憧れの人の真似をする、または形から真似する、というのはよくある話だ。
思い出すのは、今はなき、新宿三丁目の伊勢丹会館にあったディスコ、
『ツバキハウス』のサウンドハウス(ヘヴィ・メタル)の日曜の夜などに行くと、髪型もファッションも憧れのギター・ヒーローそっくりにした男の子がいわゆる、エア・ギターを弾いていたりした。
または某ヴォーカリストに髪型も衣装も全く同じにして、フロアの一番前で観客を相手にしているがごとく、なりきって歌う男の子もいた。
勿論、ニックネームはそのビッグ・ネームのヴォーカリストである。
私はその時「憧れの人になりきるっていうのはスゴい事だ」と思った。
それはさておいて
やはり、人間憧れの人の真似をするというか、
師匠の真似というか芸風が似るのか、という話である。
最近ヨガのクラスに通っている。NAYヨガスクールである。
主宰の内藤景代先生はこのブログを読んでいらっしゃるので
ちょっと恥ずかしいのだが。
この2ヶ月ほど通っている間、一つ不思議なことがあった。
景代先生をはじめ、スタッフの皆さんはぜったいTシャツの裾をトレパンの中に入れレッグウォーマーを履いていらっしゃる。
私はずぼらにも、自分の仕事着(Tシャツとトレパン)を持って行くのだが、普段から裸足好きな上に、何故か持っているTシャツが岳が短いものばかりなのである。更にトレパンの中にシャツの裾を入れる、という習慣がなかったし、操体をやる時には出してやるのが常である。
また、最近のGパンはローライズが多いので、Gパンの中にシャツを入れる女子はさほどいないのではないか。
それで、以前朝日カルチャーで講義をやって、般若身経をやった時、M子に『側屈の時にへそが見えますよ』と注意された。
しかし、昨日何故NAYヨガスクールの皆さんがシャツの裾をトレパンに
しまうのか、よくわかったのである。それは何かというと、
・鋤(すき)のポーズと肩立ちのポーズ
というのがあり、
1.まず仰臥位で両上肢は体側に沿って伸ばす。
2.吸いながら両下肢伸展のまま、90度に曲げる
3.そのまま身体を丸めて、つま先が頭を越えた先の床につくようにす る
4.つま先が床についたら、踵(アキレス腱)を伸ばすようにする
すでにこの2番の段階でシャツがずりおちて、背中が丸出しになっている。
鋤のポーズから肩立ちのポーズに移行するのだが
1.背中をまっすぐ伸ばし、背部を両手でしっかり支えて安定をはかる
2.そのまま足を天井にむけてゆっくり伸ばしてゆく(略)
3.足が天井にまっすぐ向く(以下略)
すでに1からTシャツがずり落ち、2の段階ではへそ丸出しである。
自分の腹部を身体を丸めた状態で見るのはあまりいい眺めではない。
この時、私は何故皆さんがトレパンの中にシャツを入れているのかわかったのであった。
それはいいとして、
クラスが終わってから、私は景代先生に聞いてみた。
『何でスタッフの皆さんはレッグウォーマーなんですか』
『暖かいし、冷えないし、私が履いてるからかなぁ』
やっぱり、そうなのだ。
某整体の先生のトレードマークは、白いYシャツにレジメンタル・タイ、それにサスペンダーだそうだが、知り合いがその講習に参加したところ、お弟子さんも皆Yシャツにレジメンタル・タイにサスペンダーだったそうである。
なんとなくわからない気もしないではない。
例えば操体が好きな人だったら
ヒバチ
鉄瓶
を自分の居城において、まずは濃いお茶を出して人を診たいと思うだろう。(私もヒバチは欲しい)
また、男性であれば口ヒゲ。橋本敬三先生は生やしていらした。
(私の師匠も生やしているし、フォーラムの実行委員でも何人かは生やしている)
残念ながら(ウソ)私はヒゲが生えないのでその真似はできない。
話が長くなったが、まずはスタイルから真似るということも大事なのだなと思う。