先日から何冊か読んでいる大嶋信頼氏の本、これは割と最近の本らしい。
ミラーニューロンというのは「他の個体の行動を見て、まるで自身が同じ行動をとっているかのように"鏡"のような反応をすることから名付けられた。(一部wiki)」神経細胞のことだ。
大嶋氏は「突然襲ってくる不愉快な感覚などは、脳のネットワークを通じて他人(離れていてもあり)が入れている感覚である」という仮説をたてている。
興味深い一例として、一緒にいた友人のコンプレックスを受けとってしまった例なども挙げられている。
なお、他の著書を読むと分かるが、大嶋氏は厳しいキリスト教の家系に育っている。その辺りの葛藤は、先にも紹介した下記二冊に詳しい。
支配されちゃう人たち 親や上司の否定的な暗示から解放される超簡単テクニック
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ミラーニューロンがあなたを救う!- 人に支配されない脳をつくる4つの実践テクニック -
- 作者: 大嶋信頼
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ネットサーフィンをしていた大嶋氏は、突然の不安感に襲われる。「この先、自分はこの仕事を続けていけるのだろうか?」とか、「自分はこの先、誰からも相手にされなくなってしまうのでは?」などの考えが止まらなくなり、ものすごく不安になる。
そこで大嶋氏は〈心〉に聞いてみる。
「心よ!今、襲ってきた不安って何なの?」
すると〈心〉は「それはあなたの感覚じゃなくて『入れられてる』感覚だよ!」と教えてくれた。
誰が入れているのかというと〈心〉は「お母さんが入れてる!」と教えてくれたのだ。
大嶋氏は母親とは全然連絡もとっていないので「なぜ今、母親なの?」と疑問に思うが、小さい頃から母親に「お前はだらしがない」とか「何をやっても長続きしない!」と言われ続け、実際に何もできなかった(みじめな)幼少時代を思い出す。
「もしかしたら、遠く離れた母親が私に対してよけいな心配をして、それが脳のネットワークを通じて入って来ているのかも?」と思った大嶋氏は〈心〉に聞いてみる。
「心よ!お母さんがどんな感覚を入れているの?」と聞くと〈心〉は「『いつまでも私が面倒をみていないとダメな子』と入れてる!」と教えてくれました。
この最低な人間だという感覚は、脳のネットワークを通じて遠く離れた母親から入れられている感覚なんだ!とわかりました。
そこで「心よ!だったらこの母親からの感覚に対してどうすればいいの?」と聞いてみます。すると〈心〉は「あなたの感覚じゃなくて、お母さんがやってきた!と無視すればいい」と教えてくれます。
「心よ!無視しようとしたら、母親をないがしろにしている罪悪感がわくんですけど!」と聞いてみると、〈心〉は「その罪悪感こそお母さんから入れられている感覚だから、無視しても大丈夫だよ!」と教えてくれました。
実際に、あのみじめになる不安感を母親からのものとして無視すると、「あれ?これって本当にいらない感覚だったんだ!」と、心が軽くなって、身体に一本芯が通った感じになりました。
ふらふらしていた気持ちがまっすぐになって、いらないものを捨て去った時の爽快感を感じていました。〈心〉の教えてくれることは本当に不思議なのです。
私はこれを読んで「なるほど」と膝を打った。
誰でもたまに、突然に不安を感じることはないだろうか。
もう一つ、アリのエピソードを紹介しよう。アリでも人間でも構わないのだが、「2・6・2の法則」というものがある。
アリの世界では一つの巣にアリが100匹いたら、そのうちの二割がものすごく働いていて、六割は働いているフリをしている。そして残りの二割が全く働かないという構成になっている。
(すごく働くアリだけを100匹集めても同じような割合ができあがって、20匹がものすごく働くアリになる)アリの脳も、人間ののうに無線LANのようなネットワークになっているのかもしれない。
さらに興味深いのは、働いているアリのストレスを、働かないアリが請け負ってしまい、「働けない!」という状態になっているという仮説も立てられる。
人間で言えば、会社をひとつのグループとしてみると、仕事ができる人は必ず二割になっている。
「脳のネットワーク」を通じて、「仕事ができる二割の人」のストレスを負わされるため、二割の人は「全く仕事をしていないダメ人間」にされてしまう。
会社の中だと、仕事ができる人と比べられて、「あの人って全然仕事ができないよね~」と悪口を言われます。
悪口を言っている人は、仕事ができない人の悪口を言うことで自分のストレスを発散しているのです。
というわけだ。この、当たられてしまう二割から脱出する方法も書かれている。
- 夫婦関係などで、いつも相手の要求に合わせてしまう
- 職場でイヤな仕事ばかり押しつけられている上司に評価されない
- 兄弟姉妹で兄や長女ばかりがひいきされているように感じる
- 学校ではいつも目立たないチームに属している、またはいじめを受けている
このように感じるときは、実は知らず知らずのうちに、親や上司、パートナー、友人などから否定的な「暗示」を入れられてしまい、「支配されている」状態です。
この本には、簡単な(本当に簡単な)言葉で、暗示を解く方法が紹介されている。
脳の緊張のスイッチが壊れて緊張しっぱなしになってしまうと、常に相手におびえて気を使って、「支配される人」になります。
緊張度が高いとみんなと打ち解けられず、常にビクビクして「自分が攻撃されないように」と周囲に気を使ってしまうからです。
すると自動的に〈上下関係〉ができあがってしまい、「支配される側」と、「支配する側」が生まれるのです。「支配される側」は緊張のレベルが高いので、情報を選別することができなくなり、言葉を真に受けて「だまされる!」という被害者=「支配される側」なってしまいます。
さらに。緊張のレベルが高くておびえているのえ、威圧的相手に対してめっぽう弱く、そんな相手に自己主張ができずに振り回されて支配されてしまうのです。
実は、この「緊張度の高さ」は生まれた直後に決まります。
そして、これに「あの人そうだなぁ」と当てはまる人や「自分もたまにあるよね」と思うところがある。
気になる方は是非お読み下さい。