操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

直伝!プランニング編集術 と、桃太郎

直伝!プラニング編集術 (アクション・ラーニング・シリーズ)

直伝!プラニング編集術 (アクション・ラーニング・シリーズ)

http://es.isis.ne.jp/index_main.html

http://es.isis.ne.jp/12_recommend_snap.html



考えてみるとISIS編集学校に関わったのは9年前になる。サイトを見てびっくりしたが現在第22期だそうである。私は第二期なのでもう「有史以前」の受講生なのだが、久しぶりにこの本を手に取った。この本は「編集学校」の師範代のコメントが多く掲載されているが、知っている名前が多い。
最近は様々なビジネス書が出ており、マインドマップの本、ロジカルシンキングの本なども多く出ている。私も何冊か読んでいるが、やはりちょっと敷居が高いような気がする。そうやって考えてみると、私は既に「プランニング編集術」を9年も前に学んでいたのだった。いまのカリキュラムでは「守」と「破」を半年で終えるようだが、私の時代は「守」と「破」を通しで13ヶ月やった。何せ黎明期(というか有史以前)だったので、こういうこともあったのである。当時は何だかあまりよく分かっていなかったのだが、色々なことにアタマを突っ込んでみた。
この時代の友人は結構長い付き合いになっている。そしてよくわからないうちに何故か師範代をやることになり、暫く編集学校から離れた頃に、何だか「編集工学」というものが分かってきた。

操体も編集、なのである。

ページをめくると、昔やった懐かしいお題が出てくる。「注意のカーソル」をぐりぐり動かしてモノゴトを見る、あるいは自分の思考の癖を知るということはここで学んだ。

ここでは「赤ちゃん→愛らしい→天使→ふわふわ」みたいなステレオタイプの発想ではなく「赤ちゃん→未完成な老人」みたいな思考練習をせよということにもなる。また物事を「要素、機能、属性」で考えたりもする。

編集の稽古は操体にも役立つ。


世の中にある「物語」の原型という話がある。「英雄漂流譚」とか「貴人流浪譚」とか「シンデレラ」の話とか、世の中のストーリーは大抵この原型に従っている。これについては、神田昌典氏が「全脳思考」で面白い考察をしている。

全脳思考

全脳思考

分かりやすいのが、桃太郎。桃太郎とスターウォーズハリー・ポッターONEPIECE、これらには共通点がある。主人公には両親が居らず(いてもその存在は薄い)、他人であるお爺さんお婆さんに育てられたり、孤児だったり、ハリーのように意地悪な親戚の家に預けられたりする。そして、未知の土地に向かって旅立つ。これが鬼ヶ島だったり、魔法学校だったり宇宙だったり海だったりする。そしてその旅には仲間が同行する。あとは戦いがあり、主人公は勝つ。そしてその勝利の陰には仲間の犠牲があったりする。というように、物語の『原型』 には共通性があるのだ。同様に「シンデレラ」に似た話は日本の民話にもあるし、世界各地にあると言われている。家族に虐げられている心優しい娘がぼろをまとった老女を助けると、その老女は不思議な力を持っており、娘に幸せを授け、娘を苛めたものにはバチが当たる、という話などだ。これには神話も関わっているようである。この辺りの話は非常に面白い。確かに「ハリー・ポッター」をはじめて見た時(本よりも映画が先でした)、あ、これってスターウォーズじゃない、と思い、ONEPIECEに至っては「おお、まさに」と思ったのである。

桃太郎と言えば、どこで読んだか忘れたが、昔話の「お爺さんお婆さん」というのは、今の年齢の40歳位だったそうで、川上から流れてきた桃というのは、実は近親婚が多く虚弱な子供ばかり生まれていたある村に、遠方(川上)からヨメをもらったという含みがあるらしい。つまり、近親婚を避けると丈夫な子供が生まれる、という教えが盛り込まれている。あ、ここで言う桃とはヨメのことである。考えようによっては、この夫婦の間の子供は近親婚だったために幼くして亡くなっており、遠方の血を入れるために遠方から新しいお嫁さんをもらった。で、桃太郎を生んだら後は、爺さん婆さん夫婦の子供として育てられた、なんていう風にも解釈できる。で、お婆さんの本当の子ではないので苛められ、そこで鬼ヶ島に鬼退治に行かされてしまう。実は桃太郎、厄介払いで鬼退治に行かされちゃったとか。

そういえば、鬼ヶ島。赤鬼は絶対ヴァイキングで、青鬼はアフリカ系民族だと思うのだがどうだろう。ヴァイキングというのは勿論、あのかぶり物である。この説にはちょっと共感するところがある。