操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

右脳左脳。

 よく知られているように、右脳は感覚的、左脳は理性的だと言われている。
以前、ハーマンモデルの調査(ハーマン脳優勢度調査)を受けたことがあるのだが、これは「利き手」があるように、脳にも「利き分野」があることから、自分のどんな脳の特質が優勢なのか調べることができる。

これは、ある新規事業開発プロジェクトのメンバー内で行われた。私は部外者だったのだが、そのプロジェクトにご縁があり、受ける機会に恵まれたのである。

メンバーは、殆どが理系の男性ばかり。「左脳優勢」みたいな感じのばかりだった。中には最初から『ハーマン脳優勢度調査なんてくだらない』という人もいた。
(成金は占いをバカにするが、大富豪は占いを活用する、という言葉を思い出す)

まあ、この方は全く関係ない第三者から見ても「論理的」「規則に従っていればよい」「自分以外はみんなバカ」「おバカさんは自分がコントロールすることで救う」という感じである。T大の理系出身だそうだが、後で「自分以外のおバカさんは自分がコントロールすることで救済する」というのが余りに顕著なので、女性社員からは「某宗教の元教祖で死刑囚そっくり」と言われていたらしい(体型とか髭とかが事件当時と似ていたらしい)。
私の周囲には余りいないタイプなので「へえ〜」と思ったものである。この方はとにかく最初からこの「優勢度調査」をバカにしていた。何故覚えているかというと、それだけ「バカにしている」という表現が顕著だったからだ(笑)。
何もそこまでバカにすることないじゃん、みたいな。

UFOはいないとか、超常現象の話をすると怒るヒトがいるが、あれは未知のものに対する恐怖からくるのだ。その方は、ハーマン脳優勢度調査で、自分のアタマが丸裸になるのが怖かったのかもしれない。また、他者をコントロールしたがるのは、裏を返せば相手に対する潜在的な恐怖でもある。

「ハーマンモデル」は、プロジェクトのメンバーの「利き脳」を調べ、プロジェクトの運営に活用するものだ。左脳人ばかりでは困るし、右脳優勢ばかりでも困る。ある程度メンバーの特性は重複しないほうがいいのだ。

左脳半球は、Aエリア、論理的、分析的、事実重視、数量的
辺縁系左半分はBエリア、統計だった、順序だった、計画的
辺縁系の右半分はCエリア、対人的、感じに基づく、運動感覚性の、感情的
右大脳半球はDエリア、全体的、直感的、統合的、合成的
というように4つに分けられる。

この中で「どこが優勢なのか」を調べるのである。

私は最初、割と理性的だし(笑)統計だっているよなと思っていたのだが、思い切りCエリアが優勢で、その次がDエリアが優勢だった。典型的な直感感覚優勢型である。

プロジェクトのリーダーに適しているのは、この4つのエリアの優勢度のバランスがとれている人だ。なるほどね。

五感でも、視覚優勢、嗅覚優勢、触覚優勢、聴覚優勢、味覚優勢など、よくよく考えると、自分の得意な感覚分野がある。そのあたりもなかなか面白いのである。

私の知人で、子供の頃から数学が得意という人がいる。何だか数学だけは得意なのだそうだ。視覚的イメージに数字があらわれ、計算などは空中に電卓の如く数字が浮かぶのだそうだ。

私達が見ているものは、人それぞれの世界であり、自分の「焦点」があったもの、あった情報を常に拡大しながら見ている。かなりゆがんでいるといってももいだろう。