操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

操体は「きもちよく動く」のではない。きもちよさを、ききわけ、味わうのだ

と、書いたら誤解されそうだが、操体は「きもちよく動く」のではない。

正確に言えば「ある動きを試してみて、きもちよかったらそれを味わう」のである。

きもちよく動けと言っても、動いてみなければそれはわからない。

操体は、そこを曖昧にしないのである。

何故なら、操体の真髄は「きもちのよさをききわけ(これが診断)」「味わう(これが治療」となるから。

また、もしもぎっくり腰とかで医者にかかった場合「きもちよく動いて下さい」と言われたら?

ハラ立ちませんか(笑)

こっちは痛いのに、きもちよく動けるわけがないんです。

逆に「これこれこうして動かすとどうですか?」と聞かれれば、答えやすいんです。

 

文章修業の学校で、一番困るのは「自由に好きに書いて下さい」という課題なんだそうです。

こちらは書き方を勉強しているのに「自由に好きに書け」と言われても書けない。

最初はお題が必要です。

 

なので、いきなりきもちよく動けと言われてもわからなくて当然なのです。

 

これこれこうやって動かしてどうですか?

と、からだの使い方、動かし方を知っており「きもちよさをききわけていただく」お手伝いをするのが、私達操体プラクティショナー、及び操体指導者の役目なのです。

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足指もみと足趾の操法。

昨日は講習はじめでした。

午前中はわたくしの「足趾の操法」、午後は師匠の「臨床講座」。

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その時、K君から「広島で『足指もみ』が話題になっているらしい」という話を聞きました。

広島でスポーツトレーナーと言えば

西本直(すなお)先生。

私も存じ上げております。一度三茶にお越しになり、ミスドで長話をした記憶があります。
西本先生は渡辺栄三先生(故人)のところで操体の講習を受け、そして、渡辺先生は三浦寛先生、つまりうちの師匠の講習を受けていらっしゃるという次第。

この本にも「足指もみ」が書いてありますが、この中には「渡辺栄三先生が考案?」のようなことが書いてありますが、西本先生には

「足心道の先生が、仙台の温古堂に出入りしており、操体の創始者、橋本敬三先生が70代はじめの数年間なさっていたもの」

という説明をした記憶があります。この本の内容は修正されていませんけどね。

 

朝3分の寝たまま操体法 (講談社プラスアルファ新書)

朝3分の寝たまま操体法 (講談社プラスアルファ新書)

 

 ちなみに「足指もみ」と「足趾の操法」の違いですが「納め」があること、これによって、快感度が従来よりも高まっていること、9つの種類(現在も増加中)があることです。

なんだか「足指もみを受けるなら広島へ」みたいらしいですが、

東京でも、松江でも(松江には東京操体フォーラム理事の福田先生がいらっしゃいます)、関東地方でも受けられます(笑)。

 

天国に行かせてあげるわん(笑)

 

講習も開催中です。というか、私が指導しております・・・・・。

東京でも「足趾の操法」が受けられますよ、と、ちょっと言ってみましたとさ。

 

 

膝の痛みを自分で治した話。

(2016年8月4日追記)これを書いた時から結構時間が経っていますが、操体はこの時点から、更に進化しました。勿論、セルフケアにも応用できます。

 

 

操体って、ホントはセルフケアが可能なんです。

ところが、自分でケアできる範疇を越えてしまった場合、それができないことがあります。そんな時が私達の出番です。

自分でできる、セルフケアできるレベルまで持っていくのが、私達のお役目です。
なお「足趾の操法」のように、自分でやってもあまり面白くない(笑)、ヒトさまにやっていただいて、その快感を体感するというものもあります。

年末は31日まで仕事をしていました。
毎年年末はどうもぎっくり腰をやる方が多いのです。
元旦も調子が悪いという方を診ました。
二日は原稿を書いたり、暮れにやりそこねた用事を済ませたり、

猫が「たまにはゆっくり遊べ」とひたっとくっついてくるので猫と遊んだりしていると、左の膝が痛いのです。
そして、曲げられないのです。
これはおかしい、と思い、自分の膝を観察してみました。

左の膝のお皿の内側の上、その辺りが腫れており、右膝と比べると1.5倍程度に腫れています。

私は普段毎朝一時間ほど歩いていますが、歩いている時には痛みは全く感じませんでした。確かに曲げるとき、少し違和感を感じることはあったのですが、殆ど気にならない程度でした。

 

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これが両膝の写真です。自分撮りなのでちょっとわかりにくいですが、左膝(向かって左)膝蓋骨(膝のお皿)の上、内側が腫れて盛り上がっています。

