操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

○○操体とは。

毎月第二日曜の午前中は、東京操体フォーラム実行委員のクローズドな勉強会です。

今回は、7月16日の操体マンダラも近いということで、色々話が盛り上がりました。

そこで、最近結構多い「○○操体」についての話題が出ました。

 

ちなみに第3分析、昔は「皮膚操体」ということもありましたが、現在では「皮膚へのアプローチ」「第三分析」「渦状波」と言っています。

 

三浦先生曰く

「○○操体」っていうのは、創作ラーメンみたいなもんだ。

あ、なるほどね〜。

 

 これって、とっても腑に落ちる説明です。

 

★良い悪いというわけではありませんので。

 

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熊本の桂花ラーメン。これは創作ラーメンではなく、熊本のラーメンと呼びたい。

 

理趣経 (中公文庫BIBLIO)

理趣経 (中公文庫BIBLIO)

 

 そして最近実行委員の間で読まれているのが、松長有慶先生の「理趣経」。

 

理趣経というのは、真言宗で読まれるお経です。
愛欲や欲望を、生きるエネルギーとして肯定しているため、妙な誤解をしている人も多いと言われています。これは分かる人に伝えないと単なる興味本位で暴走する人もいるだろうという懸念から、秘されてきました。なので尚更「秘密感」「怪しい感」「エロいのか?」とい誤解が生まれたのでしょう。

 

私がこの本を読んで(または、ここ数年仏教の勉強をしていて)思ったのは、操体の世界も「橋本敬三先生が言ってる事が全てで、他はダメ」と言っているのは、上座部仏教みたいなものです。

まあ、どの宗教でも「教祖の言葉とか教え以外は異端』という原理主義の方はいらっしゃいますので、普遍的なものなのでしょう。

 

※ 上座部仏教:昔は「小乗仏教」と言っていましたが、最近は上座部、といいます。

症状疾患や時代に合わせて、患者さまのからだに寄り添いながら、原理原則は守って進化させるというのが大乗仏教みたいなもんかな?

 

と思いました。

 

また、大乗仏教も分けると密教、禅、法華経系、浄土系などに分けられますが、三浦先生がやってらっしゃるのは、はたからみると「よくわからないけど(魅力的だけど近づきがたい)、ナゾに包まれた密教??」みたいなものかな、と思います。

となると、健康体操として広まっている操体法は、お念仏?など色々考えると面白くなってきます。

 

操体的シェイプアップ

先日、生まれて初めてすっぽん料理を体験しました。食べたというより、体験した、と言った方がいいでしょう、

 

ご一緒したのは、T大の研究室とプロジェクトの皆さんです。

 

最初に鱧の梅肉和えが出て、「すっぽんの生き血」が出ました。どんなもんか興味あるでしょ。

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生き血を焼酎で割って、りんごジュースで割ってあります。

リンゴジュースの焼酎割っぽい。生臭みはありません。


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すっぽん鍋。

私はすっぽん鍋のデフォルトというのがよく分かっていないのですが、このすっぽん鍋は、生姜と八角が効いていました。
台湾ですっぽんを食べたヒトによると「生姜と八角が効いていた」ということだったので、台湾風だったのでしょうか??

味はといえば、キモを狙って食べていた私ですが、キモ系は美味しかったです。

さて、スッポン鍋をつつき、一ノ倉とか飲んでいると、ある女子が

「何か、シュッとしてらっしゃいますが(ヨガとかスポーツとか)やってるんですか?」と聞いてきました。

 

ここで「はい、操体というものをやってます」というと説明するのが大変です。

 

おまけにスッポンを食べながら一ノ倉を飲んでいるのですから、操体が何たるかを説明する心構えもありませんし、この場で私は「操体指導者のハタケヤマ先生」ではなく、○○研究室でたまに会議でWebEX配信とかやってるハタケヤマさんです。

 

「からだの使い方、動かし方の指導とかそんなことをやってます(実際、スポーツプログラマーだし、健康運動指導士なので、メタボ指導とかできる)」

 

と、答えました。

 

実際ですが、操体(第二分析、飛び越して第五分析)の練習というか鍛錬は、武術に近いものがあります。関節をきめずに皮膚だけきめるとか、手首足首にどうやって効果的に介助を与えるのか、なんだかそんなことをやります。

