操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

遂に渦状波(皮膚へのアプローチ。第三分析)の世界へ。

二年間、皆勤賞で、なおかつ足趾の操法®を修め、視診触診講座で視診触診と外気功基礎(臨床家の手を作る)もしっかり修めた二人の受講生が、今日、遂に「第三分析、渦状波」に、入りました。

 

おめでとう。

 

足趾の操法も、外気功も、視診触診も、そして介助補助法も、全てこれで繋がってきます。

 

因みに、お伝えしておきますが、大抵の方は「どこに触ればどこに効くのか知りたい」と言いますが、それはありません。

しかし「どこに触れればどこに効くと決まっているわけではないが、どこに触ってもいいわけではない」というのが答えです。

それを学ぶからです。

 

どのような手の形で触れるのかというのは本にも載っていますが、どこに触れれば良いのか、というのは、実際に学ぶしかないのです。

 

★本を読んでやっている、という人にやってもらったことがありますが、大抵は違っていました。そんな強くないとか、そんなに押さないとか、指が違うよとか。

 

大抵は、刺激になっています。

 

操体の勉強って、最初「何で介助補助の練習ばっかやってるんだろう」とか思うものなんです。

しかし、これが無意識にできるようになるくらいまでやりこむと、被験者がどんなに妙な動きをとっても、ついていくことができます。

そして、ある日、からだの使い方、動かし方、言葉の誘導、介助補助、皮膚の決め方など、バラバラだったものが一つに統合される時が来ます。

 

これは、かなり感動的な体験です。バラバラだったものが、何だかまとまってきて「そうだったのか!」と腑に落ちるのです。

 

操体の面白さは、そこからです。

 

私はそれを経験しているので、受講生の皆さんにも味わってもらいたいなと思っています。

 

そして、そのコツも最近わかってきました。

 

欲張らないことです。

 

操体を早く習得したいからといって、詰め込むとダウンします。
消化不良です。

からだも「操体的なからだ」になるには(まったくのビギナーだと)一年くらいかかります。一年くらい経って「あれ?できてる」という感じです。

早く上達したい!という気もちに、からだが着いていかないのです。

 

また、今回の二人は互いによく知っている仲でもあり、一緒に続ける仲間がいたのも大きな支えになったのでしょう。

 

なお、いままで20年近く三浦先生の講習を見ていますが、第二分析がしっかりできていないのに、皮膚(第三分析)を覚えて、そればっかりになり、動き系がダメで、というケースを結構見てきました。

 

つまり、渦状波が凄いので、ちょっと覚えると勉強をやめて、何だか自分のオリジナルメソッドをつくってみたり(中途半場な割に、三浦先生に習ったとか言っている)、破門になった面子は大抵「渦状波止まり」のような感じがします(破門になるには、それだけの理由があります。そして「渦状波」という言葉は登録商標なので、使えません。ので皮膚の歪みをとるとか、オリジナルの言葉を使っています)

 

つまり、操体法東京研究会で、ちゃんと修めて、一般社団法人日本操体指導者協会会員になって「渦状波」という言葉を使って良い、と認められた人が「渦状波」という言葉を使えます。

 

また「皮膚をひっぱる」とか「捻る」「絞る」「ずらす」とか言っているところがありますが、これは刺激です。渦状波(第三分析)は、接触です(刺激にならない)。

 

話は戻りますが、操体を勉強して渦状波(第三分析)、第四分析、第五分析を勉強しない、というのは、肉まんを食べていて、お肉を食べないようなものです。
上記の途中で止めて自己流にはしったというのは、肉汁が染みた皮をちょっとかじって、お肉を食べたと勘違いしているのです。


こういう話は昔からあるようで、古武術などでは、修行途中で「もう自分はできるからいいや」と、師匠のもとを勝手に去り、自己流でやると「体を壊す」ものがあるそうですが、操体も同じです。特に足趾などは。まあ、何でも先生から「いいよ」と許可を頂いてからということですね。

 

ここで改めて「守破離」の重要性を考えます。

 

守(先生の真似をする)所にいるのに、「離」にいきなり飛ぶのは、やはり無理があるののです。

「破」で、じっくり練ることが必要ですし、現場でこなすことも必要です。

 

さて、話は戻りますが、確かに皮膚へのアプローチが書いてある三浦先生の本は何冊かあります。

 

快からのメッセージ―哲学する操体

快からのメッセージ―哲学する操体

 

 

皮膚からのメッセージ―操体臨床の要妙part 2

皮膚からのメッセージ―操体臨床の要妙part 2

 

 

操体臨床への道しるべ―快適感覚に導く診断と操法

操体臨床への道しるべ―快適感覚に導く診断と操法

 

 一番新しい出版年が2010年ですから、10年前です。更に、本を書くには時間がかかるので、これらは、確かに皮膚へのアプローチ法が書いてありますし、間違いではありませんが、実際に三浦先生の横でみていると、もっともっと進化しています。

 

本というのは、出版した時には、著者の中では古い物になっているのです。
たまに気を利かせた受講生が「事前に本を読んで予習したほうがいいですか」と三浦先生に聞いていますが

 

「講習でやってることのほうが、先を行ってるから、読むのは後でもいい」ということになります。

 

まあ「万病を治せる妙療法」が、最新の操体だと思って臨床を受けたり、講習を受けたりすると、驚くと思います(実際驚く)。

 

特に、第五分析以降、皮膚へのアプローチ法にも新たなヒントが生まれています。

 

 

 

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背中を借りて擦診(さっしん)の練習。今日は三浦先生もパンダになっていただきました。