操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

読書日記@コミック編

一巻を読んで、即二巻。

破壊的な面白さです。「弘兼先生黙認」の文字も(笑)。

Q州の墓多に左遷されてきた、図画工作。墓多死社に配属になる。

お局のゴリラとか面白いキャラがじゃんじゃん出てきますが、

「ファク山はさまる」先輩が凄い。

最後、ヘンな妖怪に川に沈められ

「河川から石となってサルベージされたファク山は無事墓多死社に買い戻され」

「あまりにも格好良かったのでロビーに飾られた」

 というのが三度読みするくらい面白い。

その他「リモータン」(粉会社社長。お昼休みに、命がけのリーマンに、宴会芸を披露させてウキウキウォッチングしているが、最後はコーサクのワナにはまり、ソリティア中毒となる)「ソリティア」っていうところで、爆笑です。。

 

社畜! 修羅コーサク(1) (ヤンマガKCスペシャル)

社畜! 修羅コーサク(1) (ヤンマガKCスペシャル)

 

 

社畜! 修羅コーサク(2) (ヤングマガジンコミックス)

社畜! 修羅コーサク(2) (ヤングマガジンコミックス)

 

 

そして、私も知らなかったのですが、Q州に伝わるという、伝説の宴会芸。。。

「残念ながら実在する」ってありますが、実在するんですね。。

ここでは書けませんので是非お読み下さい。

 

 

 

 

ケルン市警オド(4) (プリンセス・コミックス)

ケルン市警オド(4) (プリンセス・コミックス)

 

 そして、青池保子先生の、「修道士ファルコ」に出てくる修道士オドがケルン市警だった頃の活躍を描く「ケルン市警オド」。

3巻に続き、ナゾの連続殺人事件の犯人を追うオド。

ストーリーが練りに練られていて素晴らしい。

「ファルコ」は、「アルカサル」(ドン・ペドロが主人公)と同時代の設定で、ファルコとドン・ペドロの逸話もあったりします。

これは「アルカサル」と「修道士ファルコ」と一緒に読むべし。

 

 

阿闍梨蒼雲 霊幻怪異始末 3 (HONKOWAコミックス)

阿闍梨蒼雲 霊幻怪異始末 3 (HONKOWAコミックス)

 

 ちなみに、もうすぐ発売になるのがこれです。

待ちに待った三巻です。

密教僧秋月慈童」シリーズの後半に出てくる、お寺に属さないお坊さん、蒼雲さんが主人公です。

慈童さんが「見える」のに対し、蒼雲さんは「感じる」派。見える代わりにいつも側にいる毘沙門天さんが色々教えてくれます。

 

二巻の「遺影が動く」とか、めちゃくちゃ怖かったですが、最後にはちゃんとおさまるので、大丈夫です。

 

お薦めとしては

「秋月慈童」シリーズを読んでから、こちらを読むといいかな。

 

読むだけで不動明王から力をもらえる本

読むだけで不動明王から力をもらえる本

 

 

 この辺を読むと、密教のことがよくわかります。

 

 なお、こちらは厳密にはコミックではありませんが、漫画家にして現役の真言宗のお坊さんである悟東あすかさんの本です。

彼女はお不動さんが家にあるのですが、関西のお不動様なので、関西弁で喋るんだそうです。「悩んだら聞いてみる」というのは確かにアリです。

神さま仏さまが教えてくれた 迷いをすっきり消す方法
 

 

 

師匠がいなくてもできるようになること。

タオ指圧の遠藤喨及先生の本に、「教室で先生と一緒にやっているときは、できるけれど、家に帰るとできなくなっていることがある」というような話がありました。

 

これは、講習をやっているとよく分かります。

 

場の雰囲気というか、講習会場で、先生が横にいると、渦状波でも反応が起こる。

 

しかし、家に帰って家人に試してみても、何も起こらない。

 

講習の場には、先生の力を借りることができる、磁場のようなものがあるようです。

 

これで勘違いして「もう自分はひとりで出来る。勉強に来なくてもいい」と、勉強を終える前に離脱して開業する人が、いたりします(1人2人ではない)。

当然ながら、勉強を止めたので、その後どうなっているかは知りません。

 

