早いもので、連動を説明したこの本が出てから10年以上経ちました。
私は三浦先生がこの本を執筆している最中からお手伝いをしていたのですが、
橋本敬三先生の本にも「全身形態は連動する」と書いてあるくらいでした。
そして、橋本敬三先生は、三浦先生に「実は腰からではなく、末端から動く」というヒントを下さったのだそうです。
そしてそして「からだの動きは8つっきゃない」という橋本敬三先生の言葉に従って、
関節の動きを8つ、解き明かしたのがこの本です。
末端関節からの全身形態の連動(自然な連動)を解き明かしたのは、すごいことなのです。
この本、韓国で韓国語の海賊版が出たりしたんですよね。
私達操体臨床家は、この連動が頭に入っているので
どの動診(操法)を選べばいいのか、瞬時にわかります。
「どの操法を選べばいいのか」というのは、なかなか重要な問題です。
※「基本操体」とか言って、最初に足関節の背屈、次に膝の左右傾倒、次に伏臥膝関節腋窩挙上などをパターンとしてやるのとは、違います。
(パターン化すると、例えばうつ伏せになれない人はどうするの?という話になってきますよね)
なお、操体関係者は最初「患者の動きはみんな違う」と言っていました。
ところが、しばらくすると、例えば「仰臥膝二分の一屈曲位で、膝を左右どちらかに傾倒すると(ボディにゆがみが無い限り)首は膝と反対側に倒れる」というセオリーを、操体関係者(コンサバティブな方々)も取り入れはじめました。
また、最近は操体関係者(コンサバティブな方々)も、「目線」の効用を認識してきたようです。
操体法入門―からだの連動のしくみがわかる 手関節からのアプローチ
- 作者: 三浦寛
- 出版社/メーカー: 医道の日本社
- 発売日: 2003/11
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 17回
- この商品を含むブログ (13件) を見る
さて、最初に
操体関係者は最初「患者の動きはみんな違う」と言っていました、と書きました。
それは何故かというと、ボディにゆがみがあると、自然な連動にならないので「動きはみんな違う」ということになるのです。
または、ヨガとかボディワーク系をやっている人だと、くねくねとか妙な動きをしたりします。これは連動というよりも「無意識の動き」というべきでしょう。
さて、この「全身形態の連動」ですが、第五分析の誕生と共に、進化を遂げました。
(まだ書籍にもなっていませんし、公にも発表されていません)
もう「第五分析」というのは、驚きとしか言いようがありません。
「操法の数が減り、よりシンプルになったのに、変化が早い」のです。
さて
ちなみに、フォーラム実行委員のT本君がコンビニで見つけたといって、この本を紹介してくれました。
コンビニ、600円、「たった10秒で効く」。
600円なら買うかもしれません。主婦がコンビニで見かけて買う。そういうパターンですね。
さて、この本ですが「自力整体」をやっている方です。
自力整体の創始者の矢上さんって、その昔(私の記憶では2000年の仙台での全国大会には参加していた)、全国操体バランス運動研究会にも出席していた記憶があります。
操体は「自力自療」がコンセプトの一つでもあります。
また「(お金をかけずに)自分でできる」というのはやはり人気があります。
それはさておき、最近「肩甲骨はがし」って結構流行っています。
そしてこの本なのですが、面白いことに、殆どが「膝二分の一屈曲位での膝の左右傾倒」のバリエーションです。
なんだか三浦先生の本で見たことがあるポーズを、分断してやっているという感じです。
この表紙のお姉さんも、首が左に向いて、上腕が内旋(つまり左肩が上がり、肩甲骨は下がる)ので、「ベリベリはがす」となっているわけです。
あきらかにこれは、操体における全身形態の連動を参考にしていると思われます。
(自力整体の創始者さんが、バラ研に来ていたのだから、三浦先生の本を読んでいるというのは当然と言えば当然です)
さて、今年のGW、例によって「GWプレミアム・ベーシック講習」を開催致します。
2018GW操体プレミアム・ベーシック講習のお知らせ - 操体法大辞典
昨年の秋に開講した三浦先生の受講生は、昨年のGWの講習の受講生が殆どでした。それくらい面白かったのだと思います。
プレミアム・ベーシック講習では、この「全身形態の連動」についても時間を割いて説明する予定です。
「全身形態の連動」をまず体現できるようになる必要がありますが、本を読んだり動画(YouTubeなどはあまり役に立たないと思います。わかってやっているのではないから)を見たりでは、分かりにくいのが現状です。
是非、生で実際に目でみて動かしてみて、目からウロコな気分を味わっていただきたいと思います。