操体法大辞典

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ナゾが解ける(2)

その本とは、

 

支配されちゃう人たち 親や上司の否定的な暗示から解放される超簡単テクニック

支配されちゃう人たち 親や上司の否定的な暗示から解放される超簡単テクニック

 

 という本だ。先日紹介した大嶋信頼氏の本。

この前に

 

ミラーニューロンがあなたを救う!- 人に支配されない脳をつくる4つの実践テクニック -

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 ミラーニューロンについて書いてある本もある。

この二冊とも、会話体でアタマにストレートに入ってくる。書き方自体が「カウンセリングの効果」があるように書かれているらしい。

 

「支配されちゃう人たち」には、著者の幼少期の体験が書かれている。

それは、両親による「支配」の構図だ。
両親は敬虔なプロテスタントで、母方の祖父が厳しい牧師、父は母と結婚するために、キリスト教に入信したという。

私は、毎週欠かさず教会の土曜学校と日曜学校に通い、牧師の説教を聞かされていた。「教会を欠席したら地獄に堕ちる」という恐怖があったので、どんなに友達が楽しそうに遊んでいても「教会があるから」と友達の誘いを断らなければならなかった。

いっしょに遊んでいなければ、学校での友達間の話題にはついていけなくなる。それでも、仲間外れにされてしまうよりも、教会をさぼって罪を犯して地獄に堕ちるほうがよっぽど怖かった。
中略

「自分は駄目な子で、罪人だから、地獄に堕ちるんだ!」
子供の私はそれを疑いもしなかった。

 

そのうちに私は性的な妄想に耽るようになる。その間だけは、みじめさからも地獄に堕ちる恐怖からも解放されるから。
学校のことを思い出してしまうとみじめで罪に汚れた気持ちになるし、両親のことを考えると罪を罰せられる恐怖しか湧いてこない。集中できなくて勉強が一切できないから将来に全く希望が見出せない。そこで性的妄想に耽っていれば、将来への絶望も、現在の悲惨さ、過去のみじめさから解放されるような感覚があった。

でも、キリスト教では「姦淫は罪」とされている。「性的妄想に耽る自分は罪を犯しているから地獄に堕ちる」という恐怖があとから襲ってくる。だから、性的妄想に耽ってしまった後は、必死になって神に自分の罪の許しを請う。床に額をこすりつけて「神様ごめんなさい」と汚れた自分の罪を許してもらえるように祈る。にもかかわらず、次の日には同じことの繰り返し。

 

 

長い引用になったが「罪を犯すと地獄に堕ちる」というのは、橋本敬三先生の時代も、現在も変わらないのだ。

 

キリスト教がどうのこうのという話ではないのはご了承ください。でも「罪を犯すと地獄に堕ちる」という教育を子供にしてもいいのか?と思ったりはする。これって十分トラウマの種になりそうな気もしないではない

 

そして、この本のタイトルだが「支配されちゃう」というのは、罪の意識に苛まれる著者あり、支配しているのは両親(罰を与えるために殴ったり怒鳴ったりするのは、当然のことらしい)である。

 

★なお「支配者」は、この本を読むと猛烈な不快感を感じるらしい。それはよくわかる。

★ワタシも、親に支配されていたところがあるな、と感じる

 

また、もう一冊。この3冊を続けて読むと、長年のナゾが解けるような気がしてくる。

 

 そして、タイトルだけ見ると「なんだか怪しい」(すいません)が、この本もすごい。

トラウマを分析しており、実際のカウンセリングの話も出てくる。

なぜ、大事故(例えば震災など)の後、PTSD(Post Traumatic Stress Disorder)
心的外傷後ストレス障害になる人とそうでない人がいるのは何故か、などという話も載っている。そして「精神科医ならこういう診断」「セラピスト系ならこういう感じ」と、他の手法の評価法も出てくるのでそれも興味深い。

なお、ここで紹介されているのは、著者のオリジナルとでも言ってよいものだ(サイコセラピーの先生の影響もある)。

 

私達は「それ、トラウマになってるんじゃない」と、割と使うことがある。
が、本当のトラウマというものは、海馬が処理しきれず、記憶の中に断片化して埋もれており、本人は覚えていないのだそうだ。

 

「両親が小学校低学年の頃に離婚した。それがトラウマになっている」という話、いかにも、であるが、両親の離婚という目に見えていて、覚えていることではなく、トラウマというのは、余りにもショッキングで、死の恐怖に近い(トラウマを抱えている人は、常に死の恐怖を味わっているのと同様のストレスを受けているらしい)ものらしい。

 

そして、一つとても印象的だったエピソードを。

 

妻の調子が悪くて、それをかいがいしく世話する夫がいた。しかし、夫は頭の中で(つまり、想像で)妻を殴ったり蹴ったりしていた。

「想像の仲ならいいや」と思っていたそうなのだが、実際「支配されている」側は、支配側の「脳内暴力」でも身体の調子をおかしくする。

 

また、子供の体調が悪いという話で、やはり母親(見た目は本当に優しそう)が、頭の中なら、想像の中でならいいと思って、子供を脳内虐待していたという話がある。

近しい、あるいは支配される、する側の間柄だと、このようなコトも成り立ってしまう。

 

 

かといって、誰かに恨みを抱いて、脳内暴力をふるっても、相手のほうが強い場合もある(笑)。いないとは思うが、私とか師匠にはやらないほうがいい。「やり返し方」を知っているし、支配されている側ではないから。

 

そして、その昔、私は「何もできないオンナ」を演じるように強要されていた。また、常に「お馬鹿さんでなにもできない」とか「ぴーぴー鳴いてる捨て猫だ」というようなことを言われていたことを思い出した。

おとなしくてオバカさんでかわいいオンナを強要されていたのだ(爆)。なので病気にもなった。

 

そういうのをやめといて良かったと思う。自分の人生のためにも。