操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

「仏教文化」で操体法を紹介しました。

今日の午前中は、赤坂の豊川稲荷東京別院(圓福山妙嚴寺 曹洞宗)に行って来ました。

1月15日だからでしょうか。ご祈祷や参拝の人が普段よりかなり多かったように思います。

 

しか~し、なんでお寺なのに柏手を打つ人が多いのでしょう(笑)。

 

東京国際仏教塾、という超宗派の団体があります。

tibs.jp

私(畠山裕美@TEI-ZAN操体医科学研究所)は30期生です。

ちなみに、このブログを読んで、東京国際仏教塾に入塾した操体関係の方もいらっしゃったりします。

私の仏教好きは、操体に出会う前からなので、筋金入り?ですが。どちらかというと、教義の勉強よりも実際に体験してみたいという気持ちがありました。

例えば「無」とか「空」が何か、という質問をするよりも、まずは掃除、坐る、食事の作法など、体験してみたかったのです。

 

専門課程では、曹洞宗を専攻しました。

裕月芳鏡、というのは、私の戒名です。仏教塾の曹洞宗専門課程の同期の皆さんからは「芳鏡さん」と呼ばれることもあります。

 

そして、曹洞宗は「お作法」がありますが、この辺りはかなり操体っぽいと思います。私のお師僧、中野東禅先生によると「曹洞宗のお坊さんは、歩く時に体が揺れない」とか言われるのだそうです。

 

それはさておき、仏教塾の情報誌「仏教文化」というのがありまして、今回、そちらの

「卒業生は今!!」というコーナーに寄稿しました。

マドリッドでのセミナーの話を書きました。

今年こそ、行けるといいなと思っています。

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仏教文化

 

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マドリッドでのセミナー(畠山左、右は三浦寛先生)

仏教と共にある生活。 30期(曹洞宗専門課程)畠山裕美

(裕月芳鏡)

曹洞宗専門課程の卒業試験は「般若心経」の読経でした。その練習のために、毎日お経をあげていたのが習慣になり、今でも毎朝、お経をあげています。

私は、フリーランスの自営業です。本業は「操体法」という手技療法の講習を専門家(鍼灸師柔道整復師など)向けに開催、一般の方への施術、また、操体法の専門家のために設立した、一般社団法人日本操体指導者協会(非営利団体)の代表理事をつとめております。

操体法、というのは日本の医師が創案した手技療法の一つですが、私はその創始者の孫弟子にあたります。2010年から、直弟子である師匠と共に、スペインのマドリッドからの招聘を受け、ヨーロッパの治療家向けに操体法セミナーを開催させて頂いています。

2020年も11月に開催予定でしたが、コロナ禍で延期となり、2021年は開催できるかと、楽しみにしていたのですが、こちらもやむなく延期となりました。2022年は渡西できるように心から願っています。

在家得度後は、曹洞宗専門課程の修業のお手伝いや、中野東禅先生を囲む「東禅会」の幹事もさせて頂いております。

 

また、豊川稲荷東京別院(圓福山妙嚴寺 曹洞宗)の、大般若講に講員として参加、読誦会にも参加していますが、昨年からコロナ禍でお休みになっており、再開が待たれます。

 

手首と肘の痛みと操体。

こんにちは。畠山@TEI-ZAN操体医科学研究所です。

 

早いもので、一月もそろそろ中旬です。


花粉症的なクシャミが出ることもあります。

 

タイトルの「手首の痛みと操体」ですが、橋本敬三先生の本の中で「中西太選手の手首」に関する記事が紹介されています。 『生体の歪みを正す』199ページ

 

その昔、中西さんという野球選手がいて、手首が不調になり、色々な治療を受けてもダメだったのが、接骨医が脱臼を調整したら、コキンと音がして。。という話です。

○大病院の医者は、脱臼だということが分からなかったのです。

 

いわゆる「テニス肘」というのがあります。

テニス肘の他にも手首や親指の付け根が痛むことがあります。

 

そんな時、操体ではどうするか?