① 先生と一緒の場でやってみる(できる)

★ここで勘違いして勉強をやめることがある

② 家に帰ってやってみる(できない)

③ 先生と一緒の場でやってみる経験を積む(できる)

④ 家に帰ってやってみる、講習会場以外でやる(できるようになる)

 

思うに、できる人の側で学ぶというメリットはここにあるのではないでしょうか。

つまり「できる」という場の空気を身につけるのです。

失敗するのは、①と②の間辺り、つまり、本当は先生と一緒の場にいるからとか、ちょっと離れても先生の「力」の影響下にあるので、できる。

それを「自分はもう一人前になった」と、勘違いして勉強をやめて、開業しちゃう。

 

この場合、100の力を持っていたら、100を出さないとなりません。

 

東京操体フォーラム実行委員のO先生とH先生は、実は私よりも先輩です。そして国家資格ホルダーです(鍼灸と柔道整復と理学療法)。

21世紀に入る前から、操体法東京研究会操体を勉強していました。

そして、未だに三浦先生の個人レッスンも受けているし、実行委員勉強会にも来ているし、塾SOTAIにも来ています。

 

この辺りだと、500持っていて臨床で100出す、という感じです。

 

この、引きだしの「400」を何気にしまっておくのがプロです。

 

まあ、何でもそうですが「なってからのほうが大変」なのです。

 

先輩方は、師匠と「場」を共有することによって、自身のスキルをますます磨いているのではと思うのです。また、プロとして一番新しい操体の「風向き」を追いかけたいというのは当然かもしれません。

 

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般若身経(般若心経ではないことに注意)

長いこと「操体法東京研究会」でサブ講師をやっています。

先日は新しいタームになり、座学で三浦先生が操体の核心についてのお話をしたのですが、質疑応答タイムで、

「ハンニャシンキョウとは、お経の般若心経の心構えが入ったりしてるんですか」という質問がありました。

 

三浦先生から

「ハタケヤマ先生、説明して」と、いうオーダーがあったので、

操体法用語解説集を紹介しました。そこから引用します。

 

 

般若身経(般若心経ではないことに注意)
からだの使い方、動かし方の法則を、般若心経になぞらえたもの。(世界で1番短いお経は「延命十句観音経」です)
あらゆるエクササイズの基になるもの。
関西エリアでは健康体操、養生法として伝わっている事が多いが、操体法東京研究会及び東京操体フォーラム、一般社団法人日本操体指導者協会では、からだの使い方、動かし方の法則として応用している。
なお、これを習得することによって、ボディの歪みを正し、疲れにくく、運動効率が良く、フォームが美しく、身心の安定をはかることができる。
操体の指導者、実践者に長命者が多いのは、この実践によるものではないかと思われる。

なお、橋本敬三医師自身もその著書の中でバージョンアップを試みている。
現在は、三浦寛によってより効果的なバージョンアップが試みられている。

 

はい。ここでお詫びです。いままで「世界で一番短いお経って、般若心経だよね」と思っていたのですが、どうやら「延命十句観音経」が一番短いお経なんだそうです。

観世音。南無仏。与仏有因。与仏有縁。仏法僧縁。常楽我浄。朝念観世音。暮念観世音。念念従心起。念念不離心。

 

短いので、三回唱えます(私はそう習った)。

「延命」とつけたのは、臨済宗中興の祖、白隠禅師だそうです。

 

聞いたところによると、昔、関西地方でやっぱり

「お経の般若心経のこと?!」と勘違いした人がいて、色々あったので、関西地方では「般若身経」と言わずに「基本動作」のような言い方をするんだそうです。

 

今はどうか知りませんが、関西では「膝のちからをホッとゆるめる」ことが伝わらなかったため、膝の裏筋を伸ばして側屈をやったところ、股関節が悪い人からのクレーム等により重心の移動ではなく、側屈が「わき伸ばし」という体操に変わっています。
(今はどうなんでしょうかね)

 

