東京に住んでいて、やっぱりいいな、と思うのは、美術館や博物館が近いということです。
事前にチケットを買っておけば大抵は並ばずに入れますし、どこか行くついで?に、寄ったりもできます。
先日も、年間パスポートを持っている、太田記念美術館で開催中の「怖い浮世絵」を観てきました。
そして、昨日は東京江戸博物館でやっている「大妖怪展」に、フォーラム実行委員のTさんと行ってきました。
重要文化財や国宝も数多く展示されていましたが、浮世絵は私の好きな国芳の作品が結構多く飾られており、太田記念とダブっているのもありましたが(それはそれでよいのです)、観たことがないものとかもありました。また、河鍋暁斎の描く「地獄太夫」が何枚かあったり、滝夜叉姫(平将門の娘で、ガマの妖術を使うダークヒロイン)があったり、この手の話には欠かせない、四谷怪談のお岩さん、累(かさね)、番町皿屋敷のお菊さんなどが勢揃いしていました。
妖怪と言っても、妖怪コーナーと幽霊コーナー、地獄コーナー、土偶コーナー(土偶って妖怪か?と思いましたが、あの形は確かに怪しいです)、妖怪ウォッチコーナーなどがありました。
そして、以前キューハク(九州国立博物館)で観た、戦国時代に鍼医者が書いた「腹の虫」の本の展示もあったりしました。
これは、人間の色々な病気や性癖は、ハラの中の虫のせいだ、ということで、色々な虫(勿論想像)で書かれているものです。
地獄絵図も沢山あり、六道(りくどう)を描いたものなどがありました。
閻魔様と十王の絵などを見ると「閻魔様の隣にいるのが鬼灯様か???」
と、ニヤニヤしたり(笑)
なかなか見応えのある展示でした。秋には大阪でもやるそうです。
そして、ここの常設展も愉しいのです。
特に土曜は夏休みなので、9時までやっており、8時を過ぎるともう子ども連れはいません。いつもは子どもが群がっている「駕籠」に乗ってみたり、人力車に座ってみたり、いつもできないことをやってみました。
また、常設展では山岡鉄舟展と、「伊藤晴雨 幽霊画展」をやっていました。伊藤晴雨は「責め絵」と「幽霊画」で有名です。特に責め絵は、妊婦を逆さづりにして描いたものとかありますね。
今回は責め絵ではなく、幽霊画の展示です。
「幽霊が美しい」とあるように、はかなげで美しい幽霊画(女性がほとんど)が展示されていました。
これらは、五代目柳家小さん師匠のコレクションで、谷中の全生庵に寄贈されたものだそうです。隣では、全生庵に縁が深い山岡鉄舟の展示があります。
先も書きましたが、今年は妖怪展とか「怖いもの」「異界のもの」が流行っているようです。こんな時は、世の中がちょっとおかしくなっている、という時でもあるようです。