操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

ナゾが解ける(1)

橋本敬三先生の「生体の歪みを正す」と「からだの設計にミスはない」にも出てくる「救いと報い」の話がある。

★この二冊を読んでいないと「操体を勉強していてもモグリ」と言われるので、読んでいない操体法東京研究会の定例講習の受講生は読むように(なお、先輩のフォーラム実行委員の何名かは「からだの設計にミスはない」を手書きで写すという写本もやっている)。

創始者のバックグラウンドや、思想の変遷を学ぶことはとても大切なことだ。

第一分析から第五分析の変遷は、やはり知っておいて損はないし、別に「知った」からといって絶体やらなければならないわけでもない。皮膚へのアプローチ(第三分析)を知っていても、第一分析をやってもいいのである。
要は「知っていてこだわらない」ということだ。

 

以前、某整体関係者に足趾の操法を体験してもらうチャンスがあった。しかし、その方は「他のものは受けてはいけないと言われている」と言った。

 

これはこれで面白いが、私は「経験値」として他のものも受けるべきだと思っている。

伝統療法カンファレンスなどで、筋整流法の皆さんと互いに交流したりするのは非常に勉強になる。

 

さて、ナゾが解けたとは、なんのナゾなのかというと「救いと報い」の、ナゾである。

 

 ★近年「生体〜」は、電子本になっている。

生体の歪みを正す 橋本敬三論想集

生体の歪みを正す 橋本敬三論想集

 

 

 

からだの設計にミスはない―操体の原理

からだの設計にミスはない―操体の原理

 

 

「救いと報い」というのは、操体の哲学の中でも非常にコアな部分である。

若き日の橋本敬三医師は18歳から23歳までの間、苦悩の青春を過ごした。
その苦悩の様子は詳しく書かれているので、是非読んで頂きたいが、「罪」という概念である。(心の調和 救いと報い 374ページ参照)

橋本敬三先生は、入信こそしていないものの、若い頃は聖書を読み、救世軍に出入りし、自伝的小説では、日曜学校の手伝いをしている。また、最初に戦地に赴く少し前、38歳の時、函館で自費出版された「霊魂を賭けて」という本には、医師として、当時大流行したスペイン風邪で亡くなった17歳の女子高生を牧師と共に見取ったというエピソードが記されている。

★「霊魂を賭けて」というのは、私家版の自費出版本で、昭和11年に書かれた文章であり、函館の印刷会社で印刷されている。これを見つけたフォーラム実行委員の寺本君は大したものであると思う。

 

★戦後は、日本的な思想に興味を持たれていたようだが、ここでは説明しない

 

さて、若い頃何を悩んだのかというと、いわゆる「性」の問題である。
「若者が霊と肉の間に挟まれて苦悶する」という話だ。

 

簡単に書くと、聖書には「汝姦淫することなかれ」と書いてある。もっと言えば「女子を見てムラムラしたら、それも姦淫の罪」ということだ。
もしも、清らかな気持ちの時にあの世にに行けば天国行きだが、もし「ムラっと」している時にあの世に行ったら、地獄に堕ちるのではないか(神を呪っても天国に行く方法はないものかと考えた、ともある)という心配である。橋本敬三先生ご自身も「今の若い人には信じられないだろうが云々(うんぬん、です。どこかの総理は「でんでん」と読んでいましたが、うんぬん、です)と書いてある。

 

そして、私も「そうだよな、最近の若い人はこんなにウブじゃないよな」と思っていた。

 

ところが、そうでもないことがわかったのである。

 

それは、先日もちょっとご紹介した本である。

 

 

日曜は操体の日。

今日は午前中、足趾の操法®集中講座。

皆「揉み」は結構上手くなったので、バリエーションで「指骨間筋」のもみと、指の谷間をえぐる、削るようにもむ、さらに水かきのキワを爪の先ギリギリでもむというのをやる。


