操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

渦状波・黄金の光

Bさん(女性。40代)は数年前自転車に乗っている時に車と接触事故を起こして転倒した。転倒というのは実は結構危険で、怪我がないように見えてもその後寝込んでしまったり、調子を崩したりすることもある。Bさんはその際に全身打撲をして、それ以来調子が悪い。休養の甲斐あってだいぶ良くなったのだが、自分でも整体サロンの健康教室に通っていた。そこで操体の名前を知り、来院したのだった。

当初Bさんは整体の教室で習った『楽なほうに動かして瞬間急速脱力』が操体だと思っていた。確かにやり方を間違えなければこわすこともないが、私の場合、『どちらが楽か辛いか』よりも、ある動きに快適感覚があるのかないのかをききわけていただきたいと提案した。しかし、提案してから、どうもBさんは皮膚へのアプローチのほうがいいのではないか、という直感が働き、計画を変更、早速ポジショニング、操者のポジショニング、その他を調整した。

行ったのは『点の渦状波』確か足首だったと思う。

触れてすぐBさんは『からだが沈んでいくようです』と言った。『それはきもちよさに繋がりますか?』と聞くと『とてもきもちがいいです。こんなのは初めて』。『しばらく続けていいですか?』

『ハイ』そうしているうちに、『からだが今度は浮いているようです』『先生、今、電気を消されましたか?』『いいえ。電気はさっきと同じですよ』『目を閉じているんですが、視界が真っ暗です』

『不快ではありませんか?』『いえ、とても気持ちいいです』

『ああ、今度は真っ暗な中に金色の光が射してきました』

Bさんは何だかすごいものを見ているようだ。

『金色の光がどんどん射してきて、虹色に輝いています』

ゴージャスだ。。。

『どんな気分ですか?』

『バラ色というか、幸せな気分です。なんてすごいんでしょう』

しばらく、金色とバラ色に輝くイメージの中おられたBさんだが、

その後いくつかの操法をとおして帰られた。気になっていたからだの不調が完全にとれたわけではないが(なにせ初回であるし、一度で全部解消するわけはない)、意識が変わったという。というか、快適感覚で良くなるということが根源的な体験で分かったそうなのだ。



その後、Bさんから連絡があった。ご主人に話してもなかなか伝わらず(もっともだ)、ヨガを25年やっている友人に話したところ、

『それは、ヨガの瞑想でも最高の境地に達した人が見るものよ』と

言われたそうなのである。



私もまだそんなすごいのには遭遇したことがないのだが・・・