昨日の午前中は、私の担当の「視診触診講座」でした。
参加者からは「連動についてもう少し知りたい」というリクエストがあったので、
ちょっとばかり連動について話しました。
橋本敬三先生は、著書の中で「全身形態は連動する」とは書いているものの、それだけで、ここを動かしたらこうなるということには触れていません。
しかし「全身の動き(腰を例にとる)は8つきりしかない」と書いています。
操体法入門―からだの連動のしくみがわかる 手関節からのアプローチ
- 作者: 三浦寛
- 出版社/メーカー: 医道の日本社
- 発売日: 2003/11
- メディア: 単行本
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それを明確にしたのが、私の師匠、三浦寛です。
この本は、手関節(手首前腕)の8つの動きと、全身形態の連動をはじめて明確に解説したものです。私は当時、執筆中の師匠の手伝いをしていましたが、産みの苦しみというのは大変だなと思ったことを思い出します。
そして、この本が出たとき、連動のしくみということを評価したのは、意外にもスポーツや武術など、操体関係以外のヒト達でした。
操体関係者は「連動はみんな違う」と言ったのです。
★要は「連動はみんな個人個人違うから、ミウラの言う事は間違ってんじゃねぇの」と言ったわけです。私の知り合いもこの時、同じことを言っていました。
しかし「ボディに歪みがあると、自然な連動は起こらず、ボディが正されると、自然な連動となる」ということだったのです。
これは、間違いありません。
操体を受けに来るような患者様は、歪みがあって何か症状疾患を抱えているのが前提ですから、連動が不自然であり、色々あるように見えて当然なのです。
そして、ここから「腰主動説」から「末端主動説」に変わりました。
このきっかけは、橋本敬三先生の晩年の「末端から」という言葉からヒントを得たそうです。
さて、話はタイトルに戻ります。
足関節の背屈のみで、ぎっくり腰が治ったとか、そういう話を聞いたことがあります。
私は「今と昔は人間のカラダとストレスも違うし、今はどうなんだろう」「橋本先生のような名人達人ならば可能かも」と思っていました。
しかし、連動や、多分これから発表されるであろう操体の「新しい原理原則」を考えると、足関節の背屈と(足関節の背屈でなくてもいいのですが)、多少の調整で、ボディの歪みが整うことが可能になるのではないかと感じています。
こういうのを本当の「温故知新」というのかも。