また、三浦先生からは「僕が橋本先生のところにいた時、先生から聞いたのは、からだの使い方、動かし方のルールであって、健康体操ではなかった」というお話がありました。まあ、時間が経つにつれて、健康体操化したということも考えられますね。

 

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読書日記。「快・不快スイッチ」と「がんばるな」

操体の臨床、易占、カウンセリングなどで、色々な方からお話を聞くことがありますが、体調不良や、どこかの痛みについても、「息食動想」の「想」に何かあるなと思う事があります。

そんな時、久しぶりに大嶋信頼さんの新刊とちょっと前の本を読みました。

最近の書籍に共通して出てくるのは「快・不快スイッチ」の話です。

当然ながら、我々操体実践者はこれには注目します。

自己肯定感が低いとか、他人がどう思っているか気になるとか、多い悩みの下に隠れているのが「快・不快スイッチ」です。

 

これが、上手く働いていればいいのですが、というか、本来生命は「快」に従うはずなのに、何故か不快を選択してしまい、辛い思いをすることがあります。

 

これは「原始感覚」ですよ。

 

おさらいすると「原始感覚」というのは「快か不快かききわける力」のことです。

現代人はこの力が鈍っているので、自己責任でききわけることが苦手になっている傾向があります。「誰それがいいっていったから」「人気があるから」みたいな。

なのでからだを壊すこともあるのです。

 

本来は「快」に従うはずなのに、育ってきた環境(例えば親が緊張していて、家庭内にいつも緊張があるとか、ファミリー・シークレットがあるとか、または親が「いい人」すぎるとか)などによって、それができなくなっている。

 

そうすると、「いつもダメな方へ行ってしまう」というようなことが起こるメカニズムが書かれています。

 

「見ない、聞かない、反省しない」なんて、真面目な人からすれば、「なんて無責任な!」となるかもしれませんが、読んでみると「なるほどね」と納得するはずです。

 

親がいい人すぎると子どもが何もできなくなる問題、最近も、社会的に地位の高い方が引きこもりの息子を殺害するとか、社会的に地位の高い方の子どもが、警官を襲うとかのような事件が起きていますが、この「恒常性」ということを考えると、そういうことか、とナゾが解けてきます。

 

 

見ない、聞かない、反省しない―なぜかうまくいく人の秘密― (SIBAA BOOKS) (シバブックス)

見ない、聞かない、反省しない―なぜかうまくいく人の秘密― (SIBAA BOOKS) (シバブックス)

 

 

 

いつも「ダメなほうへいってしまう」クセを治す方法

いつも「ダメなほうへいってしまう」クセを治す方法

 

 

 

「ひとりで頑張る自分」を休ませる本

「ひとりで頑張る自分」を休ませる本

 

 私も昔「ひとりで頑張って」、からだを壊したことがあります。

別に「いい人でいなきゃ」とは思っていませんでしたが、抱え込んじゃったんだと思います。

抱え込むと「あ、ハタケヤマ先生がみんなやってくれるからいいや」ということで、抱え込んでストレスが溜まって、みたいな。最近は若手が色々手伝ってくれるので、本当に助かってます。

 

また、いきなり難しいオーダーをされても、イヤなら断ったほうがいいことも勉強しました。

 

これは、無理して受けても(別に感謝を求めているわけではありませんが)感謝されないし、乗り気じゃないので、結果はあまり良くないので、結局はあまりいいことはないんです。

 

さて、秋のフォーラムですが「頑張るな」とか、「想」の問題をテーマにしようと相談中です。

 

 

消したくても消せない嫉妬・劣等感を一瞬で消す方法

消したくても消せない嫉妬・劣等感を一瞬で消す方法

 

 この本は何度読んでも面白く、発見があります。

人間関係の悩みには「嫉妬」というものがあるようです。

 

嫉妬といっても、定義は「自分より下のものが、自分よりいいものを持っていたり、人から憐れみを受けたりすると感じるもの」のようなものです。

お金の貸し借りがこの典型で、

借りる方は「貸してくれるんだから、コイツは自分より下。でも自分よりお金を持っている→嫉妬。だから返さなくてもいいや」

貸す方は「自分が貸すんだからコイツは自分より下。でもコイツにお金を貸してるから、自分が使えない→嫉妬」

 