 

また、東京操体フォーラムの実行委員は、わりと細めが多いのですが、肩甲骨は鍛錬しているので、背中からみると背中は鍛えてるっぽかったりします(殿方の場合)。

 

そして、結構好きなモノを食べてます。

 

たまに「操体とかやってるから、菜食とかしてるんですか」と聞かれますが、菜食とかしてません。。。

 

からだの要求に従っているだけです。


操体的にからだを使って、からだの要求に従って食べれば、意外といいんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

瑞巌寺

私は東京生まれ(本籍は品川です)なんですが、両親が宮城なものですから、宮城県が誇る、二つの国宝、松島の瑞巌寺と大崎八幡は好きな場所です。

 

さて、平成の大修理を終えた松島の瑞巌寺の本堂が改修後、お披露目ということで、仙石線に乗って行ってきました。

改修中は、お寺の奥にあった愛姫(めごひめ。政宗正室)の墓所が見学できたり、政宗公始め当主のご位牌を間近で拝めるということもありました。

途中、松島の五大堂の明王様や、本堂の彫刻欄間が東京に来ましたが(勿論見に行った)やはり松島で見たいではないですか。

 

秘仏の重文「五大明王像」が初めて寺外へお出ましに!特別展「松島瑞巌寺と伊達政宗」 | サライ.jp|小学館の雑誌『サライ』公式サイト

 

松島海岸駅から、途中円通院を通る近道を通って、瑞巌寺に入りました。

 

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本堂の中は撮影禁止ですが、お庭は撮っていいのです

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岩に座った優美な観音様


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庫裏(くり)。台所です。ここから本堂に参拝します。

 

本堂の中心とも言える仏間の素晴らしいこと。天井の細かい細工や、復元された素襖絵など、豪華絢爛な桃山様式が蘇っていました。


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記念に絵はがきを頂きました。本堂の写真と政宗公の肖像でした。


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仙石線は何故か撮りたくなる。仙石線は、石巻石ノ森章太郎さんの故郷なので、サイボーグ009列車や、仮面ライダー列車も走っています。

 

ちなみに、仙台市内でタクシーに乗っていたら「杜王○○院」という治療院がありました。さすが仙台です。

 

東北の復興は観光で応援しましょう。綺麗になった瑞巌寺へ是非どうぞ。

 

なお、この後、大崎八幡にも行って来ました。

 

 

決定版・トート・タロット入門

 私が最初にタロット・カードを手にしたのは小学生の頃だった。
今もそのカードは大事に持っている。


後にアメリカのハリウッドの大通りの、ロン毛のメタル兄ちゃんが店番をしていた、今でいうスピリチュアル系の店でもタロットを買った。

トートを買おうかと迷って買わなかった。

 

そして、トート・タロットと言えば、クロウリーである。

私はメタル好きなもので、クロウリーというと、オジーの「ミスター・クロウリー」を連想し、頭の中にあのイントロが流れちゃうのだが。


OZZY OSBOURNE - "Mr. Crowley" Live 1981

決定版 トート・タロット入門

決定版 トート・タロット入門

 

それはさておき、これは日本で一番の魔女、ヘイズ中村先生が著した、クロウリーのタロット、トート・タロットの入門書である。

カードもついている。

 

ちなみに、易の卦との対応も書いてあったりして、非常に興味深い。

 

易とタロットはどちらも「卜占(ぼくせん)」にカテゴライズされるので、相性がいいのかもしれないし、クロウリーの少し東洋趣味にも関係あるのかもしれない。


易を勉強している人も是非ご一読を。なお、売れまくっているそうなので、お早めに。

 

ちなみに私の断易の師匠、東海林先生とヘイズ中村先生はコラボでセミナーをやったこともあるし(わたくし、参加しました)、東京操体フォーラム相談役、ミスカトニック先生もヘイズ先生とセミナーを開催したりという感じで、私も全くご縁がないわけではない。

 

内容の素晴らしさと深さは当然ながら、私は今回、前書きとも言える、トート・タロットの勉強法についての、ヘイズ先生の文章にとても感銘を受けた。

ちょっと長くなるが、引用させていただこう。

 

