操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

操体で花粉症は治るか?

3月27日から「足趾の操法集中講座」が始まります。



小松広明君が「東京操体フォーラム実行委員ブログ」で足趾の操法集中講座を紹介してくれました。彼は「足趾の操法集中講座」の第1回生なのです。



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春が近づくのは嬉しいが、花粉症に悩まされるという方も多い。毎年聞かれるのでまた今年も書くが、『操体は花粉症に効くのでしょうか』という問いに対する答えだ。そもそも操体は、ボディの歪みを正し(快適感覚をききわけ、味わうことによってボディの歪みが整っていく)、その二次的効果として様々な症状疾患がよくなっていくという考え方である。なので、「花粉症に効く操体」とか「アレルギーに効く操体」というのはない。



1.第1分析(楽か辛いかの二者択一の比較対照分析で、楽な方に動かして瞬間急速脱力をとらせる。動きは意識的である

2.第2分析(末端関節からからだの中心腰、首、全身と、一つ一つの動きに快適感覚をききわけ、ききわけられたらそれを味わう)

3.第3分析(皮膚への刺激にならない接触によって、感覚をききわける。無意識に関与する場合が多い)

★なお、第1分析と第2分析の区別がついていない、動診(診断)と操法(治療)の区別がついていない、「楽」と「快」の区別がついていない場合には、

「楽な方に気持ちよく」という曖昧な表現をとったり、「きもちよさをさがして動いて」(最初から)「きもちよくうごいて」という指導をしがちである。

★操者が最初から「きもちよさを探して」とか「きもちよく動いて」という指導をする場合、その指導者は『第1分析と第2分析の違い』と『動診と操法の違い』と『楽と快の違い』が分かっていないのだ。



ボディの歪みが解消されて、なおかつ本人も「息食動想」のバランスに気を遣っていくうちに、薄紙がはがれていくように気がついたら花粉症が気にならなくなっていた!というのが操体の治り方ではないだろうか。



★勿論、奥の手はある(にやり)



「息食動想」で思い出したが、いくら操体をこまめに受けても食事に気を配っていないとか、怒りっぽいとか(怒りは免疫力を低下させる)、慢性疲労の状態にあるとか、そういう場合は治りが遅いこともある。

息食動想はお互いに「同時相関相補連動性」で繋がっており、なおかつこの4つは自律可能(自己責任)な営みなのだから「動」の部分だけ治しても、食がヘンだったり、息がヘンだったり、「想」がヘンだったりすると、治りにくいのだ。



足の痛みを訴えているのに、『ジムでエアロビクスをやってもいいですか』と聞かれた。この方が試合に出なければならない選手であれば、それなりの策を練ったかもしれない。私はあまり無理しないようにと伝えた。おそらくやめておけと言ってもやるだろうと思ったのである。案の定、その人は「なかなか良くならない」と訴えてきたが、いくら全身形態を調整しても、無理無理エアロビクスをやっているのだから、それは当たり前なのだ。



橋本先生は、『取る取らないはテメェの勝手』と書かれている。いくら素晴らしい真実が書いてあっても、それは『取る取らないはテメェの勝手』なのである。