そして、分かったのですが、本当に嫉妬されてどうにかなっている人に「あなた、嫉妬されてるからだよ」というと、過敏に反応するんです。

「私なんかが嫉妬なんかされるわけがありません!」と怒るのです。

 

これは「私なんかが」と、自己肯定感が低いのに、心の中では「自分は何でもできる」という万能感を持っているので、卑屈になっているのに偉そう、という状態になり、

「こいつ、生意気(下のくせに妙に偉そうだ)」と、嫉妬が怒り、いじめにあうということです。

 

 

 

2019年夏季操体講座(お盆に操体@2019)詳細のご案内(1)

今年もお盆に集中講座を開催致します。

 

今回のテーマは「三日間で基本的な動診と操法をマスター&セルフケア」です。

また、リクエストの多い「頸椎周辺」のケアもご紹介予定です。

 

2019年

8月12日(月)山の日振替休日 操体の基礎  25,000円
8月13日(火)セルフケアと動診・操法(基礎)25,000円
8月14日(水)セルフケアと動診・操法(応用)25,000円

初めての受講の場合、初日は受講必須と致します。

 

今までに集中講座、ベーシック講習で基礎を受講している場合は、二日目からの

受講も可能です。再受講の場合は、12日・初日分を半額(12,500円)と致します。

場所:東京都世田谷区三軒茶屋1-30-9 三軒茶屋ターミナルビル34号

参加資格: 操体に興味がある方。日本語で受講可能な方。全くの初心者でも大丈夫です。

 

 操体に興味がある皆様へ

  • セルフケア、家族の方のケアができるようになります
  • からだの使い方、動かし方などの「操体の作法」を会得することができますので、普段の生活の維持増進に役立ちます
  • 操体の臨床家を目指す場合の、入門基礎講座として最適です 

 

専門家(臨床家、治療家など)の皆様へ

 

操体の基本と言えば、膝の左右傾倒や足関節の背屈などですが、見ていると、操者自身のからだの使い方、動かし方が上手く行っていない場合があります。
殆どは「やり方」を覚えて、操者のからだの使い方、動かし方までは関与していないからです。操体を習得するには、急がば回れ、まずはここからスタートするのがポイントです。

本を読んでもわからない、動画等をみてもわからないという原因を解明します(楽と快の違いなど)。操体を実際に行うには、単に実技を覚えるだけでは不足です。楽と快の違いや、関節のどこに手をかけるのか、どのように保持するのか、間の取り方など、実際の臨床を模して、動診から操法を習得することができます(介助法、補助法、言葉の誘導)。

 

 

協賛・協力

 操体法東京研究会一般社団法人日本操体指導者協会

  

講師 

 

三浦寛(人体構造運動力学研究所 所長、操体法東京研究会主宰)

畠山裕美(TEI-ZAN操体医科学研究所、一般社団法人日本操体指導者協会代表理事

 

 

お支払い方法 

銀行振込・クレジットカード決済(詳細はお申込時にお知らせ致します)

 

 お申込締め切り 8月7日(水)

 

 

お問い合わせ・お申込 TEI-ZAN操体医科学研究所 畠山裕美

 sotai@teizan.com   または 03-3675-8108

 

お申込フォームで「その他」を選択して、受講ご希望日をご記入下さい。

 

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頸椎問題。

操体では、頸椎の問題を頸椎に触れずに解決させます。

 

三浦先生と私が丁度居合わせた「サロン・ド・シマジ」で、頸椎捻挫で首にギプスを装着したシマジ先生に遭遇した時のことを思い出します。

あの時は、足に触れて首の痛みを解消したんでした。

 

が、椎骨動脈乖離などのような、重篤な場合は病院に行くのが先決です。

 

