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操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

師弟。

私の操体の師匠は三浦寛先生である。
最初に操体を習ったのは、小林完治先生。

小林先生もとても深い操体の世界への入り口へ
誘って下さった。

最近連絡が取れないのですが、
どなたかご存じないでしょうか

小林先生と三浦先生の違いというと、
小林先生は、先生。
三浦先生は、師匠である。

操体を勉強したいのだったら、僕のところで一生勉強しなさい」
「はい、ありがとうございます」

これが私の弟子入りである。

先日のバレンシアでの操体セミナーで、三浦先生は、小野田先生の
指圧の生徒達に「これからは、受講生ではなく、師弟関係で学びなさい」
「小野田先生に一生ついて学びなさい」と語りかけていた。

 

橋本敬三先生には、自称弟子がたくさんいた。

敬三先生は定例講習をやっておらず、たまに地方にセミナーに行くとか、
そういう感じだったが、地方セミナーに参加したり、仙台に数週間滞在し、
温古堂に押しかけて「自称弟子」というケースもある。

ある先生は「私は11ヶ月温古堂に通ったけど、給料はもらっていませんでした」
と言ったが、押しかけたのだし、普通弟子には給料は払わない(笑)。
来たい時、都合のいいときだけ登場するのは、弟子ではない。
それは「ファン」というのだ。

橋本敬三先生の著書を読むと「温古堂ファンの○○さん」とか、
「客人」という言い方がたまに出てくる。

ファンはファンでありがたい存在だ。
ファンは大事にしなければならない。
しかし弟子とは違うのである。
(これは指導し、後進を育てることになると、よく分かる)

橋本敬三先生は、三浦先生のお父上をそっと仙台に呼び
(三浦先生にはナイショだったそうだ)、息子さんをお預かりしたい、
と、いう許可を請うたそうだ。

三浦先生は、毎日5時に温古堂の塀を乗り越え(朝早いとまだ戸が
開いていないのである)、診療室の掃除をし、診療時間が始まる頃、
部屋が暖まるよう、冬などは火鉢で炭を起こしたそうだ。
(ちなみに、橋本先生は一緒に住んで欲しかったそうだが、それはちょっと
勘弁と、三浦先生は近くに下宿していたそうである)

面白いのは、橋本先生、弟子の成長具合を、動診操法の技術ではなく、
「掃除の仕方」で、判断していたらしい。

また、お孫さんが傘を忘れたり、お弁当を忘れたりすると、届けに
行ったり、ご長男の整形外科でレントゲン撮影の手伝いをしたり
そんな感じだったそうだ。
(まあ、弟子も秘書もそうだが、雑用をするのがメインの仕事だ)

「師弟関係なんて、そんなの面倒くさいじゃん」という方もいるかも
しれない。「友達関係とか、もっと気楽でいいんじゃない?」みたいな。

しかし、そういうスタンスだと、
一番美味しいところは教えてもらえない。

それは事実だ。

教えるほうにも、教える人物を選ぶ権利がある。

橋本敬三先生は、非常に筆マメで、弟子に大量のハガキを送っている。
私も弟子の特権?で、見せていただいたことがあるが、なかなか面白い
ことを書いていらっしゃる(ここには書けません)。

昔の剣術家は、弟子入りしたいとやってきて、どんなに大金を積まれても
見所がなければ弟子には取らなかったという。
(今はそんなことはないと思うが)

受講生と弟子は違うのだ。

もし、あなたに師匠がいたら、それは幸せなことなのである。