この時、右膝を曲げることができませんでした。

なお、翌日往療(クライアントのお宅にお邪魔しての施術)の予定があり、正座ができないと困るな、と思いました。

そこで、左膝蓋骨上部内側(ないそく)に相当するポイント(この場合は上腕)をチェックしてみました。確かに針で刺されたような痛みがあります。

ここをゆるめ、違和感が解消してから先程の膝の上を触ってみましたが、まだ腫れていて痛みがあります。

 

久しぶりにやってみるか

というわけで、痛みのある辺りを再度細かく触診していくと「あ、これこれ」という、原因のポイントがありました。

 

普段は殆どやらないんですが、
試合間近のスポーツ選手とか、明日ゴルフに行くとか、どうしても明日一日くらいはどうにか動けないと困る!というケースがあります。

そういう時に使う秘技(笑)があるのです。

操体と腱引きの中間みたいな感じです。

というわけで、自分を実験台にして試しました。

これ、一瞬痛いです。

 

操体の臨床で用いる場合には、痛みを与えない方法を使います。

 

操体の触診でも、ひかがみ(膝の裏)や、脛骨(足の内側の骨)のきわ、臀部梨状筋など、触診時にちょっと一瞬だけ痛いのがあります。

あれは、痛めつけているのではありません。
逃避反応をみているのです。

また、この触診も上手いヒトがやるとほんの一瞬で済みます。
後味もすっきりしています。私は「秒殺」と言っています。

そうでない場合は、時間がかかり、痛みも何だか残ったりして、後味が悪かったりします。これを「生殺し」と言っています。

 

自分でやると、どうしても潜在意識で手加減してしまうのですが、それを振り切ってやってみました。

 

10秒後、左膝を曲げてみました。

曲がります。

お、曲がるぞ。

というわけで、明日のことを考えてその日は休みました。湿布とかそういうのは何もナシです。

翌日はちょっと痛みがありました。正座ができるかどうか不安です。

電車に乗って東京スカイツリーの近くのクライアント宅に伺いました。

最初は正座ができなかったので、左膝を伸ばした正座をしていました。

さて、ここが操体の面白いところです。他の療法とはここが違うところ。

それは、クライアント(被験者)が快適感覚(きもちよさ)を味わっていると、操者にもそれが波動波及し、操者も何だか調子が良くなってしまうのです。

今日はクライアントのご家族三人を診たのですが、二人目を半分くらいと言うときに、気がつくと、自分でも知らないうちに正座をしていました。

横で見ていた方が「あれ?センセイ、いつの間にか正座してる??」と、笑っていました。

 

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というわけで、これが今現在の膝。昨日は膝蓋骨の上にシワができるほどしっかり伸ばしていないのですが、腫れは引いています。正座も大丈夫です。

これは、昨日の応急手当で整復されたところが、本日クライアントのきもちよさの波動をうけているうちに、良くなったということでしょう。

臨床家にとって、実は怪我はチャンスでもあります。

怪我しても、転んでもタダでは起きないのです。

 

 

エンパシー・ライティング・メソッド。光と闇。

昨年6月、書店で二冊の本を買った。

ダニエル・ピンクは「ハイ・コンセプト」とか「フリーエージェント社会の到来」などを読んでいたので、新刊だと思って買ったのだが、翻訳が神田昌典氏だった。そして「6分間文章術」の中野さんは、神田氏の「全脳思考」を学んでいらっしゃった。面白いこともあるものだと思った。この「6分間文章術」こそが、エンパシー ライティング メソッドである(Empathyは共感、感情移入をあらわす)。

 

 

6分間文章術――想いを伝える教科書

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人を動かす、新たな3原則 売らないセールスで、誰もが成功する!

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 その後、自分でチャート(6マスを書いた紙と付箋を使う)を書いてみたり、いろいろやっていたが、見よう見まねで書いた記事に、大きな反応があったので、正直驚いた。というわけで、11月末に、EWMの講座を受講した。
何でも同じだと思うが、その分野でそんなに詳しくないとか、初心者だったらまず本を熟読するよりも、セミナーがあれば受けてみるとか、実際に体験するほうが早いのである。

操体もそうだが、本を読んだり、見よう見まねでやって、ヘンなクセがつくと、それを直すのに苦労するし、時間がかかる。ヘンなクセで半年やっていたら、それを直すのに三年くらいかかるのである。こうなってくると、いくら本人に才能があっても、教えるほうが上手くても、結局は本人が挫折することが多い。まあ、これは芸事のことで、少し大げさだが、著者あるいは弟子が元気で、会ったり教室をやっていたりしたら、直接教えを請うのが一番だということだ。

