「操体による皮膚へのアプローチ」いわゆる第三分析を確立した
三浦寛師匠は「(刺激にならない)皮膚への接触」というのを
最初からうたっていた。
それが最近、操体関係者が「皮膚に触れて刺激を与えれば皮膚操体」という言葉を
使っているような気がする。
★そもそも、創案者である三浦寛自身が「皮膚操体」という言葉は殆ど使わない。
我々門下生も「皮膚へのアプローチ」「第三分析」「渦状波®」という言葉を
使う。つまり「皮膚操体」という言葉を用いているのは、現在我々門下以外なのである。
関西の奈良操体の会関係の方がFaceBookで「皮膚操体でマッサージ」という言葉を
使っていた。
本当は、東京に来てちゃんと勉強して欲しいところなのである。
厳密に言えば、それは「皮膚に刺激を与えるマッサージ」である。
皮膚へのアプローチはマッサージではない。
というか10数年前は「皮膚へアプローチする」というと
「そんなの操体じゃない」という輩もいたのだが、最近は
皮膚への関心が高まっているということか。
私は5年程前「今、皮膚を無視している人達が、あと10年もすると、全国大会とかで『操体はやっぱり皮膚ですよね』と言うだろうという予測をしているが、あながち間違ってはいないと思う。
多分私がこの話をすると、操体関係者はお得意の
「操体はみんなのものだから、やってもいいじゃない」という答えが
返ってくるだろうが、創案者、三浦寛先生は「みんなのものか?」と
問いかけるだろう。
ただ、出回っている「皮膚操体」という言葉は相当曖昧であるということだ。
三浦寛が提唱している皮膚へのアプローチは
「面の渦状波」「点の渦状波」に分類される。
★渦状波、は商標登録されている。
最近「渦状波」という言葉を全く関係ないスジから聞くことがあるが、
これを正式に学べるのは、操体法東京研究会の定例講習しかない。
もし、他で「渦状波教えます」と言っていたら、それはモグリである。
(最近モグリが多い)
そして、それは「皮膚への刺激」ではない。
刺激にならない接触なのである。
聞いてみると「皮膚操体」と言っている方々は、引っ張るとかずらすとか
捻るとか絞るとか(特に「絞る」は、私が皮膚へのアプローチを学びはじめた時、私をさんざんバカにした元パートナーがサイトに書いていたので、結構笑った。バカにして真似するとは面白すぎる)、皮膚への刺激なのである。
皮膚への刺激は意識に関与し、皮膚への接触は無意識に関与する。
また、刺激と接触は神経の伝達回路が違う。
なので「皮膚操体」と言っていても、
刺激と接触では全く違ってくるのである。
操体の歴史の中に「皮膚」という言葉が出て来たのは、
1999年10月「哲学する操体 快からのメッセージ」である。
これは1999年に開催された、全国操体バランス運動研究会東京大会に合わせて発行された。
この中に「皮膚へのアプローチ」として「渦状波」(かじょうは)という言葉が登場する。当時を思い出すと、操体で皮膚、なんて言っている人はいなかった。
その後、三浦先生から皮膚へのアプローチの手ほどきを受けた後、
私の周囲からはバカにされた記憶もある。
また、当時は今先生も皮膚とは言っていなかった。
その後、まるずみ先生と、皮膚ならぬ「カワの操体」という言葉を使われたが、
「皮膚とカワ」では全くニュアンスが違うのである。
また、私は三浦今両先生の「皮膚」に対するアプローチを同時に(医道の日本社の取材)受けたという貴重な体験を持つ。
同じ皮膚へのアプローチでも、これほど違うのか、と感心したものだった。