椎骨動脈解離には特徴的な症状があります。それは、首の後ろや左右どちらか(あるいは両方)の後頭部に突然激しい頭痛が起こり、数日間続くということです。この症状は血管が裂けていくときの痛みであると考えられています。椎骨動脈解離によって脳梗塞くも膜下出血を起こす前に頭痛を自覚される患者さんも多いです。このような症状があり、椎骨動脈解離が疑われる場合は、早めに脳の専門病院を受診し、脳血管を写す検査をして確定診断をしないといけません。専門病院では頭部CT、頭部MRI、MRA(MRIで脳血管を写す撮り方)や脳血管撮影(カテーテル検査)をして、血管の壁が裂けている場所や程度を確定し、早急な治療を開始する必要があります。
椎骨動脈解離を起こしてすぐに病院を受診することができ、血管の裂けている程度が軽度であれば、薬を使った治療で経過をみますが、場合によっては薬の治療に加えて、手術が必要になることがあります。

https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/vertebral_artery/#

社会福祉法人恩賜財団済生会のサイトより)

 

 

私は自分からテレビをつけることは殆どなく、誰かがつけたのをそのまま見るというパターンが多いのですが、昨日たまたま見ていたら、椎骨動脈解離についてやっていました。

動脈の壁は内側から内膜、中膜、外膜の三層構造をしています。このうち一番内側の内膜に傷がついて、そこから血管の壁の中に血液が入り込み、血管が裂けていく状態を動脈解離といいます。

 

ドラマ仕立てで、主人公47歳男性が、土曜にゴルフに行きます。

後の生ビールが美味しいので、水を飲まずにいます。
新しいアイアンを買ったので、思い切り振った時に首を痛めます。
ボールを飛ばして取りにいった時、木の枝に頭をぶつけます

翌日家に戻ってなんだか首から後頭部が痛いので、妻に肩と首を揉んで貰います。

月曜、朝、自宅で意識を失います。

 

というわけで、原因は新しいアイアンを買って振った際、勢い余って首を痛めた、ということらしいのです。

 

椎骨動脈解離とは、頸椎の近くにある大きな動脈が傷ついて、血液が溢れるようなことを言うようです。

 

この方は、首を捻った際に、椎骨動脈が起こったわけですが、カイロプラクティックのスラスト(今は禁止されています)などの事故によったりすることもあるようです。

 

アメリカのトップモデルが、カイロプラクティックが原因で急死した事件もあるそうです。記事を読んでみると、首をいじらないほうがいいのに、色々いじって、ということのようです。日本と違ってアメリカのカイロプラクターは、医師免許を持っています。

 

椎骨動脈解離も、元々は動脈硬化が原因なので、それ自体の予防も大切です。

 

しかし、ここで「ゴルフで体を捻るのは良くないのか??」と早とちりしてはいけません。

何故、首を捻ることになったのか、そこから考えればいいのです。

 

それを考えているのが、操体です。

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遂に渦状波(皮膚へのアプローチ。第三分析)の世界へ。

二年間、皆勤賞で、なおかつ足趾の操法®を修め、視診触診講座で視診触診と外気功基礎(臨床家の手を作る)もしっかり修めた二人の受講生が、今日、遂に「第三分析、渦状波」に、入りました。

 

おめでとう。

 

足趾の操法も、外気功も、視診触診も、そして介助補助法も、全てこれで繋がってきます。

 

因みに、お伝えしておきますが、大抵の方は「どこに触ればどこに効くのか知りたい」と言いますが、それはありません。

しかし「どこに触れればどこに効くと決まっているわけではないが、どこに触ってもいいわけではない」というのが答えです。

それを学ぶからです。

 

どのような手の形で触れるのかというのは本にも載っていますが、どこに触れれば良いのか、というのは、実際に学ぶしかないのです。

 

★本を読んでやっている、という人にやってもらったことがありますが、大抵は違っていました。そんな強くないとか、そんなに押さないとか、指が違うよとか。

 

大抵は、刺激になっています。

 

操体の勉強って、最初「何で介助補助の練習ばっかやってるんだろう」とか思うものなんです。

しかし、これが無意識にできるようになるくらいまでやりこむと、被験者がどんなに妙な動きをとっても、ついていくことができます。

そして、ある日、からだの使い方、動かし方、言葉の誘導、介助補助、皮膚の決め方など、バラバラだったものが一つに統合される時が来ます。

 