トート・タロットを手にしたほぼ全ての人に共通する反応が、ひとつある。それは「いったいどうやって使い方を学べばいいのだ?」という当惑だろう。
タロットカードに小さな解説書がついてくることがもあるが、本当に最小限の情報しか記載されていない。
その解説書だけで使いこなせるようになるのは難しいうえ、読めば読むほど膨大な学習が必要であり、しかもそれをとこか始めればよいのかさえ見当がつかないという実感が増すばかりなのだ。
参考資料として、作者クロウリー自身が著した『トートの書』が存在してはいる。本来ならば、作者自身が書いた解説書ほど、心強いタロットの参考書はないものだ。
だが、『トートの書」 には、非常に難解な魔術用語や殆ど何の説明もなく所狭しと詰め込まれているうえ、
中略
しっかりとした基礎知識がないかぎり『トートの書』を片手にトート・タロットを使おうとしても、ますます何が何だかわからなくなってしまうというのが正直なところだろう
 
たとえるなら、トート・タロットを入手した人は、見たこともない絢爛豪華なフルコース・ディナーのテーブルについているのに、どこから食べ始めたらよいのかわからないような状態なのだ。
美しいカードの正しい使い方や、深遠な意味を理解して、神秘的な知識を貪欲に吸収し、満腹になるまで堪能したい!という強い欲求にさいなまれているのに、目の前の料理を切り分けるナイフやフォークがどこにも見当たらないばかりか、おいしそうなことはわかっても、実際のところ何の料理なのか見当もつかないので怖くて食べられない、と途方にくれるばかりである。
 
そのため、多くの人が、カードは買ったものの使わずにしまい込むか、時々取りだして眺めるだけのコレクターズ・アイテムにしてしまうことになる。逆に、知識的な飢餓状態に耐えることができずに、こんなに資料がそろっていないのは、このタロットには学習が不要だからだ、自分の感性で自由に使って良いのだ!という、ぶっ飛んだ発想にいきつく人も少なくない。
 
確かに理論は無視して感性だけでもなんとか使用できるのが、タロット・カードの利点の一つではある。しかし、。そうした感性重視、理論無視の立場を取ると、自分が気になった情報だけを取捨選択するようにもなりやすい。
中略
つまり、たんなるタロットという単品料理ではなく。これを学べば、西洋神秘学の全貌も理解できるほど栄養満点のフルコース料理なのだ。だが、あまりにも皿数が多いため、くの人は自分が消化しやすそうな部分、おいしそうにみえるエキセントリックな部分だけをつまみ食いしている状態だ、と考えるとわかりやすいのではないだろうか。
別の角度からみれば、理論を無視して感性だけで読み解こうとするのは、せっかくのフルコースをファスト・フードのように取り扱ってしまうに等しいともいえるだろう。これではあまりにももったいない!
 
では、このボリュームあるフルコースに、消化不良を起こさずに挑戦するにはどうしたらよいのだろうか。
当然すぎる答えかもしれないが、好き嫌いをせず、ひと皿ずつゆっくりと、ということしか手段はない。
地道に学ぶしかないのである。

 

★赤字下線は畠山による★

 

これ、操体とよく似ている。というか「体系づけられたもの」を学ぶ際には必要なことだ。


「何だかすごそう」「きもちよさでよくなる」「自分でできる」という感じで、本を買ってみる。本を見ながら人にやってみても、自分でやってみても「きもちよさ」がわからない。自分には操体は無理なのかなとあきらめる。

 

または、理論をぶっとばして感性のみで、自分の得意なところだけつまみ食いしようとして、他の手技療法と混ぜようとして失敗する。

 

★いいとこどりは、こける、のだ。

 

「いろんな先生がいるからいろんなやり方があっていい」(勿論いいのだが、基本理念は外して欲しくないし、セクハラや決めつけはNGである)のもよく考えることだ。

 

創意工夫は必要だが、それが、高齢者に後屈をさせて瞬間的に脱力させるとか(普通に考えても危険)、「きもちいいですか」というAV並みにしつこい(失礼。我々は「きもちいいですか」とは聞かない))「きもちよさの押し売り」はよくない(これらは実話です。講習会で話すと皆笑うけど、事実なのだ)。

 