 

まず、全身形態を観察するのは当然ですが、運動分析も行います。

私の場合、日常動作のチェックがメインです。

 

ちなみに、手の骨を考えると、肩から肘までは、一本の太い骨。

肘から下は、親指側が橈骨(とうこつ)、小指側が尺骨(しゃっこつ)の二本に分かれており、そこから手首の手根骨(たくさんありますが、まとめて手根骨、と言います)につながり、指の骨、とつながっていきます。

 

面白いのは、足の骨も、大腿部の骨は一本ですが、膝から下は、脛骨と腓骨と、二本に分かれていて、足首の骨につながります。

 

手首が痛いとか、肘が痛いという場合、どこかにぶつけたとか転んだりとか、外的なものでない場合、疑うのは「日常生活におけるからだの使い方の間違い」です。

 

手首が痛いとか、親指の付け根が痛いという場合(美容師さんで、腱鞘炎という場合も同じ)、ほぼ100パーセント「親指」を使いすぎているのです。

 

簡単に言うと、

本来人間の手は、親指側よりも、小指側を使うのが自然なのです。

しかし、何らかの状況で、親指や、親指側に負担をかけ続けると、少しずつ故障が起こってきます。これが続くと、親指の付け根が痛んだり、肘から下の橈骨と尺骨の位置にねじれが起こるので、最終的には肘が痛むのです。

 

テニス肘の人に聞いてみると、ラケットをついつい親指側で持っていたということが殆どです。

 

その辺り、全身形態を調整し「こんな動きはちょっと控えてくださいね」と、気をつける動作を覚えていただけば、大抵は改善します。

★これが「自分でできる」という範囲にあたります。

大抵は「日常動作の修正」なので、大丈夫です。

★むしろ最初は「自分でできる操体法を教えてほしい」と指導しても、間違ったやり方をしていることが多々あるので「日常動作の修正」から行きます。

 

なお、この場合、大切なのは「二度目三度目のチェック」です。

 

この前も「こうやってね」というレクチャーの1ヶ月後「手首が痛い」とおっしゃる方がいたので、再度レクチャーを確認してみたら、あらら、逆のことをなさっていた!ということがありました。

 

逆のことをやっていたので、橈骨と尺骨がいつもねじれているような感じがあったそうです。

 

チェックしてよかった。。

 

なお、操体の場合、いきなり手首に触って矯正したりはしません。

遠くからアプローチします。

 

そして、遠方から(例えば足とか)アプローチしていると、突然上の方から「コキン」という音がして

「あれ?入りました?」

「入りました!」

 

みたいなこともあります。

 

手首がヘン、親指の付け根が痛む、肘の調子がおかしい、肩も?という場合、よく「老化」とか言われることもありますが、まずは、日常動作を確認することが大事です。

 

逆に言えば、日常動作が赤点だった場合、それを修正しないと、また同じことを繰り返すということになります。

 

操体操体法は、1998年から操体専門の、TEI-ZAN操体医科学研究所へどうぞ。

師匠(操体歴50数年)には及びませんが、操体は1994年から学んでいます。

www.teizan.com

 

操体の知識と実技。操体法東京研究会講習

こんにちは。

畠山@TEI-ZAN です。

 

25年以上前のことですが、誰かから

『「どれくらいで食えるようになりますか?」と聞くヤツはまずコケる』という話を聞きました。

 

操体を勉強して、どれくらいで食えるようになりますか」

という質問と同じです。

 

あと「治療家あるある」を一つ。最近はあんまりないですが、20年くらい前は、施術に来た人が、施術室の中を舐めるように見回して(間取りチェック?)「ここは何平米くらいありますか」とか「家賃はどれくらいですか」と聞いてくることがありました。

 

まあ、こういう場合、適当にいなしますが、そのうち

 

「1日に、患者さんはどれくらい来るんですか?」

「1ヶ月にどれくらい稼げますか」と聞いてきたりします(笑)。

 

そうです。同業者か、同業者になりたい人のリサーチです(笑)。

 

ちなみに、そういうことを聞かれても、本当のことは答えません(当然)。

 

私の場合、最初に正体を明かして「これから開業したいんですが」と、ちゃんと正直に言ってくれれば、アドバイスしますよ。

 

さてさてさて。

 

操体の臨床をやるには、「実技」と「知識」が必要です。

 

知識:操体を一通り習い、知識を得た

実技:実際にクライアント、患者様に臨床を行うこと

 

占いもそうです。

 

知識:占いの学校で占いを5種類ならって知識を得た

実技:実際にお客さんを占うこと

 

この二つが揃って、はじめて占いが成立します。

 

よくある勘違いが「操体を習えば、できるようになる(臨床ができる)」という思いこみです。

 

