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操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

骨盤と子宮後屈。

同じ身長で、同じような体格で、同じ位の年月操体をやっているのに、
どうしてこんなにスキルに差が生まれるのか?

10年程前、受講生をみていてそんな疑問を抱いた。
そして、気がついたのは「腰が反っているか反っていないか」という事だった。

気がついてからよく観察してみると、腰を反らしている場合、動きが「大雑把」になり、本来中心に集約すべき動きが、広がってしまうことがわかった。

まさか上手い下手に骨盤が反っているかいないかが関係するとは思わなかったのだが、伝統芸能や武術をみると、基本的に腰は反らせないのである。

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操体は「ボディの歪みを整えることによって二次的に症状疾患を解消する」という手段をとっている。

投薬や症状疾患がある部分を触ったりするのは、即効性はあるが、副作用が起こる可能性が高い。操体は「遠回り」のルートをとる。症状疾患のある箇所には触れず、遠方からアプローチする。

「途中過程で介入する要素のほうが多いので、少しずつ力を合わせて、最終的には大きな効果へとつながっていく」ということだ。

これは時と場合にもよるが、この使い分けも大切だと思う。応急処置には前者のほうが向いているし、慢性疾患や根本的な治療には操体は向いている。

な~んていうことを考えていた。

と、FBのリンクからで「骨盤と子宮後屈」というのを読んだ。

あまり普段パーツパーツで考えないので、なるほど、と思ったのだが、骨盤が反る(操体で言うと「骨盤の前弯曲」、普通に言えば「骨盤の後傾」)と、子宮が後屈する。子宮の後屈というのは、そもそも骨盤が反っているから起こるのだろう。

何故反るのか?内臓の緊張もあるだろうし、大腰筋も関係している。ファッションのせいもあるだろうが、一言で言えば環境の問題が大きいのだろう。

 

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これは私が講習でよく使う図。

なお、武術系は殆どそうだが、腰を反らせるということはしない。

操体の「自然体立位」でも腰は反らせない。

また、再三書くが「般若身経」をやる際、腰が反っているとあまりよろしくない。
何故なら腰が反っていると「膝をゆるめる」ことができないからだ。

★私は20数年前、太極拳の日本チャンプの先生(女性)に太極拳の手ほどきを受けた。その時「含胸抜背(がんきょうばっぱい)」をめちゃくちゃ特訓した。

壁にかかと、ふくらはぎ、臀部、肩、後頭部を付けて立つと、大抵は腰の弯曲で腰椎と胸椎が壁から離れる。

それを、骨盤を前弯曲(恥骨を前方に巻き上げる感じ)させ、腰椎も胸椎も壁につけるのである。骨盤を前弯曲(後傾)させたまま、なおかつ背筋は伸ばすのだ。

これが中国武術や日本の伝統芸能などの基礎となる姿勢なのだ。

操体の練習ってどんなものかというと、大抵は操法を習うと思うだろうが、最初の練習は「操体的なからだ」をつくることだ。ほとんど武術の稽古に近い。太極拳の先生の特訓のお陰で、操体の修業にどれだけ役に立ったかということだ。

なお、日本では昔から「月見は上品(じょうぼん)、潮干狩りは下品(げぼん)」と言う、と橋本敬三先生は著書に書いておられる。

これは、いわゆる女性器について書いてあるのだが、俗に言う「上付き」「下付き」のことだ。上品(じょうぼん)であるということは、骨盤が前弯曲(後傾)しているということだ。

また、江戸時代の吉原のお女郎衆は、後背位を下品だとしていたという話も聞いたことがある。というか、吉原の女の誇りとして応じなかったという話もあるようだ。

書くまでもない?が、骨盤が反っている(後弯曲・前傾)していると、お尻が反るわけだから、後背位のほうがやりやすい(笑)のは当然であろう。

いずれにせよ江戸時代に、骨盤の前弯曲・後弯曲で「上品・下品」と明確に分けられているのは面白いことだ。

こういうことを考えると、日本人はやはり「反り腰」ではなかったのである。

 

そしてこういう話をすると「それじゃ、いつも腰を反らさないようにして過ごさなきゃいけないんですか」という過激?な意見が出る。

いつも着物を着ているわけじゃないし、洋服を着てハイヒールを履いたらやはり腰は反る。

日本人のすごいところは、洋装にも和装にもフレキシブルに対応できるというところなのだ。

洋服を着ればそれに合わせて骨盤を変え、和装の場合もそれに合わせて骨盤を変える。それができるのが日本人なのだ。

何だかまとまりがつかなくなってきたが(笑)今日はこんな感じ。