これは、通常のモミのバリエーションだが、快感のツボの度合いが違う。
また、足の指の間の血行が良くなるのがすぐにわかる。

 

そして、指の谷間をえぐる、削るようにもむ手法だが「効く〜っ!」と被験者が快感に身をよじるとか、いたキモちいい、だから止めないでください(笑)状態になる。

 

そして「水かき」であるが、これも通常の場所ではなく、狙う場所がある。
「どうしてココがこんなに効くですか??」「うひ〜っ」という叫び?が響く。

 

その後三浦先生が登場し、受講生一同で先生のからだを借りてモミやら横足根洞(おうそくこんどう)などのモミや、渦状波をフルに活用。先生も受けながら「みんな、本当に上手くなったなぁ」と一言。

 

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そして午後は「新創生期」と「第五ステージ」の合同練習。

「新創生期」のメンバーの進捗が早くてスムースなので、本来第二第四日曜の午後にやっていた「新創生期」と、最上級の「第五ステージ」を合同にして、毎週日曜午後に講習をやっているのである。第五日曜の午後は「塾SOTAI」なので、日曜はほぼ、操体の講習をしていることになる。

 

今日は、膝の開脚(橋本敬三先生もなさっていた)と、膝の開脚のバリエーションである、足関節の内反、外反。

足関節の内反、外反は、足関節及び下肢の動き8つ(足関節の背屈、底屈、外転、内転、内反、外反、下肢の押し込み、引き込み)のうちの一つであるが、内反、外反への介助法、補助法は、他の操体の講習では見たことがない(というかやっていないと思う)。自分ではやり難い動きのせいもあり、快感度は高い(可能性が多い)。
また、操者自身も「これができるとかっこいい」操法の一つである。

 

 

メリハリとパンチ。

沖縄から「足趾の操法®」を勉強しているMさんがやってきた。
彼女は「長期的スパンでじっくり」ということで、年に2回とか3回東京にやってくる。

 

彼女はクレニオ・セイクラル(頭蓋仙骨療法)が専門なのだが、ご存知の通り「触れる」とか、クレニオの「ソマティック・エモーショナル・リリース」(体性感情解放)などは、渦状波®にも繋がるところがある。

 

復習を兼ねて、まず私が操者役、その後彼女が操者役と、役割分担を交換しながらレッスンを続けていった。

 

実際、日常的に人様のからだを触っている人は、すぐわかる。それは「相手の感覚をキャッチする」のが上手いのである。

 

「メリハリとパンチ」は十分伝わっているようで、操法を受けながら、イタ気持ちよさと眠気と強烈な快感に悶絶したのであった。

 

そして、終わってからコメダで師匠と三人でお茶をしながら色々話に花が咲いたのであった。

 

沖縄のムーチー(餅)をいただきました。写真は現物ではないのですが、月桃の葉っぱに包んでつくる餅(鬼餅?)菓子。

 

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そして。。

★練習してないのは、すぐわかります


★また、家族では練習になりません、といつも言っているのだが、家族しか練習相手がいないなら、講習でしっかりやることだ。

★そしてこれは本当に仕方ないのだが「練習が必要な人ほど、絶対的な練習量が少ない」ということだ

★そして「うさぎとかめ」ではないが、ジワジワと練習を積んできて、指導陣の愛のムチ(もしかしてドM??)にも耐えながら、上達している人もいる
★努力というか(勿論指導もいいのだよ笑)、練習量と実際に人様のカラダを触っているという実績が「量が質を超えた」ということになる

 

それは「メリハリとパンチ」というものに現れる。

 

「すごく優しい足趾の操法ですね」という評価をされる場合もあるが、私は「メリハリとパンチ」を重要視する。
また、スピードを早くして誤魔化すのならば、ゆっくりと丁寧に大胆に練習するほうがいいと思っている。

 

また、何度も書いているが「速すぎて、まるでオシッコをガマンしているような感じ」でやっている人がいるが、これはいただけないし、揉んでいるのではなく、回しているとか、圧を加えているのではなく、皮膚をこねているというのもよくない。