私の周りにも、1年とか2年講習を受けただけで、いきなり開業して、やっぱり廃業という人が何人もいます。

 

ほぼ「治療業界のヒト」ではなく「脱サラ」組です。

こういう人達は左脳で「1年勉強して2年目に開業」とか、プランを立てているのだと思いますが、そこには「実技」(とか、丁稚奉公の時間)は入っていないのです。

 

 

しかし、アタマがいいので、マーケティングなどには長けており、ホームページなどは、魅力的に作ってあります(誇大広告っぽいです)。SEOなんかも勉強していて、検索すると上位に来るような仕組みも構築しています。

 

★★操体に関しては「誰に操体を習ったか」と書いていない人は、要注意です。

いや「書けない」と言ったほうがいいかもしれませんね。

破門されたり、出奔したり、途中でばっくれたりすると、書けないのです。

 

ああ、すいません、実感を込めて言っちゃったよ。

 

操体法は、創始者がはっきりしていますし、臨床家は、ほぼ「操体法東京研究会」に源を発しています。三代遡れば、出所がわかるからです。

 

 

は、鍼灸院や接骨院などの、国家資格系の治療院は、広告宣伝について、法律で厳しい決まりがあります(誇大広告しちゃいけないんです)。

 

なので、治療院系に関しては「超魅力的なサイト」が「本当にそんなにすごいテクニックを持った先生がいるのか」「マーケが上手いだけなのか」を、見極める必要があるんです。

 

★ちなみに、武術系を習っていて「1年で有段者になって道場を開いて弟子を取りたい」とか言ったら「へ?」って言われますよね。。

そして「1年?」って言われて、先輩にボコボコにされるでしょう。。

 

 

実際、鍼灸師柔道整復師は、国家試験を受けるまで、3年とか専門的に勉強しているわけです。その後、また操体を学んだりしているのですから、勉強している期間が全く違うのと、在学中に接骨院でアルバイトとかもしているので、実技を磨いている上に、独立開業の大変さも知っているのです。

(私は国家資格ホルダーではないですが、操体の勉強をはじめてから開業に至るまで、4年かけました)

 

よくある、短期間で、操法だけを教えて、それで終わり、というプログラムで、操体の臨床が身につかないのと同じです。

 

また、ある易の本を読んでいたら「友人知人を無料で占っても、甘えや馴れがあり、厳しい判断ができない」とありますが、操体や手技療法も全く同じです。

 

「家族で練習している」というのは、互いの甘えや馴れがあるのです。

 

さて、実技を学ぶには、どうすればいいんでしょうか。

 

それは、師匠の臨床を見せてもらったり、症例集を読んだりすることなんです。

 

師匠の臨床を見せてもらう、というのは、ものすごく勉強になります。
(見せていただけるくらいの弟子になる必要があります。信頼関係がないと、見せてもらえません)

 

そして、臨床を見せてもらったりすることは「操体の講習」とは全く別の次元の勉強になるんです。

 

何を習うか、何を得るかというと「人との関わり方、からだのとの関わり方」です。

あ、こんなとき、師匠ならこうやってかわすのか、とか、そういうことを習うのです。

 

これは「定例講習」では習えません。

 

三浦先生は、橋本敬三先生の元で5年間、丁稚奉公をしたそうですが、その間に、橋本先生の患者さんのあしらい方や、関わり方を受けとったのです。

 

私自身も、三浦先生から患者様への関わり方を教わりました。

 

そういう「実技」を軽視して「2年講習を受けてテクニックを身につけたからいいや」という感じ(つまり、実技不足)で、突貫開業とかすると、危ないんです。

 

例えば「渦状波」。

あれは、不思議な仕組みがあります。

講習会場では、できた。すごい効果があった。

しかし、自分の家でやってみてもできなかった。できてもまぐれだった。

私はこの仕組みを知っているのですが、実際にあることなんです。

 

ちなみに、先日の「東京操体フォーラム実行委員勉強会」で、

「私達って、しつこいよね~(笑)」という話になりました。

今いる固定メンバーは、ほぼ変わりません。

つまり、しつこいのです。

半蔵さんや岡村先生なんて、20世紀の終わりから参加してるんですよ。

で、未だに勉強を続けている。

私もかなりしつこい部類に入ります(笑)。

 

たった1年2年3年くらいで「もうマスターした」っていうつもりになるのは、本当に勿体ない。

 

