操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

操体法と呼吸。

林住期 (幻冬舎文庫)

林住期 (幻冬舎文庫)


息の発見

息の発見


五木寛之さんと玄侑宗久(げんゆうそうきゅう)さん@臨済宗のお坊さんで芥川賞作家の対談を纏めたもの。字が大きくて読みやすい。操体でも『息食動想』は自律可能(最小限責任生活)な営みとして大切にしている。そもそも呼吸というのは皆無意識のうちにやっている割にはあまり知らない。ここで、五木さんは生まれた時に息を吐いて、死ぬときは息を吸って逝く、という認識があり、玄侑さんはその逆ではないかと言っている(詳細は本書を読まれたし)。

橋本敬三先生の時代は『呼気と共に瞬間急速脱力する』だったが、何故こうなったかというと、瞬間脱力させるのが難しかったからだそうだ。どうやったら全身の力を抜かせることができるか、そのために『腰から抜け』とか『呼吸と共に抜け』となったのだそうだ。
それから、橋本先生が85歳の頃には『呼吸は自然呼吸でいい』(呼吸に意識をおきすぎると、感覚のききわけがしにくくなるから)となっている。

今現在、東京操体フォーラム操体法東京研究会では、呼吸に関しても研究・研鑽しているが、ここではまだ詳細を書くことはできない。そのうち師匠が書籍で発表するだろうし、フォーラムで発表するかもしれない。

五木さんのもう一冊は『林住期』。最近は男性も『更年期』という言葉をつかうが、『更年期』とか『閉経期』という言葉を使わずに『林住期』と言えばいいのに、と書いている。なるほど。
また、『林住期』になったら何か利益を得ることを考えずに何かを学ぶとか、旅に出るとか、リセットも進めている。そのために、50代、40代の頃からソフトランディングすることも勧めている。
今の60歳と言えば、まだまだ現役だ。戦後すぐの日本人の平均寿命は50歳に満たない(戦没者も含まれているのでこういう数字なのだろう)。しかし、今はそうではない。50歳、60歳からが本当の人生の楽しみという時代が来るかもしれない。
『死』は、決して前からは現れない。自分がまるで不老不死でもあるかのように、からだを酷使し使い続けているうちに、後ろから『時間ですよ』と肩を叩くのだという。そのためにも準備が必要なのかもしれない。と言っても
その時が来たら焦るのだろうが。

吉永小百合さんがテレビに出ていた。1945年生まれだから、63歳である。お若い。以前から『お肌にはちょっと問題があり、ハイビジョンに堪えうるか』という話は聞いていたが、テレビで見る分には全く以て若いしキレイである。やはり何か秘訣があるのだろうが。