのひとつ
  • 非常に快感度が高くボディの歪みが整い
    施術とリラクゼーションを同時に行うことができます
  • きもちのよさでボディの歪みを正します

 

操体操体法についての詳細説明

 

操体の特徴
★よく聞かれるのが「整体とどう違うのか」ということですが

  • 整体は「悪いところを動かして治す」が、
    操体は「良いところを動かして治す」
  • ボディの歪みを正すことによって、
    二次的に症状疾患を解消する
  • 当初は「楽な方、動かしやすい方に動かす」という
    運動分析を行っていたが、操体の進化とともに、
    「快適感覚(きもちよさ)をききわける」という
    感覚分析に進化した。

 

  • 「きもちよさを味わう」ことによってボディの歪みは整復される
  • 操体、とは創始者橋本敬三医師の哲学や死生観などを含めた幅広いものであるが、操体法というのは、橋本敬三医師が行っていた
    治療(臨床)の部分を指す
  • 操体法、というのは操体のほんの一部でしかない。

 

 

操体とは、福島県会津出身の医師、橋本敬三(1897年-1993年)が、日本に古来伝わる手技療法がそのルーツになっている「正體術」(整体ではない)を源流として創案されたものです。


橋本敬三医師は、大正時代に医師免許を得ていますが、臨床経験(実際にインターンとして患者を診る経験)をせずに、研究医から一般の病院勤務をします。


その際、一番困ったのが、腰痛、膝の痛みなどの整形外科的疾患でした。最新の西洋医学が役に立たず、患者は去って行きましたが、町中の民間療法の治療家(鍼、導引、整骨、導引など)のところに行って治っていることがわかりました。


当時、医師の社会的ポジションは大変高く、逆に明治維新後、民間療法は時代遅れという位置にありましたが、橋本医師は民間療法家に頭を下げて、何をやっているのか学んだのです。


そして分かったのは、これらの療法は、ボディの歪みを正しており、歪みを正すことによって、二次的に症状疾患を解消しているということでした。

その後、橋本医師は操体の源流である「正體術」に出会います。これは「可動域の大きい、楽な方に動かし、瞬間脱力させることによって、ボディの歪みを正す」というものでした。これが戦前の話です。戦争中軍医として外地に赴いていた敬三医師が拘留されていたシベリアから帰国したのは昭和23年でした。


操体は、正體術に似ていましたが、違っていたのは医師や治療者の所見による「可動域」ではなく「患者本人の感覚」を大切にするということでした。

 

以前(30年以上前)は、楽な動きと辛い動きを比較対照し、楽な方、痛くない方、動かしやすい方に動かし、数秒間動きを「たわめ」、瞬間急速脱力に導いていました。これを第一分析(楽な動きに問いかける動診と操法)と言います。
1983年(昭和58年)、橋本敬三医師は85歳の時健康上の理由で、現役を引退しましたが(引退したと言っても90歳まで現場の治療室には顔を出していました)、その時、操体の定義を「楽な方に動かすことによって治す」ことから「きもちのよさを味わうことによって治る」ことにシフトチェンジしました。


これを聞いていた一番弟子の三浦寛(9月6日にワークショップあり)は、橋本敬三医師の意志を継ぎ、きもちよさ、快適感覚に従った動診と操法を体系づけました。


これは、人体の動きを比較対照するものではなく、ひとつひとつの動きに快適感覚の有無を問いかけるもの。これを第二分析(快に問いかける動診と操法)と言います。

さて、操体の盲点というのがあります。それは動けない人に対してどうするかということ。それを解決したのが、三浦寛による「刺激にならない皮膚へのアプローチ」(渦状波®)です。これを第三分析と言います。

 


そしてもう一つ、昨年に引き続き、今年も伝統療法カンファレンスでご紹介する
「足趾の操法®」というものがあります。

これは、橋本敬三医師が70歳から72歳までの間に臨床で行っていたもので、元々は、仙台の橋本医師の治療所を訪れていた足心道の先生が紹介したものだそうです。

これは非常に痛いものですが、終わった後非常にすっきりするので、これを痛くなく、きもちよさを味わうにはどうしたらいいかと生まれたのが「指もみ」と言われるものです。これはゆらし、落とし、もみの3つが基本です。

これに、三浦寛が非常に快感度の高い「おさめ」を導入し、畠山裕海が長年研究を続けてきた「趾廻し(あしゆびまわし)」「横足根洞(おうそくこんどう)」「手指操法」などを加え「足趾の操法®」としてメソッド化したものです。

