操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

12月17日:操体法臨床講座

新しいカテゴリを作ってみた。今のところ関係している操体法関係の講習は、私の開催している分も含めて、5つか6つ程ある。その中で、気がついたこと、講習内容を覚え書きとして残しておこうと思う。特講に参加された経験のある方、臨床講座に参加されたことのある方、TEI-ZANでの講習に参加されたことのある方は、もし、受講した後に、時間的な穴があいてしまった方にとっては参考になると思う。



特に操体法臨床講座(毎週土曜、9ヶ月36回、約200時間)は、四年目に突入するが、弟一期、第二期、第三期と、内容がますます進化している。例えば言葉の誘導にせよ、三年前に比べると格段と洗練されてきたように思える。

(勿論、私の講習でも、それは反映しているつもりだし、常に新しい情報は提供している心構えでいる)



12月17日(土)は、手関節、足関節の連動と、介助抵抗のかけ方を一通り終えてから、仰臥位膝二分の一屈曲位では必ずといっていい程行われる『膝の左右傾倒』の動診と操法を中心に進められた。



基本的なポジショニング、介助の与え方、操者の重心移動の仕方、

その他膝の左右傾倒のバリエーションなど。



以前から多少気になっていたこと:



言葉の誘導があやふやになっているのが目につく。



以下細かい点だが、参考にして欲しい。



動きを中心にした操法と、皮膚に問いかける操法の言葉の誘導が

混乱しているようだ。



★動きの中に快適感覚を問いかける場合は、

『きもちのよさがききわけられますか?』

『きもちのよさがありますか?』

のように、問いかけるのがベストだが、



『どんな感じですか』

と、問いかけるのは、皮膚に問いかける場合である。

動きの操法で「どんな感じですか?」と、問いかけられると、

被験者は「???」返答に困ってしまうのではないか。

そのような問いかけ方をすると

『もう少しできもちよさが出そうです』とか、アタマで考えた

答えが返ってくることになる。



皮膚に問いかける場合には

『どんな感じですか』と、聞いてもいい。

また、皮膚に問いかける場合には

『何か感覚がついてきたら教えて下さい』という誘導も可。



しかし、動き(動診)の場合に

『きもちよさがついてきたら教えて下さい』というのはベストではない。動き(動診)の場合には、動きの中で感覚のききわけをおこなっているわけだから、

『きもちのよさがありますか?』

『きもちのよさがききわけられますか?』と、

問いかけるべきである。



細かいことかもしれないが

「言葉で統制する」、これは非常に大切なことだ。