操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

読書日記。「快・不快スイッチ」と「がんばるな」

操体の臨床、易占、カウンセリングなどで、色々な方からお話を聞くことがありますが、体調不良や、どこかの痛みについても、「息食動想」の「想」に何かあるなと思う事があります。

そんな時、久しぶりに大嶋信頼さんの新刊とちょっと前の本を読みました。

最近の書籍に共通して出てくるのは「快・不快スイッチ」の話です。

当然ながら、我々操体実践者はこれには注目します。

自己肯定感が低いとか、他人がどう思っているか気になるとか、多い悩みの下に隠れているのが「快・不快スイッチ」です。

 

これが、上手く働いていればいいのですが、というか、本来生命は「快」に従うはずなのに、何故か不快を選択してしまい、辛い思いをすることがあります。

 

これは「原始感覚」ですよ。

 

おさらいすると「原始感覚」というのは「快か不快かききわける力」のことです。

現代人はこの力が鈍っているので、自己責任でききわけることが苦手になっている傾向があります。「誰それがいいっていったから」「人気があるから」みたいな。

なのでからだを壊すこともあるのです。

 

本来は「快」に従うはずなのに、育ってきた環境(例えば親が緊張していて、家庭内にいつも緊張があるとか、ファミリー・シークレットがあるとか、または親が「いい人」すぎるとか)などによって、それができなくなっている。

 

そうすると、「いつもダメな方へ行ってしまう」というようなことが起こるメカニズムが書かれています。

 

「見ない、聞かない、反省しない」なんて、真面目な人からすれば、「なんて無責任な!」となるかもしれませんが、読んでみると「なるほどね」と納得するはずです。

 

親がいい人すぎると子どもが何もできなくなる問題、最近も、社会的に地位の高い方が引きこもりの息子を殺害するとか、社会的に地位の高い方の子どもが、警官を襲うとかのような事件が起きていますが、この「恒常性」ということを考えると、そういうことか、とナゾが解けてきます。

 

 

見ない、聞かない、反省しない―なぜかうまくいく人の秘密― (SIBAA BOOKS) (シバブックス)

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いつも「ダメなほうへいってしまう」クセを治す方法

いつも「ダメなほうへいってしまう」クセを治す方法

 

 

 

「ひとりで頑張る自分」を休ませる本

「ひとりで頑張る自分」を休ませる本

 

 私も昔「ひとりで頑張って」、からだを壊したことがあります。

別に「いい人でいなきゃ」とは思っていませんでしたが、抱え込んじゃったんだと思います。

抱え込むと「あ、ハタケヤマ先生がみんなやってくれるからいいや」ということで、抱え込んでストレスが溜まって、みたいな。最近は若手が色々手伝ってくれるので、本当に助かってます。

 

また、いきなり難しいオーダーをされても、イヤなら断ったほうがいいことも勉強しました。

 

これは、無理して受けても(別に感謝を求めているわけではありませんが)感謝されないし、乗り気じゃないので、結果はあまり良くないので、結局はあまりいいことはないんです。

 

さて、秋のフォーラムですが「頑張るな」とか、「想」の問題をテーマにしようと相談中です。

 

 

消したくても消せない嫉妬・劣等感を一瞬で消す方法

消したくても消せない嫉妬・劣等感を一瞬で消す方法

 

 この本は何度読んでも面白く、発見があります。

人間関係の悩みには「嫉妬」というものがあるようです。

 

嫉妬といっても、定義は「自分より下のものが、自分よりいいものを持っていたり、人から憐れみを受けたりすると感じるもの」のようなものです。

お金の貸し借りがこの典型で、

借りる方は「貸してくれるんだから、コイツは自分より下。でも自分よりお金を持っている→嫉妬。だから返さなくてもいいや」

貸す方は「自分が貸すんだからコイツは自分より下。でもコイツにお金を貸してるから、自分が使えない→嫉妬」

 

そして、分かったのですが、本当に嫉妬されてどうにかなっている人に「あなた、嫉妬されてるからだよ」というと、過敏に反応するんです。

「私なんかが嫉妬なんかされるわけがありません!」と怒るのです。

 

これは「私なんかが」と、自己肯定感が低いのに、心の中では「自分は何でもできる」という万能感を持っているので、卑屈になっているのに偉そう、という状態になり、

「こいつ、生意気(下のくせに妙に偉そうだ)」と、嫉妬が怒り、いじめにあうということです。