操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

操体関連書籍(2019年)

今まで使っていたWordpressのアプリ、AmazonJSがうまく動かなくなったので、こちらにリンクを貼ります。

 

操体関連の書籍は結構ありますが、畠山が有用な本を解説します。★以下は、どの分析法について書かれているか、ということです。

 

橋本敬三先生の本に共通していること

それは、書き下ろしの本がないということです。「万病を治せる妙療法」は、農文協の「現代農業」に、「農業高校を出た人にも分かるように、健康に関することを分かりやすく書いて欲しい」という依頼から連載されたものです。「からだの設計にミスはない」「誰にもわかる操体の医学」「生体の歪みを正す」も、全て既出の原稿をまとめたものです。

 

つまり「論文」というよりは「散文」を編集したものだと理解したほうがいいかもしれません。

 

なお、「操体法の実際」については、橋本先生はあくまで監修の立場をとっておらえるので、厳密には橋本先生の著書ではありません。当時80歳を越されていたので「監修、ああ、いいよ」という感じで受けられたのではないかと。

写真解説集については、こちらも監修ということで、編集は川上吉昭先生です。

橋本敬三先生は現役を引退された際「きもちよさでよくなる」と言われました。その後90歳近くなった頃や、卒寿のお祝いの席で、弟子達に

  • 楽ときもちよさは違う

その他にも、

  • 動きより感覚の勉強をしなさい
  • 呼吸は自然呼吸でいい(呼吸に意識を置きすぎると、感覚をききわけにくくなるから)

という言葉を残されていますが、これらの言葉は橋本先生の書籍には出てきません。橋本敬三先生に私淑(直接に教えは受けないが、ひそかにその人を師と考えて尊敬し、模範として学ぶこと)し、著書のみで学んだ場合、この辺りが抜けてしまうのが残念です。

 

橋本敬三著書

 

万病を治せる妙療法―操体法 (健康双書ワイド版)

万病を治せる妙療法―操体法 (健康双書ワイド版)

 

 

操体の考え方を学ぶ入門編としては最適。しかし写真やイラストは大雑把すぎて殆ど参考にならない。今昭宏先生が橋本先生に「これに書いてあること、間違ってますよね」と聞いたところ、橋本先生は「間違ってる」と言われたそうだ。それは「回数は2~3回とか、瞬間脱力ではなく、患者さんのきもちのよさにあわせて」というように、操体が変化してきたからである。 操体が「楽(な動き)から快(適感覚)」にシフトチェンジした模様は「操体の成り立ち」を参照下さい。★第一分析

 

誰にもわかる操体法の医学 (健康双書ワイド版)

誰にもわかる操体法の医学 (健康双書ワイド版)

 

 

「からだの設計にミスはない」と、重複する箇所がある。特筆すべきは、般若身経が「中心集約運動」として紹介されていること。★第一分析

 

からだの設計にミスはない―操体の原理

からだの設計にミスはない―操体の原理

 

 
「般若身経」の中に、はじめて「膝のちからをほっ、とゆるめる」という表記が出てくる。

 

 

生体の歪みを正す オンデマンド版:橋本敬三論想集

生体の歪みを正す オンデマンド版:橋本敬三論想集

 

操体を学ぶ者にとってのバイブル。必読。第一分析

橋本敬三監修、共著

 

地湧きの思想〈1〉未来を啓く人間観 (1980年)

地湧きの思想〈1〉未来を啓く人間観 (1980年)

 

 パネルディスカッション、コメンテーターとして発表したものをまとめたもの。

 

 

 

パート2。編集者がパート1で発表した先生方の、それぞれの地方での後援会などに行ってまとめたもの。

 

操体法写真解説集

操体法写真解説集

 

 川上吉昭教授編集で、橋本医師は監修となっている。息食動想などには触れていない。英語に翻訳されている

 

写真 図解 操体法の実際 (健康双書ワイド版)

写真 図解 操体法の実際 (健康双書ワイド版)

 