講習が終わった後も「塾SOTAI」という勉強プログラムがありますが、これでブラッシュアップできます。

 

今年は、操体法東京研究会の定例講習の新プログラムが開始されるそうですよ。

 

決まり次第、お知らせします。

 

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新年のご挨拶

あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願い申し上げます。

年末年始は、大抵「ぎっくりやりました~!」という連絡があったりするのですが、今年はそのような緊急事態もなく(って、お正月は今日からですね)、年を越しました。

 

明日2日から操体法東京研究会の定例講習が始まります。
実技指導を見ていると「やっぱり実技は面白い」と感じます。

 

また、今年は、症例を文章化して、データとしてしっかり残そうと考えています。

操体は、症状疾患にはとらわれないというのが特徴ですが、データとして残すことは、必要ではないかと考えています。

 

私の場合、初心に戻ってではないですが、その人の普段の生活の中でのからだの使い方、動かし方、心の方向性を見ることによって、糸口をつかむことが増えているようです。これも記録する予定です。

 

晦日(昨日)、赤坂の豊川稲荷(ここは曹洞宗のお寺です)に寄って、一年の挨拶をしてきましたが、今日の午前中に、初詣(松の内にまたゆっくり行きます)と、吉祥札を頂きに行ってきました。

 

柏手を打つ人もいますが(繰り返しますが、ここはお寺です。柏手打つのは神社ね)、まあ、それはいいとして、少し並んだだけで、本殿参拝ができて、奥の院(こちらに、荼枳尼天さんの美しいお姿が飾ってあります)は空いていました。

 

今年が皆様にとって実りある年でありますように。

 

TEI-ZAN操体医科学研究所 畠山裕美

 

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境内にお正月限定で登場する、巨大な吉祥札。

 

 

 

 

 

 

操体のセルフケアを学ぶ。施術+ベーシック講習

長らく「プロ向け」の「ミドル講習」をストップしていました。

その理由はいろいろあるのですが、そろそろ「D1”」(ディーワンダッシュ)に特化したものを再開しようと考えています。

 

例えば、操体法で有名なアレとアレとアレを、完璧にできるように、みたいな感じです。操体で結構ぶつかるのが「言葉の壁」ですが、それもクリアできそうです。

 

今、鋭意企画中なので、しばしお待ちくださいね。

 

それまでは「施術+ベーシック講習」です。

一般の方のセルフケアは、それなりに。

プロの方には、それなりに。

なるべくご希望に沿って、操体操体法の全体像を見て頂き、生活や健康維持増進、プロの方は、施術や治療の現場で、自分が体を壊さないように。という感じでやっています。

 

これを受けてから「操体法東京研究会」の講習を受けたという方は、数多くいらっしゃいます。参加する前に、いろいろ質問を持ってくる方もいらっしゃいます。

 

施術+ベーシック講習(日曜開催追加) | %blog

 

www.teizan.com

 

例えば渦状波(皮膚へのアプローチ@第三分析)、第四分析(息診息法)、第五分析は、三浦寛先生の「操体法東京研究会」で勉強していただくことになります。

こちらは、短期ではなく、長期的な講習になります。

(来春、新しい講座が開講予定です。追ってお知らせします)

 

実際に操体の勉強をしていて思うのですが、

操体の学びは、例えば柔道とか合気道を習うのと似ています。

 

一日の講習(ベーシック講習)では、操体に関する基礎知識や、歴史、からだの使い方、動かし方の基礎(セルフケア)は指導できますが、

一日で柔道ができるようになるとか、一日で合気道ができるようになるなんていうことは、ありません。

 

確かに、ある程度別のモノを極めた方は、習得が早いのは事実です(まあ、そういう方は、既に一派築いてますね)。

 

20年位前は「操体を受けたら自分でも教えられるようになるのか」(ないない)とか「

ベーシック講習を受けたら、操体の治療家になれるのか」(ないない)という人がいましたが、さすがに最近は殆どいません(ブログにも書いてるし・・)

 

というわけで、D1’ミドル講習復活リニューアルについては、もう少しお待ちくださいね。

側湾症についての考察。

こんにちは。畠山です。

不思議なことに、同じような悩みをお持ちの方が続けていらっしゃることがあります。

 

例えば11月は「ぎっくり腰」月間だったとか。

10月は「膝問題」月間だったとか。

 

