- 作者: ポール・スローン
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2007/08/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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『ある寒い雨の夜、あなたはスポーツカーを運転していた。バス停を通過したとき、三人の姿を見た。一人は20年ぶりに見る学生時代の親友、一人はあなたの理想の異性、そしてもう一人は重病の老婦人、しかし車にはあと一人分の座席しかない。あなたも含め、すべての人が満足する方法は?』
こういうのを『水平思考パズル』という。従来の、原因から結果が生まれるという前提にたった『直線的な』因果関係思考へのアンチテーゼとして生まれたそうである。例えば、『前提を疑う』(前提を疑う、というのは常に師匠がトライしていることだ)。
この中で紹介されているのが、世の中の偉大なヒト達がどのように誤ったか、というのが紹介されている。面白いのをいくつか挙げると、
・ビル・ゲイツは1981年にこう述べた。「640kあれば充分だろう」
・1927年、無声映画全盛時代、ワーナーブラザーズのH.M.ワーナーは言った。「誰が役者の声を聞きたがるのか?」
どちらもこの誤りを翻して大成功したわけだ。
考えてみれば、『動けない人に対して、操体臨床は成り立たないのか?』という問いかけによって、師匠(三浦寛先生)は皮膚へのアプローチを、橋本先生の『運動系とは・・・・皮膚をも含めた云々』という一節から閃きを得た。
そのお陰で、操体の臨床の可能性は何倍にも広がったのだ。動きによる動診(第1分析、第2分析)に加えて、皮膚へのアプローチ(第3分析)が加わることによって、現在の操体の分析法は15、いや第16分析以上ある。
★第3分析:皮膚へのアプローチ(渦状波)は、決して皮膚に刺激を与えない。引っ張るとか、捻るとか、ずらすとか、皮膚のアソビ以上には動かさず、タッチは軽ければ軽いほどよい。この詳細は、来春発売の師匠の新著でなお明らかにされる。
現在、多くの方が「操体法」として認識しているのは、第1分析である。第1分析は「楽か辛いか」の二者択一の運動分析を行う。第2分析では、ひとつひとつの動きに、快適感覚がききわけられるかという、一極微(いちごくみ)の分析を行う。この違いを明確にせず、第1分析をしているのに、言葉だけ「きもちよさ」を使っているケースが多い(この手の輩が、操体をヘンにしている)。
前から書いているが、『どちらがきもちいいですか』とか『きもちよさを探して動いて』という指導をしている操体法指導者は、『楽と快の区別』がついておらず、『動診と操法』の区別がついていないのだ。
操体臨床をやるのだったら、『楽と快の違い』と『動診と操法の違い』を学んでから操体臨床に挑戦すべきだと思う。この時、一番困るのは、クライアント(患者様)なのだ。
話を戻そう
もう一冊は
話は5行でまとめなさい―書く・話す・要約する すべてに使える必勝のストラクチャー
- 作者: 横江公美
- 出版社/メーカー: ビジネス社
- 発売日: 2009/09/17
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文章をどのように書けばいいのか。ブログと専門誌の原稿は勿論違う。時と場合によっての書き分けも必要だ。
アメリカの政治、大統領選について詳しい、横江公美氏の本だ。文章は基本的のサンドイッチ・アプローチをすすめている。サンドイッチ・アプローチというのが、「5行」なのだが、サンドイッチ型の基本として
1.パン つかみ 言いたいこと・背景
2.ハム 言いたいことの内容・理由 ボディ1
3.卵 言いたいことの内容・理由 ボディ2
4.野菜 言いたいことの内容・理由 ボディ3
5. パン 言いたいこと
良い文章は美味しいサンドイッチと同じで、具がハムとサラミとソーセージだと余り美味しくない(くどい?)。目玉焼きとスクランブルエッグとゆで卵だとやっぱりくどいし、野菜だけだと物足りないということだ。
サンドイッチの味をつないでいるのは調味料。それが接続詞の使い方。
ちなみに、接続詞の使い方が上手いと、文章にメリハリがでるそうなので、接続詞を調べてみた
【順接】
前の文脈の結果として、後の文脈を導く。 だから・したがって
【逆接】
前の文脈と相反する事柄として、後の文脈を導く。 けれども・しかし・だが
【並列】
対等の関係にあることを示す。 ならびに・また〜も・および
【添加】
別の物事を付け加える。 さらに・そのうえ
【説明】
前の文脈を言い換えたり例示する。 つまり・すなわち
【選択】
複数の中からいずれかを選ぶ。 または・もしくは
【転換】
話題を変える。 ところで・さて
また、横江さんは文章を書く際の「脳内熟成」についても書かれている。リサーチして頭の中に情報をインプットした後は、脳内で熟成するのを待つ。
文章は書いた後、少し寝かせて(三浦寛先生の言葉で言えば『塩漬けにして』)、それからチェックする。原稿を書いたことがあれば経験があると思うが、書いた直後、書いた本人は見直しが出来ないのである。他者がチェックすればすぐ分かるようなミスも見えないことがあり、文脈のチェックも何故かヘンだったりする(なので、ブログも後で読み直してチェックしているのだ)。
私自身、文章というのは書いてからちょっと寝かせて、推敲を重ねる作業が一番大切だと思う。書きっぱなしでいいものは書きっぱなし(ブログは書きっぱなしが多いけど)でいいのだが。