 80歳の時で「監修」というのは「名前貸し」のようなものである。厳密には橋本敬三医師の著書ではない。
操体は本来「症状疾患別」ではないのだが、巻頭に「この症状にはこの操法」という一覧表が載っている。
ここからして、橋本先生の意志にはそぐわないような気がするのだが。★第一分析

 

翻訳版

 

Sotai: Balance and Health Through Natural Movement

Sotai: Balance and Health Through Natural Movement

 

 


操体法写真解説集」の英訳

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「万病を治せる妙療法」の英訳。操法のイラストと写真は全く役に立たない。また、写真の操者のポジショニングなどいい加減である。
Dr. Keizo Hashimoto's idea is good translation. There are a lot of mistakes pictures. 

 

三浦寛

 

Sotai Treatment Room: Obeying Bodily Sensations (English Edition)

Sotai Treatment Room: Obeying Bodily Sensations (English Edition)

 

 「操体法治療室」の三浦寛のパートを英訳したもの。前書きは畠山が執筆、翻訳は、東京操体フォーラムの、グレゴリー・ローゼン、表紙デザインは同メンバーの寺本雅一。Kindle版。

 

操体法治療室―からだの感覚にゆだねる

操体法治療室―からだの感覚にゆだねる

 

一般向け入門としてもお勧め。私はこれを読んで操体を勉強しようと決意した。第一分析、★第二分析
★おすすめ★

 

 

操体法の治療と予防

操体法の治療と予防

 

 きもちよさをききわけ、味わう」ということができるようになったら、セルフケアの道が大きく開ける。
座位、仰向け、うつ伏せなど、ポジション別に紹介されている。★第二分析

 

 

快からのメッセージ―哲学する操体

快からのメッセージ―哲学する操体

 

 楽ときもちよさの違いについて明確に述べた本。皮膚に対するアプローチが紹介されている。
操体の理論がまとめてあり、臨床家を目指す場合はお勧め。第二分析、第三分析(皮膚へのアプローチ)★おすすめ★


操体臨床の要妙(たにぐち書店)

 橋本医師は「全身形態は中枢神経を介して連動装置になっている」と書いているが、どのように連動するか、までは記していなかった。本書が出るまで、多くの操体臨床家は、「連動は皆それぞれ違う」と言っていたのだ。連動という概念を持ち込んだことで、操体の「動」の可能性は飛躍的に広がったと思う。
★第二分析

 

以下二冊は「連動」のしくみをあきらかにしました。

操体法入門―からだの連動のしくみがわかる 手関節からのアプローチ

操体法入門―からだの連動のしくみがわかる 手関節からのアプローチ

 

★第二分析

操体法入門 足関節からのアプローチ

操体法入門 足関節からのアプローチ

 

 ★第二分析

 

操体臨床への道しるべ―快適感覚に導く診断と操法

操体臨床への道しるべ―快適感覚に導く診断と操法

 

 介助・補助」と「連動」について学びたい場合は本書がお勧め。末端関節(手関節、足関節)にどのように介助を与えるのかの説明がある。前2冊の「連動」を更に深めたもの。なお、表紙とイラストのモデルは私である。★第二分析、第三分析

 

 

皮膚からのメッセージ―操体臨床の要妙part 2

皮膚からのメッセージ―操体臨床の要妙part 2

 

 皮膚へのアプローチ、ON,OFF固定など、著者の様々な試みとその結果、色光現象など、新たな診断分析法も紹介されている。皮膚への可能性は大きいことを痛感させられる。★第三分析

 

操体法 生かされし救いの生命観

操体法 生かされし救いの生命観

 

 三浦寛、今昭宏、畠山裕美共著。月刊手技療法に「シリーズ操体」として連載されたもの。同連載は今も継続中。★第一〜第三分析

 

 

 私の1冊目の本です。改訂版を出したいと何年も前から言ってるんですが(笑)どこか出してくれませんか。第一分析
修正箇所が幾つかあるので、こちらをご覧下さい 「自著を斬る!