操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

本当の私よ こんにちは

昨日に引き続き、大嶋信頼さん(心理カウンセラー)の新著を読みました。

こちらは、かなり専門家向けです。

紹介されているのはFAP療法(Free from Anxiety Program)  Anxiety とは、不安のことです。医学的に  Anxiety disorder を、不安障害と言います。

 「指押し」を使った、心の傷の治療法初公開、です。

 

なお、当然ではありますが、こちらで紹介されているのは、初歩のものです。
また、心理カウンセラーは、クライアントに触りませんので、触れるのは、クライアント自身です。

アメリカ人は、難しいものを超簡略化して、プロトコル化(手順化)して、例えば頭蓋仙骨療法の、テン・ステップ・プロトコルとか作って、広めたりするのが好きですね。

つまり、誰がやってもそう外さない程度の安全なものにし(効果もそれなりに薄まる)て、広めるのです。

 

これは「広める」という手段においてはよい方法です。

操体法も「膝倒しとつま先上げとカエル足」(私達は、つま先上げとは言わず、足趾の背屈とか、伏臥足関節外転と言います。プロだからね)のような言い方で、「基本操体」パッケージになっていることがありますが、これもプロトコル化の一つです。

(橋本先生の「万病」には、操体AとかBとか、記号で名称がついており、動診と名称が結びつきにくかったので、愛称をつけたのです)

 

なので、この本の内容も、かなりプロトコル化されている、という前提で読むと、色々想像できます。

 

操体(第二分析以降の操体法)の習得に時間がかかるのは、仕方がありません。
プロトコル化できないからです。
たまに、渦状波で「どの症状にはどこに触ればいいのかを知りたい」という人が居ましたが(知りたい気持ちはわかる)、それがないのが、渦状波なのです。

 

しか~し、朗報と言えば朗報ですが、第五分析は、かなりのスピードで進化していますが、ある程度のプロトコル化が出来そうです(といっても、第二から第四までしっかり理解していれば、の話です)。

 

操体法の、第三分析、第四分析を学んでいる私達にとっては、また、鍼灸で経絡に詳しい方など、量子医学的なものに普段から慣れ親しんでいる方ならば、大いにヒントを得ることができるはずです。

 

また、足趾の操法や第三分析(渦状波)などを行っていると、手の指がピクピク動くなどという反応は、実践している方は日常的に見る風景だと思いますし、逃避反応をはじめ、からだの無意識の動きを診断分析材料にしている我々にとっては、今まで見逃していた情報を再利用できることにもなります。

 最初に「指押し??」と読んで、「TFTか??」と思った方もいるかもしれません。

TFTとは、手とかのある場所をタッピングするというものです。

私自身は、操体の「渦状波®」という最高に強力な臨床ツールを持っているので、TFTは「プロトコル化しすぎて薄まりすぎ」という印象がありました。

言うなれば、レイキと同じような印象です(私の場合、外気功を学んでいて「レイキは効かないから外気功を教えて欲しい」という人をわんさか見てしまったのも原因の一つです)。

 

 

FAPは、手をブラブラさせてなどとという色々な研究を積んでいくうちに、TFT創始者から「それはTFTじゃない」というクレームがつき、大枚をはらってなったTFTのインストラクターのポジションを捨てて、作られたものなんだそうです。

 

まとめです。

  • 第一分析の「基本操体」的なものや「般若身経」(クラシック)は、かなりプロトコル化され、それ故に結構広まっている
  • しかし、それは「薄まっている」ため、サークルや養生法、健康体操としては充分活用できる
  • 1980年代頃までは、現在とは環境が大きく異なっていたため(動かして壊したという状況が多数)、動かして治った(効果があった)
  • 現在は、40年前とは完全に環境が変わっている上、1990年代に精神疾患が多発したこともあり「動かして壊した」という状況が変わってきている
  • となると、楽な方に動かして瞬間的に脱力、という第一分析では限界が見えてきた
  • そこで「快」に三浦寛が着目し、第二分析を体系づけた
  • その後三浦寛が第三分析(皮膚へのアプローチ)を体系づけた
  • 第四分析(息診・息法)で、空間の認識を変えた(量子医学的)
  • 第五分析(操体の根底を変えるような変化)