操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

操体の妙。膝の痛み。

操体には、「○○疾患に効く操体」という、症状疾

患別という考え方がない。ボディの歪みを正すことによって、二次的に症状疾患を解消する。

操体が「万病を治せる妙療法」と、言われるのもここから来ているのだろう。

万病を治せる妙療法―操体法 (健康双書ワイド版)

万病を治せる妙療法―操体法 (健康双書ワイド版)

ここで、何人かの、膝の痛みを訴えるクライアントを何人か思いだした。

興味深いのは、皆「足趾の操法」で、膝の痛みが解消していることだ。

ある作家の先生は、最初は「きもちいいけど、ものすごく気持ちいい、っていうわけじゃないね」とのことだったが、2ラウンド目(この先生は、操体が初めてだったので、足趾の操法を行った)で、「ああ、これはきもちいいね」と、深いため息をついた。その後、しばらくすると、寝息が聞その後、目を覚まされ、横になったままで、
「あれ?膝が痛くない」」次に立ち上がり「痛くないなあ」と、不思議そうにしていた。

質の高いきもちよさを味わうと、からだの歪みを正す。
また、質の高いきもちよさは、痛みを静める。βエンドルフィンは、モルヒネの6.5倍の鎮痛作用があると言われている。

一年前に、半月板損傷した高校生にも、足趾の操法は有効だった。
膝に水がたまり、試合前にはいつも水を抜くスポーツ選手も、腫れが引いたと言っていた。

どのケースも膝には直接触っていない。
操者は「きもちよさを味わって頂く」「お手伝い」をしているに過ぎない。
からだの治るちから、治せるちからを促したのである。

橋本敬三先生は「治すことまで関与するな」とおっしゃった。「治すことは、からだにお任せしろ」ということなのだ。