操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

般若身経(般若心経ではないことに注意)

長いこと「操体法東京研究会」でサブ講師をやっています。

先日は新しいタームになり、座学で三浦先生が操体の核心についてのお話をしたのですが、質疑応答タイムで、

「ハンニャシンキョウとは、お経の般若心経の心構えが入ったりしてるんですか」という質問がありました。

 

三浦先生から

「ハタケヤマ先生、説明して」と、いうオーダーがあったので、

操体法用語解説集を紹介しました。そこから引用します。

 

 

般若身経(般若心経ではないことに注意)
からだの使い方、動かし方の法則を、般若心経になぞらえたもの。(世界で1番短いお経は「延命十句観音経」です)
あらゆるエクササイズの基になるもの。
関西エリアでは健康体操、養生法として伝わっている事が多いが、操体法東京研究会及び東京操体フォーラム、一般社団法人日本操体指導者協会では、からだの使い方、動かし方の法則として応用している。
なお、これを習得することによって、ボディの歪みを正し、疲れにくく、運動効率が良く、フォームが美しく、身心の安定をはかることができる。
操体の指導者、実践者に長命者が多いのは、この実践によるものではないかと思われる。

なお、橋本敬三医師自身もその著書の中でバージョンアップを試みている。
現在は、三浦寛によってより効果的なバージョンアップが試みられている。

 

はい。ここでお詫びです。いままで「世界で一番短いお経って、般若心経だよね」と思っていたのですが、どうやら「延命十句観音経」が一番短いお経なんだそうです。

観世音。南無仏。与仏有因。与仏有縁。仏法僧縁。常楽我浄。朝念観世音。暮念観世音。念念従心起。念念不離心。

 

短いので、三回唱えます(私はそう習った)。

「延命」とつけたのは、臨済宗中興の祖、白隠禅師だそうです。

 

聞いたところによると、昔、関西地方でやっぱり

「お経の般若心経のこと?!」と勘違いした人がいて、色々あったので、関西地方では「般若身経」と言わずに「基本動作」のような言い方をするんだそうです。

 

今はどうか知りませんが、関西では「膝のちからをホッとゆるめる」ことが伝わらなかったため、膝の裏筋を伸ばして側屈をやったところ、股関節が悪い人からのクレーム等により重心の移動ではなく、側屈が「わき伸ばし」という体操に変わっています。
(今はどうなんでしょうかね)

 

また、三浦先生からは「僕が橋本先生のところにいた時、先生から聞いたのは、からだの使い方、動かし方のルールであって、健康体操ではなかった」というお話がありました。まあ、時間が経つにつれて、健康体操化したということも考えられますね。

 

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