季節や星回りも関係あるのかもしれません。

 

さて、ここ最近多いのが「大人の側湾症」です。


変形性股関節症は、「何らかの原因で軟骨がいたみ、すり減ってしまう」ことから起こります。

これは女性に多いものです。「軟骨がいたみ、すり減る」ことによって起こるのはわかりますが、なぜ軟骨が痛み、すり減るのか?ということについては

「加齢」とか「原因不明」ということになっています。


側湾症も、女性に多いことが知られています。思春期に発症することはよく知られていますが、大人になってから発症することもあるようです。

 

1.機能性側弯(一時的な側弯状態)原因は様々。

2.構築性側弯(脊椎の回旋を伴った側弯)簡単には戻らない

(1)特発性側弯症 
   原因がわからない側湾症。側弯症のうち8割以上を占める
(2)原因である病気がわかっている側弯症

 

我々が遭遇するのは、(1)の原因不明の特発性でしょう。


特発性は、女性(女子)に多いことがわかっています。


側湾という診断が下っても、日常生活には影響がない場合は、手術には至りません。経過を見るということになります。

 

こういう時に「操体でどうにかなるかも?」ということになるのでしょう。

 

最近はいませんが、昔は「側湾症が1回で解消するんですか」とか「O脚が1回で解消するんですか」という、超過剰な期待をしていらっしゃる方もいました(うちはそんなことは、サイトには書いてません。念のため)。

 

昔は「1度で治る」とか「一発で治る」的な誇大広告っぽいのも多かったからでしょうか。

 

操体も「ヘンな使い方(動き)をしてぶっ壊したのだから、動きで治す」という考え方が通った時代です。

その後、世の中が急に変わったので、そこに「メンタルストレス」「想」の問題が加わってきました。

 

しかし、いずれにせよ、O脚も側湾も、操体を1回受けただけで、改善する、なんてことは、ありません。一瞬でO脚になったとか、一瞬で側湾になり、原因がわかっているのならば、あるかもしれませんが(ないない)。

 

そういうのもあるかもしれませんが、大抵は「他力的暴力的」なものとか、手術になるでしょう。

 

操体操体法は「息食動想+環境」から、昔から「想」の重要性には注目してきました。

「姿勢」「心」がつながっていることは明白です。

 

ここ最近お会いした、側湾症だというクライアントの皆様には、ある共通点がありました。

 

1つは、緊張度が強いところと、力がない(虚実で言えば虚)ところが混在するという印象です。打たれ強すぎて曲がってしまった、柳のような印象です。

本来はしなやかで、嵐にも耐えられる柳ですが、その柳でさえ曲がってしまうような、外的な圧力です。

 

それをまず、解除したい。

そのためには、深いリラックスと、意識が飛ぶ(左脳飛ばし)くらいの、きもちのよさを味わっていただく。そして、全体の調整にうつります。

 

★私はいきなり、動診操法に移るのではなく、最初によく緩んでいただき、その後の操法がからだに「よくとおる」ような準備をします。

この準備だけでも、数回かかる場合もあります。

 

ガチガチに緊張が残っていたり、筋肉に「感情」が残っていたりすると、操法がとおりにくいからです。

また「素直なからだ」には、操法がよくとおります。

別に「素直じゃないからだ」が悪いわけではありません。それにはそれなりの理由があるんです。が、「素直なからだ」のほうがとおるので、そちらに誘導していきます。

これは「操体臨床の前の下地作り」と言ってもいいでしょう。

実はこれが大事なんです。

 

もうひとつ。

それは「長いこと、からだの使い方、動かし方の自然法則を間違えていた」ということ。

 

これはかなり重要なポイントですが、自然法則に適った、からだの使い方、動かし方をやってもらえばいいので、そんなに難しいことはありません。

 

最近は「よりシンプル」になっています。

 

そして、何か問題があれば(息職動想+環境)それを伺う。

私は易者でもあり、カウンセラーでもありますので、中には「話したらすっきりした」とか「共感してもらって、気持ちが軽くなった」ということも多々あります。

これは操体の「想」の応用です。

 

 

側湾症についての考察と書きましたが、操体の臨床はだいたいこんなふうにすすめていきます。

 

操体法の施術と、セルフケアの講習が1度に受けられます。
操体の施術+ベーシック講習 操体の基礎、セルフメンテナンス 

www.teizan.com