バレーコードというのは、ギターを弾いたことのある方ならご存じだと思うが、6本の弦を人差し指で押さえる、Fコードに代表されるギターのコードである。
よく、引き合いに出すのだがFコードは初心者にとっては一番難しい。何せ、音が出ないのだ。
どんなに一生懸命押さえても、はじめは音が出ない。出てもなんだか「ぱちぱちぱちん」(ピックが弦をこする音)という音が出るだけだ。自分の場合は中学生の時だが、人差し指にマメができて、2回程皮がむけた。
しかし、それにもめげず、練習していると、ある日突然、音が出るようになる。それも、一生懸命押さえなくても、軽く、手と肩の力が抜けているのに音が出る。
この話を、操体の同門H氏にしたところ、彼も同様な経験があるとのことだった。
最初できないこと。
それをやっていくとある日突然、変化が起こる。
操体もそうだ。
例えば、介助抵抗のかけ方は極めて関節技に似ているように『見える』が、実は関節ではなく、皮膚をきめている。
手関節をあらかじめ、内旋位にとってから外旋させるとか
あらかじめ橈屈位に取らせてから尺屈位にとらせるとか。
これは力は関係ない。
(手の大きさには多少ハンデはあるかもしれない)
決め方をみて、よく「合気道などに似ていますね」と言われるが、
そうなのかもしれない。
特に、伏臥位膝二分の一屈曲位における、足関節の外転、内転の動診を行う場合のきめ方などは、最初なかなかできなかった。
しかし、練習を重ねた結果、ある時、できるようになった。