★これはなんで良くないのかというと、受けてみればわかることです。

 

ベテランでも「ちょっと不安」とか「曖昧」なところがあったら、是非ブラッシュアップにきてくださいね。

 

と、いつも言ってるんだけど、来た人はいません(笑)。

 

待ってるんだけどね。

マグニフィセント・セブン。

www.magnificent7.jp

 

アメリカ人のおばちゃんに昔聞いたのだが、アメリカ人にとって、西部劇とは、日本の時代劇みたいなものらしい。

それを聞いて「なるほど~!」と思ったのを思い出します。

 

これは「七人の侍」のスピリットを受け継いでいるそうです。

 

音楽もちょっと「和風」なメロディがあったりします。

 

流石現代なので、デンゼル・ワシントン(やはりこの人はかっこいいですな)、イ・ビョンホン演ずる東洋人、メキシコ人、インディアンと、あらゆる人種が登場します。

イーサン・ホークがなんだかいい味出してるし、そして、色男なギャンブラー、ファラデー(演ずるはクリス・プラット@ジュラシック・ワールド)の最後など(かっこいいので、すごく悲しい)、イ・ビョンホン演ずるビリー(東洋人なので徒手空拳やナイフを使う)とイーサン・ホークのやり取りなどは「ううう~、かっこいい」とかっこいいのと悲しい(死んじゃうし)ので、うなりっぱなしでした。。。
インディアンの戦士、レッド・ハーベストもよいですね。

 

補足:気がついたのですが、「賞金稼ぎ」(黒人・デンゼル・ワシントン)、「流れ者」(メキシコ人)、「戦士」(インディアン)は生き残り、

「ギャンブラー」(白人@色男)、「スナイパー」(白人、イーサン・ホーク)、「暗殺者」(東洋人のイ・ビョンホン)、「狩人」(白人で信心深いおじさん)は戦死。これは何か意味があるような気もします。
主人公が生き残るのは当然としても、

 

 

そしてヒロインは歌手でもある、ヘイリー・ベネット。

 

悪役も美形揃いです(笑)。

 

ごちそうさまでした!

 

偉大なる七人の活躍は、是非大画面でご覧下さい。

遺伝子のオンとオフ。

「遺伝子のスイッチオン」は村上和雄先生であるが、こちらは「オフ」である。

 

 この本は、Amazonのunlimited(読み放題)で偶然見つけて読んでみた。同じ著者の

 

あなたを困らせる遺伝子をスイッチオフ!: 脳の電気発射を止める魔法の言葉

あなたを困らせる遺伝子をスイッチオフ!: 脳の電気発射を止める魔法の言葉

 

 も、読んでみた。

 

★上記二冊はアンリミテッドで読めます。

 

 

著者プロフ

米国・私立アズベリー大学心理学部心理学科卒業。
アルコール依存症専門病院、周愛利田クリニックに勤務する傍ら東京都精神医学総合研究所の研修生として、また嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室非常勤職員として依存症に関する対応を学ぶ。
嗜癖問題臨床研究所原宿相談室室長を経て、株式会社アイエフエフ代表取締役として勤務。現在株式会社インサイト・カウンセリング代表取締役

 とのこと。オフィスは新橋(汐留)らしい。うちから近いな(笑)。

 

見た感じ「なんちゃってセラピストか?」と思い(すいません)、読んでみると、どちらかといえば「ぶっちゃけ口語体」のような感じで「あれ?」と思ったし、青山ライフ出版と言えば、自費出版の会社なので「自費か」とも一瞬思ったのだが、これは、内容が先駆しており、一般的な医療系出版とか、保守的なところからは出せないだろうなということがわかった。

 

それはさておき、

私は以前から抱いているナゾがあった。

  • 自分がやられたら怒ることを人にはする(男性)
  • こちらから会いたい旨を申し出ても、自分の都合でしか会ってくれない(鑑定のご相談でとっても多い質問です。男性)
  • 突然キレる(男女共)
  • 愛し合っているのに言葉や態度で傷つけ合う(これもよくあるご相談。男女共)
  • 依存(煙草、甘いモノなど)

 

これらは、何故起こるのだろう。すごく不思議ではないだろうか?