これは、かなり感動的な体験です。バラバラだったものが、何だかまとまってきて「そうだったのか!」と腑に落ちるのです。

 

操体の面白さは、そこからです。

 

私はそれを経験しているので、受講生の皆さんにも味わってもらいたいなと思っています。

 

そして、そのコツも最近わかってきました。

 

欲張らないことです。

 

操体を早く習得したいからといって、詰め込むとダウンします。
消化不良です。

からだも「操体的なからだ」になるには(まったくのビギナーだと)一年くらいかかります。一年くらい経って「あれ?できてる」という感じです。

早く上達したい!という気もちに、からだが着いていかないのです。

 

また、今回の二人は互いによく知っている仲でもあり、一緒に続ける仲間がいたのも大きな支えになったのでしょう。

 

なお、いままで20年近く三浦先生の講習を見ていますが、第二分析がしっかりできていないのに、皮膚(第三分析)を覚えて、そればっかりになり、動き系がダメで、というケースを結構見てきました。

 

つまり、渦状波が凄いので、ちょっと覚えると勉強をやめて、何だか自分のオリジナルメソッドをつくってみたり(中途半場な割に、三浦先生に習ったとか言っている)、破門になった面子は大抵「渦状波止まり」のような感じがします(破門になるには、それだけの理由があります。そして「渦状波」という言葉は登録商標なので、使えません。ので皮膚の歪みをとるとか、オリジナルの言葉を使っています)

 

つまり、操体法東京研究会で、ちゃんと修めて、一般社団法人日本操体指導者協会会員になって「渦状波」という言葉を使って良い、と認められた人が「渦状波」という言葉を使えます。

 

また「皮膚をひっぱる」とか「捻る」「絞る」「ずらす」とか言っているところがありますが、これは刺激です。渦状波(第三分析)は、接触です(刺激にならない)。

 

話は戻りますが、操体を勉強して渦状波(第三分析)、第四分析、第五分析を勉強しない、というのは、肉まんを食べていて、お肉を食べないようなものです。
上記の途中で止めて自己流にはしったというのは、肉汁が染みた皮をちょっとかじって、お肉を食べたと勘違いしているのです。


こういう話は昔からあるようで、古武術などでは、修行途中で「もう自分はできるからいいや」と、師匠のもとを勝手に去り、自己流でやると「体を壊す」ものがあるそうですが、操体も同じです。特に足趾などは。まあ、何でも先生から「いいよ」と許可を頂いてからということですね。

 

ここで改めて「守破離」の重要性を考えます。

 

守(先生の真似をする)所にいるのに、「離」にいきなり飛ぶのは、やはり無理があるののです。

「破」で、じっくり練ることが必要ですし、現場でこなすことも必要です。

 

さて、話は戻りますが、確かに皮膚へのアプローチが書いてある三浦先生の本は何冊かあります。

 

快からのメッセージ―哲学する操体

快からのメッセージ―哲学する操体

 

 

皮膚からのメッセージ―操体臨床の要妙part 2

皮膚からのメッセージ―操体臨床の要妙part 2

 

 

操体臨床への道しるべ―快適感覚に導く診断と操法

操体臨床への道しるべ―快適感覚に導く診断と操法

 

 一番新しい出版年が2010年ですから、10年前です。更に、本を書くには時間がかかるので、これらは、確かに皮膚へのアプローチ法が書いてありますし、間違いではありませんが、実際に三浦先生の横でみていると、もっともっと進化しています。

 

本というのは、出版した時には、著者の中では古い物になっているのです。
たまに気を利かせた受講生が「事前に本を読んで予習したほうがいいですか」と三浦先生に聞いていますが

 

「講習でやってることのほうが、先を行ってるから、読むのは後でもいい」ということになります。

 

まあ「万病を治せる妙療法」が、最新の操体だと思って臨床を受けたり、講習を受けたりすると、驚くと思います(実際驚く)。

 

特に、第五分析以降、皮膚へのアプローチ法にも新たなヒントが生まれています。

 

 

 

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背中を借りて擦診(さっしん)の練習。今日は三浦先生もパンダになっていただきました。