操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

意識飛びと操体。

今日は第二日曜なので、東京操体フォーラム実行委員勉強会でした。

 

終盤は、お互いに足趾の操法®をやりました。

 

これに関しては、橋本敬三先生がやっていたものに、三浦寛先生が「納め」というのを入れて、それでなくともキモチイイのに、更にきもちよさを味わえるようにしたものです。更に、ワタシが30年近く練っている「足指廻し」を加えています。

 

普通、いわゆる「第一分析」「第二分析」では、意識飛びの現象は起こりません。

 

意識飛びとは、操法の最中に、被験者が瞬間的に深い眠りに落ちることです。また、無意識の動きが発動することもあります。

 

これが起こるのは主に第三分析(刺激にならない皮膚へのアプローチ)と、足趾の操法などです。

 

この2つは残念ながら一人ではできません。できないのではなく、できるんですが、自分でやってもあまり期待したような「快」は味わえません。

 

このクラスの「快」は、やはり操者の腕にもよります。

 

きもちのよさ、と言っても、伸びてきもちいいとか引っ張られてキモチイイというのではなく、瞬間的に意識が飛ぶ(瞬間的に深い眠りに落ちる)という、ちょっと次元が違ったモノです。

 

その昔、電話をくれた人がいたのですが、唐突に

操体って、きもちよくて失神しちゃうんですよね」と言われてちょっとびっくりしました。

 

「意識飛び(瞬間的に深い眠りに落ちる)はしますが、失神はしません」と答えたのを覚えています。

 

また、きもちよくて失神というのではなく、きもちよさ云々の前に意識がすっ飛ぶことが多いかな。

 

この方のように、どこから情報を仕入れてきたのか分かませんが、こういう期待?をされてしまうと、例えば「万病を治せる妙療法」を読んで、自分で膝の左右傾倒などを試してみて

「なんだ。きもちよくて失神しないじゃないか」とがっかりする。

そんな絵柄が浮かんできました。

 

やめて〜っ(笑)

 

きもちよくて失神する、なんて昭和の女性週刊誌みたいじゃないですか(言ってしまいました)。

 

っていうかワタシ自身「きもちよくて失神する」なんて書くのはちょっといやになってきたりして(笑)。

 

再度言いますよ。

 

意識飛び現象が起こるのは、第三分析以降、あるいは足趾の操法です。

第一分析(そもそも楽な動きを問いかけているので起こりえない)では起こらず、第二分析でもワタシは見たことがありません。

 

操体で意識飛びを体験したいのであれば、やはり足趾の操法か渦状波(第三分析)ですが、コンディションなどによっては飛ばない場合もあります。

 

なお、かなりの確率で「飛ぶ」のは、我々が「左脳とばし」と呼んでいるものです。

被験者1人に操者2人がつくという贅沢品?ですが、もの凄く癒されます。

 

夜寝床の中で色々やっていると、寝落ちすることはあります。

 

ちなみに、第三分析を受けていて、法悦状態(つまりエクスタシー)に至った人は何人かみていますが、セルフケアで操体を行って味わえるのは「ああ、きもちいいな〜」とか寝落ちするような感じです。

寝落ちする瞬間って、あまり覚えていないと思いますが、何となく分かって頂ければなと。

 

そもそも操体は「きもちよくて失神」しちゃうような、昭和の女性週刊誌が期待するような「快」をききわけるのではありません。

もっとゆったりとした、穏やかで刺激的ではない、ほんわりした持続的な快です。