 

「何故おこるか」ということが、なんとなく分かる。

 

後書きにも出てくるが「それはアンタが悪い!」と相手を責めるのではなく「それはアナタの特徴的な遺伝子のスイッチが入ってしまっているから」と、問題を「外在化」させるテクニックを用いるのだ。

 

精神科やカウンセリングでも色々手法や診方はあるのだが、著者は「特定のホルモン」や「特定の遺伝子」が関係しているのでは、と書いている。トラウマも関係している。

ある事故で死にそうになった。その原因は車のハンドルミスだった。
それ以降、「ミステイク」「間違い」ということに関係することが起こると、「死」の恐怖(普通はその恐怖は忘れている)が甦り、その恐怖を回避するために「怒り」という方法をとって、恐怖から逃げている(ざっくりですがこんな感じ)みたいな。

 

遺伝子で言うと「他人に親切にされると怒りがこみ上げる」ものとか、色々あるらしい。

 

なお、後者の本は

もし、この本を専門家や研究職の人が読んだら「あ!遺伝子の名前を使った催眠のスクリプト(物語)なんだ!」とすぐにわかってしまいます。遺伝子のコードや脳の電気発射が実際に意味を持っているわけではなく、それらの名前を使った物語がいつの間にか催眠の世界にいざない、知らず知らずのうちに症状を軽減していく、という仕組みが見えます。

 

という説明がある。

まだまだ基礎研究が足りないので「空想の域を超えることはできない」とあるが、これは、操体と同じで「60年位先を行ってるから、今、理解されなくても仕方ない」という部類のものなのかもしれない。

 

「そんなことをしてしまうあなたが悪い!」と相手を責めるよりも「あなたの特徴的な遺伝子のスイッチが入ってしまっているから」という外在化のテクニックを使って、さらに呪文のようなコードを唱えることで、その遺伝子のスイッチがオフになり、不快な症状から解放される、という”暗示”が効いてこれまで対処が困難だった症状にまでアプローチができる方法なんだ、という仕組みが見えてきます。

だから、科学的な仮説というよりも、遺伝子や脳の電気発射云々は物語を語っているに近いことなんだ、ということが専門家には、はっきりわかります。

実際に「唱えることで遺伝子のスイッチのオンオフを替えることができるかもしれない」という仮説を立てるには、基礎的な研究があまりにも足りなさすぎるので科学的似考えると”空想”の域をを超えることはできません。

ただ、一つの症状に対して帰無仮説をもとに遺伝子コードのリストを作って、そして唱えていただくと「やっぱりこの症状なんだ!」という遺伝子のコードでヒットします。さらに言えば、遺伝子の意味も全くわからないお子様に唱えていただいても「あ!これなんだ!」と、その症状に適合したコードで変化が起きます。

だから、いつかは、素晴らしい専門家によって、心因性発作の研究や、実際に遺伝子のコードを唱えた時の効果の研究が行われて、これらのことが科学的に証明される時が来たら、と夢見ております。

唱えるだけでさまざまな疾患が治っていく、という夢がいつか現実に証明されたら、と真面目に真剣に願っております。

 

後書きにはこう書いてある。

「これ(操体)は完成された体系ではない。あとの人に任せる」「自分のやっていることは、60年先を行っているから、今理解されなくてもいい」というのに似ているかもしれない。

 

 

膝窩触診と足関節背屈のテキスト。

なんだか立て続けにクシャミが10連発。そろそろ花粉症でしょうか?
季節的には早くもないですね。

 

blog.teizan.com

 