最近は色々な操体の名前を聞くが、どうも理論的ではないような気がしてならない。
実技オンリーで理論は二の次というか、理論なしで、感性でやっているのではと思うところもある。

 

結局はひと皿ずつゆっくりと、地道に学ぶしかないのだ。

最初から渦状波®をやりたいとか、息診をやりたいというのもわからないではないが、やはり、物事には順序というものがある。

 

慌てて「一年で全部習得して来年は開業したい」というのは、消化不良のもとになるののは間違いない。

 

 

 

締め切りました

さて、東京に戻ってきました。

1時間半で、あっという間です。

さて、7月15日の操体施術会ですが、今回は参加希望者が定員に達したため、締め切らせていただきました。

 

あとはキャンセル待ちになりますので、よろしくお願い申し上げます。

 

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操体って色々あるの?というご質問に対して

さて、わたくしお仕事で仙台に来ております。

 

仙台のドンキのドンペンは政宗公コスプレ。のぞいてみたら、仙台のドンキの品揃え(お土産とコスメ)には驚きました。

 

平成の大改修を終えた瑞巌寺にも行って来たのですが、それはまた。

 

今日は、先程もある方から頂いた操体って色々あるの?」というご質問にお答えしたいと思います。

 

最近「○○操体」って結構聞きますが、

操体法東京研究会の三浦門下は「操体」「操体法」と言っています。

 

「○○操体」ならば、私も「貞山流操体法」とか「畠山式操体」(←自分で書いてて恥ずかしくなった)とか、「スピリチュアル操体」とか「外気功操体」(爆)とかいくらでも作ることはできるんですが、それはやらないと決めています。

 

何故なら、お師匠のお師匠である橋本敬三先生も「橋本式操体法」とかおっしゃっていませんし、私の師匠、三浦寛先生も「三浦式操体」なんておっしゃってないからです。

単にそれだけです。

 

といっても、「○○操体」と言ってる方々は、殆どが私の先輩か後輩(操体法東京研究会の受講生)なんですが、この辺りは「その指導者の操体に対する理解度の違い」「商売のやり方の違い」と言うしかありません。

というか、日本で操体をやっている人の殆どは、操体法東京研究会の出身ですから。

 

今昭宏先生も平直行さんも、私の先輩だし後輩だし。奈良の北村先生も、連動操体根本良一先生も、故瓜生良介氏も、故白澤誓三氏も、三浦先生の講習の出身です。

 

なお、快適感覚に対する動診と操法(第二分析)、皮膚へのアプローチ(第三分析)、息診(第四分析)をマトモにできるところは、数少ないです。東京操体フォーラム実行委員ならば、できます。

 

東京操体法研究会出身者以外で「渦状波®」(第三分析)とかやってたら、インチキです(笑)からご注意下さい。

 

「○○操体」というのは、一種のブランディングでしょう。

一派作りたくなるんだと思います。

または差別化。私は別に一派作りたいとは思わないので、作らないだけです。

 

三浦先生の場合は、操体という根幹を変えずに、分析法を進化させているのです。

 

「老舗ほどアヴァンギャルド」ということなんです。

★横で見ていてわかりますが、一番乗りで道を切り開くのは大変です。

 

「快」「目線」「皮膚」は、皆三浦先生が世に出したものですが(最初は無視されたのです)最近の操体関係者は普通に使ってますし、「第一分析」「第二分析」といういい方などは、操体法東京研究会の定例講習でしか使わないハズ?ですが、なんだか普通に使われてたりします。

「連動」を8つ書いたのも三浦先生ですが、当初、操体関係者は「患者の連動は皆違う」と言いましたが、それはボディに歪みがあるので、自然の連動ではない動きになる、ということを明確にしたのです。

 

いろんな操体があるのではなく、いろんな名前があるということです。

 

本当ならば「操体」を外せばいいのですが、やはり「操体」がついていると、売りやすい、売れやすいのでしょう。

 

橋本敬三先生は、その昔三浦先生が「先生(橋本先生)がやっていることは何なのですか」と聞いた時「名前なんてどうでもいい。真理が立つことが大切だ」とおっしゃったのだそうです。

なので、三浦先生も「操体」「操体法」なのでしょう。

 

 

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