今でも思い出す。
都内某所で現在開業しているようだが、
昔私の講習を受け、師匠の講習を受けたが
今はご縁のない輩がいる。
彼に昔「操体を一言で説明せよ」と聞いたところ
『自分で動く』という答えが返ってきた。
今でも同じように答えていないことを祈る(笑)
自分で動くのだったら、誰でもできる。
それなら、世の中の人が全員操体をやっていてもいいはずだ。
『自分でできる』というのは、
本人にしかわからない感覚をききわけ、味わうこと
なのである。
感覚は本人にしかわからない。
感覚をききわけることが「診断・分析」であり
きもちよさを味わうことが「治療・操法」となる。
また、我々プロがいるのは
自分で治せるレベル以下になっている人を
そのレベルまで持っていく、
大抵は皆「自分の動き」や「エゴ」で動いてしまうので
まずはそのコツを体験していただくことが必要なのである。
あと、太極拳を考えて欲しい。
アレも勿論自分でやるが、
自分でやるにはまず覚えなければならない。
本を見ながらマスターというのは、なかなか難しい。
先日お電話をいただいた。
声からして60代くらいの女性である。
「整形外科にかかっているのですが、
整形の先生から操体を紹介され、自分でできると聞いたので
本を紹介して欲しい」とのことだった。
う~ん。
整形の先生が操体を紹介するだろうか?
そこが謎である。
整体の間違いではないか?
整体か接骨院?だか分からないが
そこに腰痛で通っていたが良くならず、そこの先生に
「操体は自分でできるから」と紹介されたのだろうか?
つまり、お手上げということか。
「本もありますが、見ただけでは分かりにくいですし、
都内なら操体の専門家もいますし、一度指導を受けてから
なさったらどうでしょう」
と、言ってみた。
すると
「時間がないので、本を見てやりたい」とのことだった。
私の所には「本を見てもよくわかりません」という方が
多数訪れる。
本当は、自力自療が可能なレベルまで専門家が診て
それからセルフケアというのが一番近道なのだ。
★殆どの方は
力みすぎ
早すぎ
感覚を無視して単純に動いているだけ
ということが多い。
これでは、悪くすることもある。
時間がないからといって、本を読んで済まそうというのは
ちょっと安易である。
なぜなら、整形だか整体の先生がお手上げの症状なのだから
さらに、そのご婦人に息診をとおしてみると
腰の他に、気が上がっており、不眠やのぼせなどもあることが
わかった。私の話は耳に入っておらず
「自分でできる」という都合のいいところだけ
耳に入っているのだ。
話を聞く限りでは、
本を読めばどうにかなると思っているようだった。
指導者が海外にいるとか、遠方にいるのではない。
都内である。また、動けないとしたら、呼ぶことだってできるのだ。
整形の先生だか整体の先生がお手上げの腰痛(と気が上がっている)
が、本を読んで操体をやって治るのか。
残念だが、本を紹介するしかないのである。