先日「操体って効くときと効かない時があるのはどうして?」というのを書きましたが、色々考えてみたら、今度「足関節の背屈」か「膝の左右傾倒」に特化したテキストを書こうかと思い立ちました。

 

足関節の背屈の前には、膝窩(ひかがみ)の触診があります。

 

まずはここから説明と、なぜ、この操法は「触診のみで動診がないのか」という説明も必要です。


私も「視診触診講座」で指導していますが、膝窩の触診は、操体をやるのなら、いえ、他の手技療法にも大事です(鍼灸師柔道整復師でも、触診を学校で習っていないというか、国家試験合格のための予備校となっているので、視診触診は、現場のOJTでという話です)。

 

★脊柱の診方などは、橋本敬三先生から伝わる「操体の伝統的な診方」というのがあるのですよ。

また「膝窩の触診で、その人間の操体のレベルがわかる」というのが私の持論でもありますが、「プロなら10秒以内に圧痛硬結を探せ」と言われて勉強します。

 

また、この膝窩の圧痛硬結を触診するということは、単に触診ということではなく、臨床を運ぶ上で、非常に重要な意味があります。


そして、私達は「触診」をしながら「視診」もしています。

 

操体は、最初につま先上げて、次に膝倒しして、次にうつ伏せでカエル(私達は伏臥膝関節腋窩挙上といいますが)やって、カカト付きだしやって、などと、順番にワンセットやる人もいるようですが、これはナンセンスです。

 

以前、アメリカで操体を習ったという方から操体には順番があって、その通りにやらないといけないと習った」と言っていましたが、それはウソです(笑)
教えた人の責任です!!

 

効かないから知っている動診操法を全部やって、結局はクライアントが疲れてしまった、というのでは笑い話にもなりません(実際聞いたことがあります)。

 

橋本敬三先生がなさっていた動診操法は、限られていたようですが、それは、お年を召したというのと、ワザが磨かれた(つまり、上手いので、手数が少ないように見える)からなのです。

 

一般の人が、橋本先生の真似をして、何でも「足関節の背屈」と「膝の左右傾倒」と「伏臥膝関節の腋窩挙上」で解決できると思ったら、大間違いなのです。

 

例えば、伏臥位がとれない方はどうするのでしょう?できないのは諦めてパスする??
仰向けになれなかったら?諦める?

 

まあ、操体は「どの操法を選ぶかが難しい」と言われますので、アメリカなどがお得意の、プロトコール化(手順書化)で、最初にアレをやって次にアレ、と決まっていたほうが簡単で考えることもありませんし、指導者もラクチンです。

しかし「どの操法を選ぶのか」を学ぶのが、操体臨床の醍醐味でもあります。

 

被験者の左膝窩に指先(実は、どの指で触診するかも定義があります)を入れて、指のどこを、どのように使うのか。方向性は、力の入れ具合は?というノウハウがありますが、本には書いてありません(なので、皆さん結構アバウトにやっていらっしゃるのです)。

 

膝窩に触れ、被験者が微かに首を右に傾けたとか、膝が右に逃げたとか、そのような微細な反応を、我々は見ているんです(アタマの中に、連動の法則が全部入っているので、その次の動診が瞬時に決められるということです)。

 

なんだか、この辺りはそろそろ文章やテキストで公開してもいい時期なのかもしれません。

 

そうなってくると「操体的なからだをつくる編」からかな?

