4月8日(土)、新宿の朝日カルチャーセンターにて、三浦寛先生による公開講座「操体法とは何か」が行われた。
参加者はおよそ30名。操体関係のイベントで顔を見かける方、知った顔を何人か見かける。
操体の指導を受けるにあたって、頭に入れるべき事がいくつかある。
よく言うことなのだが、操体には大きくわけて3つの場がある。
・一対一の臨床の場
・カルチャーセンター、フィットネスクラブなど、不特定多数に、手をかけずに言葉の誘導で指導する場合
・指導を受けた個人が、自力自動で自宅などで行う場合
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講座の内容は、一般の方向けに(とは言っても、操体の基本理念を語ると、それだけでも20時間以上はかかる)分かりやすく進められた。歩行、呼吸、からだの動きなどを含めて、それぞれの体で体感していただく。
横たわって呼吸のきもちよさを味わっていると、部屋中からすやすやと寝息が聞こえたり、あくびが聞こえたり、リラックスしたいい雰囲気だった。
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最初に操体には大きく分けて3つの場がある、と書いた。
何故書いたかというと、カルチャーセンターのようなところでやる場合、勘違いする方がたまにいらっしゃるから書いてみたのである。
ある方は、操体とは、みんなで体操をするものだと思ったらしく、せわしなく『まだみんなで体操しないのかしら』とばたばたし、結局その後、部屋中から寝息が聞こえるようなきもちよさを味あわずに「急ぐから」と早く帰った。
勿体ない事だ。
『動けば良くなる』と、勘違いしているのかもしれない。
『動いてみて、本人にしかわからない感覚をききわける』というプロセスは必要不可欠なのだが、これが欠落している場合がおおい。
操体は、動けばよくなる、治るというのではない。
また、受講された方の中には、カルチャーセンターの講座の中で、
治療をしてくれるのか、という質問をした方もいたそうだ。
地方で保健師さんが操体の指導をされるときによくある問題らしいが、自力自動(一人で行う)で動診と操法ができるよう、講習を開いたのに、結局参加者が『ここが痛い』とか、自分のために学ぶのではなく、保健師さんに施術(治療)を求める場合が少なくないらしい。
カルチャースクールやフィットネスクラブで、何人か不特定多数のクラスの場合、たまには実例として、臨床の一部をやることもあるかもしれないが、一対一で治療を受けたいのだったら、予約をとって、個人的に治療に行くべきである。
フィットネスクラブや、カルチャーセンターで、ある人の治療をしたら、参加者は「私も私も」というように、皆受けたくなるだろうと思う。