操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

操体の臨床と『勝間和代のビジネス思考力養成セミナー[基礎力養成編]』


勝間氏の本は結構よく読むのだが、これは若手ビジネスマンのための思考力の「基礎力養成編」である。何でもミス・ユニバースに選ばれた女性が選考時の本番でこの本を読んでいたとか。
私がこの手の本を読むのは「色々な考え方を知りたい」という理由がある。

読書量の少ない人が陥るのは「読んだモノを何でも無条件で信じてしまう」ことらしい。ワイドショーや健康番組でやっていることを鵜呑みにするのと似ている。

また、以前某国民的健康番組で「腰痛のナゾ」についてやっていた。私達から見れば、腰痛の原因が椎間板ではなく、ストレスや怒りからくることは「当たり前」のことなのだが、この番組では「椎間板ヘルニアが原因の腰痛は全体の8%」という事実と、8割は「原因不明(つまりストレスや心因性のもの」という事実に、出演者が驚いていた。

例えば夏樹静子氏の「椅子がこわい」を読んでいれば「心因性の腰痛」があることは知っているはずだ。

例えば世の中には「水を飲んで血液をサラサラにしよう」という人もいれば、「水の飲み過ぎが健康を壊すモト」という人もいる。「日本人はお米と野菜」という人もいれば「お肉で健康になる」という人もいる。
私が子供の頃は「うさぎ飛び」は普通にやらされたが、今は腰を痛めるという理由でやらない。同じように、運動時に水は飲んではいけなかったのが、今では運動中の水分補給は当たり前のことになっている。

ビジネスに限ったことではない。例えば問題解決はこのような手順を踏む。
どのように「問題定義」を行い、「仮説」を作り、検証のための「データ」を集め、さらなる「結論」にもっていくのか。これは、操体の臨床にも似ている。

また、MECE(ミッシー)と言って、ある事象をモレなく、ダブりなく分ける方法である。この考え方は、世界一高いコンサル料をとる、マッキンゼーの手法だ。これは知っておいて損はないと思う。
勝間氏も書いているが結婚の形態で
・未婚
・既婚
・既婚子供あり
というのがあったら、「離婚している人は?」「未婚で子供ありの人は?」「離婚していて子供ありの人は?」「死別した人は?」
というモレがあることがわかる。こういったモレ、あるいはダブりをなくして全体を見るクセをつけるのだそうだ。

「論理的思考」だけというのは、どうもいただけないし、面白味に欠ける。論理的思考と直感力の二つがあるから面白いのではないだろうかと思う。