 

実は、眼の使い方とか(例えば、凝視すると見えなくなるとか)そんなコツもあるんですよ。

 

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読書日記@2017年1月26日

本を読む人と読まない人の一番の違いは何か。

 

読まない人は「数少ない読んだ本」を信じてしまう(私はこのケースを多々見ている)。

読む人は「反対意見の本」も読む。

例えば「糖質制限」が流行ると、「アンチ糖質制限」の本が出る。
「一日一食」が流行ると「ちょっとくらいメタボのほうがいい」という反論が出る。

何か意見があれば、反対意見も一応は読んでみて、それから評価するというのが「本を読む人」のやり方だ。

 

 

完全マスター 紫微斗数占い (The series of Perfect Master)

完全マスター 紫微斗数占い (The series of Perfect Master)

 

わたくしの断易の先生、東海林秀樹先生の近著です。紫微斗数の前にまず断易だな。。。

 

五行易奥義 卜筮正宗(太玄社)

五行易奥義 卜筮正宗(太玄社)

  • 作者: 王洪緒(わうこうしょ),藤田善三郎
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 「これを読まなきゃ断易を学ぶ者としてはモグリだろう」と言われる名著。
操体で言えば「生体の歪みを正す」を読んでないのと同じくらいだと思います。
パラパラ読んでいますが、これは「生体・・」同様に「写本」が必要かもしれません。じっくり読む系です。

 

生体の歪みを正す 橋本敬三論想集

生体の歪みを正す 橋本敬三論想集

 

 Kindle版が出ています。一時絶版でオンデマンド出版になっていましたね。
操体を勉強していてこれを読んでないというのは「モグリ」です。
操体法東京研究会の定例講習受講者で、まだ読んでない人は絶体読むように。
テストに出ます(笑)。

 

「学力」の経済学

「学力」の経済学

 

 

これは興味深いです。

よく、教育評論家さんなどが出ている番組では、こどもを

  • ご褒美で釣っては「いけない」
  • ほめ育てはしたほうが「よい」
  • ゲームをすると「暴力的になる」

というようが意見が出ます。ところが教育経済学者である著者は

  • ご褒美で釣っても「よい」
  • ほめ育てはしては「いけない」
  • ゲームをしても「暴力的にはならない」

というアドバイスをしているのです(根拠なども出てきます)。

 「ほめ育て」ですが、アメリカでは「ほめるから自尊心が高く頭が良い」のではなく、「頭が良いから自尊心が高い」ということ、また「学生の自尊心を高めるような介入は、学生達の成績を決してよくすることはないこと」を示しているということがわかったそうです。

また、悪い成績をとった学生に対し、自尊心を高めるような介入を行うと、悪い成績を取ったという事実を反省する機会を失うだけではなく、自分に対して根拠のない自信を持った人にしてしまう、のだそうです。

 

「あなたはやればできるのよ」などといって、むやみやたらに子どもをほめると、実力の伴わないナルシストに育てることになりかねません。

(太字は原文ママ

 

このあたりは、「子供はほめて育てろ」を、遵守しすぎて、子供がナルシストのサイコパスになった例を見ているので、なるほど、と思います。 

 

しかし、ほめてはいけないというのではなく、ほめ方が大事なのだそうです。つまり「頭がいいのね」と「よく頑張ったわね」というのでは、「子どものもともとの能力(=頭のよさ)をほめると、子どもたちは意欲を失い、成績が低下する」ということがわかったとか。

 

「これはある!」と思ったのは「試験」と「祖母の急死」の不思議な関係、という話です。著者が担当した中間試験の当日、かなりの数の学生から「祖母が亡くなったので追試を受けさせて欲しい」という連絡が相次いだという話です。
2013年では、250名の履修者のうち、15人が「祖母が亡くなった」という連絡があったとのこと。

学生に対し、日付け入りの死亡診断書、会葬礼状、喪中ハガキなどの提出を求めたところ怪しい答え(数年前の診断書とか、テロとの関係で秘密にしているなど)をする学生が出てきたそうです。

これについては「試験と祖母の急死の因果関係」という研究が行われているそうです。

 

そして、これは、私の周囲にいる、まだ幼いお子さんのいる皆さんにお伝えしたいのですが、就学前の子どもへの人的資本投資はとっても大切なようです。

人生の始めの段階で得た知識は、その後の教育で役に立つから。

 

 

日本会議の研究 (扶桑社新書)

日本会議の研究 (扶桑社新書)

 

 

 