実際講座を受けてわかったのは、自分がいかにネガティブな感情に光を当てていなかったか、ということだった。

また、その後に開講された勉強会にも参加したが、他の参加メンバーのフィードバックを得られるという貴重な体験をした。自分だけでは分かりにくいポイントを知ることができる。

私は操体の指導と伝道(私は操体プラクティショナーであり、操体エヴァンジェリスト操体の伝道者なのだ)が本業だが、占術もやる。

東洋医学の勉強や、西洋のオカルティズムやカバラも勉強しているのだが、一番納得できるのは「陰陽」なのであった。

 

無双原理・易

無双原理・易

 

 

近年のスピリチュアリズムは何だか過度なポジティブ指向が高すぎるような気がして、何だかダメなのである。また、いわゆる「スピリチュアル指向女子」が増えており、いわゆる癒やし系の仕事や、スピリチュアル系のことをやりたい、あるいはやっているという人が多いのだが、どうもポジティブ過多のような気がする。

ちょっと別の話になるが「タガメ女」がスピリチュアル業界に押し寄せているという感じもする。

私が「スピ系タガメ女」に何だか違和感を抱くのは「過度なポジティブ」と「排他的な女子の世界」なのだなと思う。

 

日本の男を喰い尽くすタガメ女の正体 (講談社プラスアルファ新書)

日本の男を喰い尽くすタガメ女の正体 (講談社プラスアルファ新書)

 

 

中世に魔女狩りが流行ったのは「教会の威光」と「神」という光の部分にばかりフォーカスし、聖職者たちは、高尚な精神と肉体での奉仕を求められた。これがどうなるかというと、光にフォーカスするあまり、その反対である闇、サタンの存在を創造した。そうしてサタンに対するものを迫害することによって、精神の安定を図っていたという説がある。自分の中の欲望や闇の部分を「クサイものにはフタ」状態にしたために、自分の外部にその闇の部分を作らなければならなくなり、その結果が、残酷な魔女狩りだというのだ。

排他的なタガメ女の世界と、中世の魔女狩りを出してみたが「闇」「ネガティブ」を否定し、見て見ぬ振りをして、その結果起こるのが、その対になった勢力あるいはポジションへの、排他的行為や迫害行為なのである。

何だかとても大げさになったが(笑)

エンパシー・ライティング・メソッドというのは、メッセージを受け取った人の、ネガティブな感情にも光をあて、それに共感し、フォローする。

いわば、光と闇、双方に共に光を当てているのである。

何だか去年インパクトがあった二冊「6分間」と「タガメ女」が繋がってきてなんとなくうれしい。

 

 

2014年 新年の操体。

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。

「楽(な動き)と快(適感覚)のちがい」を明らかにすること

「診断(動診)と操法(治療)の区別」を明確にすること

それが私の変わらないライフワークです。
この二つをあきらかに、クリアにすることによって、

操体ってホントにきもちいいの?わかんない」

「きもちよく動けって言われてもわかんない」

という「わかんない」というお悩みを解決いたします。

それがわかると、操体は自分でも「なるほど」という感じでできるように
なってきます。
勿論、世の中には素晴らしい身体能力を持っていて、
最初から「きもちよく動けてしまう」という方もいないではありませんが、
私も含め、最初からそういう体験ができる人はあまりいません。

そもそも「きもちよく動く」というアクションの前には、

「その動きって、きもちいいのかそれとも良くないのか」と、チェックする
必要があります。

チェックしてみなきゃきもちいいかそうでないかわかりませんよね。

というわけで、最初はそういうチェックの練習からはじめます。

感覚を育てる、感覚を磨く。操体はそういうところから始まります。

 

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骨模型。

ローリング・ストーンズがやってくる。
渋谷駅で大きなポスターを見た。
キース・リチャーズの指にはシルバーのドクロの指輪が。

スカル(ドクロ)の指輪と言えば、「サロン・ド・シマジ」でも、アイファニーのスカルの指輪を扱っている。スカルの指輪が似合うには、男性も修業が必要なのである。

レディースもあるが、こちらにはダイヤが入っていてこれも美しい。

先日のスポルテック2013での話。

久しぶりに柳生心眼流の島津兼治先生にお会いした。

平直行さんのセミナーでも30分ほど講義をなさった。

その時に持参されたのが「骨模型」。こつもけい、と読む。

あれは、立体的だから勉強になる。3Dは、目では納得するが、指先では納得しない。

昔は一体40万とか50万した。私は学校で毎日人体と骨模型を触っていた。今も触診する際は、アタマの中に骨と筋肉、組織が浮かぶ。
生々しいものではなく、キレイなイメージでだ。

