操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

師匠がいなくてもできるようになること。

タオ指圧の遠藤喨及先生の本に、「教室で先生と一緒にやっているときは、できるけれど、家に帰るとできなくなっていることがある」というような話がありました。

 

これは、講習をやっているとよく分かります。

 

場の雰囲気というか、講習会場で、先生が横にいると、渦状波でも反応が起こる。

 

しかし、家に帰って家人に試してみても、何も起こらない。

 

講習の場には、先生の力を借りることができる、磁場のようなものがあるようです。

 

これで勘違いして「もう自分はひとりで出来る。勉強に来なくてもいい」と、勉強を終える前に離脱して開業する人が、いたりします(1人2人ではない)。

当然ながら、勉強を止めたので、その後どうなっているかは知りません。

 

① 先生と一緒の場でやってみる(できる)

★ここで勘違いして勉強をやめることがある

② 家に帰ってやってみる(できない)

③ 先生と一緒の場でやってみる経験を積む(できる)

④ 家に帰ってやってみる、講習会場以外でやる(できるようになる)

 

思うに、できる人の側で学ぶというメリットはここにあるのではないでしょうか。

つまり「できる」という場の空気を身につけるのです。

失敗するのは、①と②の間辺り、つまり、本当は先生と一緒の場にいるからとか、ちょっと離れても先生の「力」の影響下にあるので、できる。

それを「自分はもう一人前になった」と、勘違いして勉強をやめて、開業しちゃう。

 

この場合、100の力を持っていたら、100を出さないとなりません。

 

東京操体フォーラム実行委員のO先生とH先生は、実は私よりも先輩です。そして国家資格ホルダーです(鍼灸と柔道整復と理学療法)。

21世紀に入る前から、操体法東京研究会操体を勉強していました。

そして、未だに三浦先生の個人レッスンも受けているし、実行委員勉強会にも来ているし、塾SOTAIにも来ています。

 

この辺りだと、500持っていて臨床で100出す、という感じです。

 

この、引きだしの「400」を何気にしまっておくのがプロです。

 

まあ、何でもそうですが「なってからのほうが大変」なのです。

 

先輩方は、師匠と「場」を共有することによって、自身のスキルをますます磨いているのではと思うのです。また、プロとして一番新しい操体の「風向き」を追いかけたいというのは当然かもしれません。

 

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