日本会議の正体 (平凡社新書)

日本会議の正体 (平凡社新書)

 

 「日本会議の研究」は、販売差し止め云々(これを「でんでん」と読んだ某国の首相がいるようですが。。。)という話が出ています。

 

内容については書きません。是非お読みください。

 

なお、日本会議と関係がある「生長の家」ですが、温古堂のトイレには、生長の家の日めくりカレンダーがかかっていたそうです(それをめくっていた人からの情報です)。また、橋本敬三先生の著書の中に、生長の家の創始者、谷口雅春氏の話が出て来ますし、「息食動想」の食、歯の数(犬歯が4本、門歯が8本、小臼歯大臼歯合わせて16本)と食性の話、あれは、生長の家の教えからきているそうです。

 

で、日本会議のメンバーと生長の家というのはとっても深い関係がある、という話であり、戦時は「超右翼」だったよね・・というイメージがあります。
まあ、戦争中は「天皇は現人神」だったし。。

 

また、医師会や、橋本敬三先生のご子息、橋本保雄さんの葬儀の葬儀委員長は海部俊樹元総理だったし、扇千景靖国神社崇敬奉賛会会長)も葬儀委員の一人でしたから「自民党との関わり」もあるでしょう。

★ワタシは、この辺りは操体とは関係ないと考えています

 

そう思っていたら、昨年、生長の家の一番エラい人が「与党(自民)とその候補者を支持しない」という声明を出しています。

今夏の参議院選挙に対する生長の家の方針 「与党とその候補者を支持しない」 - ニュースリリース - 生長の家

 

 

たのしいプロパガンダ (イースト新書Q)

たのしいプロパガンダ (イースト新書Q)

 

 プロパガンダとは「政治的な意図に基づき、相手の嗜好や行動に(しばしば相手の意向を尊重せずして)影響を与えようとする組織的な宣伝活動」のことである。

 

オビには

本当に恐ろしい大衆扇動は、娯楽の顔をしてやってくる。

と、あります。

ここには、百田尚樹の「永遠の0」も記載されています。

私は岡田准一は悪くないと思うのですが、百田氏には賛同できないので、読んでないし観てもいません。周囲には「永遠の0最高!」という人もいましたが・・(今となっては、あの中に含まれていたプロパガンダに気づいくれたか?と思っています)。

 

というわけで

 

永遠の0』が、「右傾エンタメ」にあたるかどうかはここで問うつもりはない。ただ、本作が「感動的な虚構」を通じて、百田の是とする歴史観に読者を誘導しようとする作品であることは疑いえない。

 

 

また、オウム真理教北朝鮮のプロパガンダについても書いてある。
プロパガンダで一番有名なのはナチスである、というのは皆さんご存知のとおりです。

 

 

「カルラ舞う!」式 パワースポット巡礼

「カルラ舞う!」式 パワースポット巡礼

 

 これは、先に読んだ「密教僧 秋月慈童の秘儀 霊験修法曼荼羅」を書いた「カルラ舞う!」の著者でもある永久保貴一氏が「カルラ舞う!」のキャラとともに、全国のパワースポットに参拝(参拝法なども詳しく書いてある)したという設定の、旅行記なのです。

行ったことがある神社がいくつか掲載されている。東京大神宮や塩竈神社は私もよく行くので「おお、なんだか懐かしい」という感じで読んでみました。

 

何度か書いていますが「賽銭を投げるな」「写真撮るなら参拝して、一言カミサマにお許しを得てから」と言いたいです(笑)。

 

密教僧 秋月慈童の秘儀 霊験修法曼荼羅 1 (HONKOWAコミックス)

密教僧 秋月慈童の秘儀 霊験修法曼荼羅 1 (HONKOWAコミックス)

 

 このシリーズですが「面白い」という人と「自分は心霊の世界とは縁がないからイマイチ信じられない」という二派に分かれました。

面白いですねぇ。

私は「条件ぬきで面白い」派です。