非常に快感度が高く、なおかつボディの歪みが整う、リラクゼーションと施術を同時に行うことができ、寝たきりであるとか幼児でも施術可能です。

・ 非常に高い快感度を得ることができる
・ 鈍っている「原始感覚」を呼び覚ます
・ 瞬間的な深い眠りと深い癒し
・ 腸をはじめ内臓の働きが活発になる(便秘の改善)
・ きもちよさを味わうことにより、ボディの歪みが正される


現在「足指の操体法」「足指の操法」など、類似名称を使っているところがありますので、ご注意下さい。

足趾の操法®の施術、指導ができるのは、三浦寛門下の師範代、一般社団法人認定の、操体プラクティショナー、足趾の操法インストラクター、足趾の操法アドバイザーのみです。

 

 

秋来たる!ウォーキング・ハイ

ここ数年毎年「今年は暑かった」と言ってるような気がしますが、

台風一過後、急に涼しくなりました。

 

操体でやせるか?といわれたら、からだは変わります。
ただ、やせるつもりがなかったけど、気がついたら、というパターンが多い。


私は普段の日課として、朝のウォーキング(メディテーション・ウォーキングと命名)をやっていま

した。

した??

過去形です。

正確には今日から再開しました。

 

というのは、暑かったので
バテる → 朝起きるのが少し遅くなる(っていっても7時とかですが)
→ 暑いので散歩に行くのをやめる

 

という悪循環が続いたのと、
何だか食欲旺盛というか、いきなりステーキができたとか、
色々あり、

何だか1.5キロくらい増えました。まあ、もともと私、体脂肪が少ないんで、別に構わないといえば構わないんですが、

 

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★ちび猫の、小十郎(こじゅ)は、最近ますます「むちむち」になってきました・・・。

 

やはり、運動(ウォーキング)しないと
「歩きてぇ!」というからだの要求が聞こえます。

 

歩くと20分くらいで、ドーパミンが登場し、その20分後でセロトニンが登場する、つまり、きもちよくなって、また落ちつく、という感じです。

これ、やってみると分かりますし、私のクライアントも何人か同じ事を言っていましたが、「歩くときもちいい」ことがわかります。

 

そして、私が歩くのは朝なのですが、朝日をおでこに当てると
夜、メラトニンが分泌されるので、夜にはちゃんと眠くなります。

 

早起きしてウォーキングを始めると、最初の一週間位は
昼間眠くて眠くて
昼寝が必要になりますが、この短時間の昼寝がたまりません。

 

これがあんまりにもきもちいいので、朝起きて歩くのがたのしみになったりします。

少し位の雨だったら、防水の靴をはいて、ビニールの透明傘(こういう時には、透明のほうが景色を眺めることができていいんです)を持っていけば十分歩けます。

 

そして、これは私の体験ではないんですが、
代謝が良くなってスリムになったとか、ウエストが締まったとか、
色々いい話をききます。

 

また、これは車や自転車など、道路では気をつけて欲しいのですが、
一定のリズムで足を動かすということは、一種の瞑想状態になります。
なので、原稿を書くとか、勉強する時にはとってもいいんです。

 

ポイントを挙げておきます

・音楽などは聞かないこと
・一人で歩く事(なので朝なのだ)

最初は30分くらいから、慣れて来たら一時間。

 

足の筋肉とか結構鍛えられます。

 

「ちょっと嬉しい伴奏が弾きたい」

 先日8月22日、
ダーリン寄席」に行ってきたのでした。

 

今回は、先頃の転倒骨折から復帰した立川左談次師匠と、
真打昇進が決まったの立川談奈さんの噺をたのしみに、

そして東京ペールワンとか米粒写経とか(マニアックです)を
エンジョイしてきました。

会場は上野広小路の「お江戸上野広小路亭
近くの「吉池」によって、師匠やT君、M嬢、A女史と共に


免疫力アップの大笑いをしてきました。

 

blog.goo.ne.jp

ダーリン寄席の「おかみさん」こと平田紀子先生が
この度本を出版なさったのでお知らせ。

平田先生は以前、東京操体フォーラムで、
音楽療法の講義をして下さったのです。

 

最後の「上を向いて歩こう」とか、
泣くかと思ったよ(笑)

決定版 平田紀子のちょっと嬉しい伴奏が弾きたい

決定版 平田紀子のちょっと嬉しい伴奏が弾きたい

 

 東京音楽大学ピアノ科卒。精神科病院勤務を経て、現在
高齢者や機能訓練の現場で音楽療法を実践。
日本音楽療法学会認定音楽療法士
東邦音楽大学専任講師、東京音楽大学非常勤講師。

 

★私はピアノはまったくダメなので、
弾ける人がちょっとうらやましい。