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↑ 平直行氏とポーズを撮ってみたが、肝心の右手が写っていない(笑)
 喫煙所にいるだろうと待っていたらなんと30秒で遭遇。

 

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写真向かって左から、島津兼治先生(柳生心眼流)、杉本錬堂先生(天城流湯治司)、小口昭宣先生(筋整流法 伝承者)。

 

島津先生曰く、この骨模型は30年前で、40万しました。
最近は安いのが出ていますが、良くないです。

これは、ヨーロッパ人の男性の実際の骨格を忠実に再現しています。

骨の細かいくぼみがわかります。私たちは、ここに指をひっかけます。
最近の安い量産品は、ここまで細かく再現していないので、勉強になりません。

 

そうそう。本当に良質な骨模型は確かに触感が違うのだ。
ざらつきとか、微妙なくぼみとか。

「安いのは、ダメです」

島津先生は断言した。私は思わずうなづいた。

骨模型は何のためにあるのか。

名前を覚える程度に使うのなら、何でもいいかもしれないが、触れるという目的があるなら、プロとしてなら、やはり質のいいものを選ぶのが妥当なのだろう。

 

 

エンパシーライティング・ベーシック講座

http://d.hatena.ne.jp/lovecats/20130719

操体医科学研究所@書庫)より

 

6分間文章術――想いを伝える教科書

6分間文章術――想いを伝える教科書

 

 この本について「操体医科学研究所@書庫」で感想を書いたのは今年の7月のことだ。
割と「文章術」系の本は読む方だと思うが、大抵は読んで「なるほどね〜」と思って納得して終わりになる。

ところが、この本は少し違った。実際に手を動かして六マス(6つのマスを埋めていく)に書き込んだり付箋を貼ったりし、アタマをひねりながらも試してみた。

 そうやって書いたものを自分のサイトに書いてみたら、反応があったのだ。
これはすごいと思った。

というわけで、一度受けてみたいなと思っていたのと、ホームスタディ講座もあったのだが、多分DVDを見ながらは、やらないだろう自分、みたいな感じだったので、ベーシック講座に申し込んだ次第である。

ISIS編集学校の「編集工学」とは、全く違うものと考えている。

私のスタンスは「混ぜる」のではなく、違いを理解して共存させるということだ(あ、これ、原稿のネタになりそうだ)。

神田昌典氏の「全脳思考」も合わせて読むといいと思う。これは「物語」とか、結構編集工学に被るかな?というところ。

全脳思考

全脳思考

 

 会場は表参道の表参道ヒルズの裏だ。非常にキレイなビルである。受付を通り、地下にあるセミナールームに入る。坂の途中に建っているので、半地下みたいな感じだ。大きな窓がついており、光が入ってくる。

セミナー会場の素敵なこと。
特にトイレが美麗であった。床にヨガマットでも敷けば操体のセミナーができそうだ(笑)。感性が鋭い人は、直感力に優れている人が多いので、操体のように「感覚をききわけ(これが診断にあたる)、きもちよさがあればそれを十分味わう(これが治療にあたる)」という過程を理解していただきやすいんではとか思う。なんて。

 

講師は「6分間・・」にも登場する木村祥子先生。SONYに勤務しながら全国で読書会を開催してこられた。現在はセミナー講師やコーチング、NLPのプロでもあるらしい。
NLPと言えば、私達臨床家も素通りはできないエリアである。

他の参加者(受講生は全部で7名)6名は男性だ。

今日は何のためにエンパシー・ライティングを学びたいのか?

この講座で文章作成をした企画やサービスについて簡単に考えて来て下さい、という宿題があったので「プロフィール」「本の企画書」という案を考えた。

 

私も自分の講習の受講生によく言われるのだが「本を読んだだけではわからないことがよくわかりました」、というのが一番の感想である。書籍を読んでやってみて、「う?今ひとつ意味不明」というところが何カ所かあったのだが、セミナーが進むうちに、質問をしなくてもそれが分かってきた。

実際にやったワークは「プロフィール」を書くこと。一流の編集者が本の企画書をチェックする際、一番注目度が高いのは、著者のプロフィールなのだそうだ。

実際書き上げてから隣のに自己紹介するのだが、私の場合プロフィールではなく、セールスレターっぽくなった(笑)。

あっと言う間の三時間だった。この上級編もある。多分受けると思う。