今回のGWの講習には、操体を勉強しているという方も何名か含まれていた。
その際、驚いたのは「般若身経」(からだの使い方、動かし方の法則を世界で一番短いお経になぞらえたもの)を知らないという方がいたということだ。
操体初心者ならばわかるが、操体を勉強しているのに、知らないというのである。
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以前「操体をやってる」というのに、橋本敬三先生の名前を知らないという凄いヒト(アマチュアではない)もいたが、操体の「テクニック」のみ教えて、一番基礎となる「からだの使い方、動かし方」を指導しないというのは、非常に残念なことだ。
操体は「やり方」(Doing) ではなく「あり方」(Being) をしっかり勉強する必要がある。まあ、こういうことは、柔道とか合気道とか、指圧とか、ある程度世の中に広まると、哲学や基礎を無視して、テクニックに走る者が増えるというのは世の常である。
しかし、操体の基礎の基礎「からだを動かす」ことに直結している「般若身経」を知らずして操体を語る、行うということは、結果が出ないということだ。
テクニックの下には、「からだの使い方、動かし方」という「身体運動の法則」すなわち、「法則としての般若身経」が必須だからである。
唯一、関西の体操教室っぽいところで習ったという方は、知っていた。
しかし、その体操教室では「はい、頑張って、力をはち切れるくらいに入れて、脱力」という、ヘタをしたら血管が切れそうな指導をしているという。
これはこれで問題だが、確かに、健康体操的に操体をやっているところでは、力ませるとか、踏ん張るなどのキーワードを多用していると聞いた。
★私も「はち切れるほど頑張って」というのには驚いた。
★血管切れたらどうするんだろう・・・
受講生の方は「こんなにやわらかくて力を入れなくてもいいんですね」と、言っていた。
そうなのだ。操体は「北風と太陽」の北風さんのように、頑張って頑張って旅人の上着を脱がせるのではない。
太陽のようにぽかぽか優しく温かい光を送って、上着を脱がせるのだ。
ちなみに、ある橋本敬三先生の実技の映像をみると
「しずかに、しずかに」というかけ声と「ポタッ」というような声をかけておられる。
その他は「ポタッ」とか「ストン」とか。
まあ、そもそも「がんばるな」がモットーの操体で「ギューっと頑張って」とか「はちきれるほど踏ん張って」「ドスン」という言葉は使わないだろう。