操体の本が何冊か出ていますが、その中で「捻挫」に触れているのは、
私の記憶によると、小崎先生の「ひとりで操体法」という本です。
「患部を呼気と共に引っ張る」とか確かそんなことが書いて
あったと思います。
小崎先生は柔道整復師なので「患部を呼気と共に・・」というのは
わかりますが、これ、普通の人はできません。
また、ネットで検索してみると、「操体で捻挫」というのもいくつかあります。
いろいろな方向に試してみると、痛みが出る方向とか
反対に気持ちがいい方向が見つかったりします。
というのがありました。
これは、患部を動かしているわけですね。
患部を色々動かしてみて、痛みがあるほうとかを確認するわけです。
でも、考えて見て下さい。痛みがある反対が、果たしてきもちいいのか?
どうでしょう。単に「痛くない」という可能性もありますよね。
さて、果たして「痛くない イコール きもちいい」んでしょうか。
そうじゃないですよね。
それが、第一分析(痛いか痛くないか、楽か辛いかという
二者択一の運動分析を行う)と
第二分析(一つ一つの動きに、きもちよさがあるのか、ないのか)
の、ちがいです。
★「楽」な動きは「二者択一」で動診(運動分析)相対的
★「快・きもちよさ」は、一つ一つの動きで確認(感覚分析)絶対的
この、楽を分析する第一分析と、快をききわけさせる
第二分析の区別がついておらず、というケースが多いのです。
どちらかというと、痛くないというのは「痛みがない」ということで、
きもちいい、という確率は低いのです。
というか、これは比較対照しているから「第一分析」です。
また、患部を直接動かしているのでやはり「第一分析」。
第一分析では「きもちよさ」ではなく、「楽な動きか、痛みがないか」
という段階で診ます。
確かに捻挫した部分を色々動かしてみて
痛みがない方に動かして(気持ちよかったらめちゃくちゃラッキー。
第二分析に行けます)、少し抵抗(介助ではありません)をかけて
脱力。
これも、操体の第一分析としては、間違ってはいません。
しか~し、
最近は、もっと進んだやり方があります。
上記の方法では、捻挫した患部を色々動かしますが、
実を言うと、あまり患部は動かしたくない。
患部を動かすと、クライアントに痛みを与えることがあるし、
炎症を起こしているところを動かすのはちょっと気が引けます。
そういう時に「連動」と、第三分析
(刺激にならない皮膚へのアプローチ)の出番です。
第三分析を用いれば、炎症を持った患部に触れず
(つまり、患部に刺激を与えず、動かさず)
というアプローチができます。
これが、最新の操体の真骨頂と言えましょう。
師匠は「オレ、捻挫得意なんだ」と言います。
というわけで、私も捻挫は結構イケると思います。
そして、捻挫というのは、余程酷くない限り、
病院にも行かず、家で湿布貼って終わりとか、
接骨院に行くと「二週間毎日シップ替えに来て下さい」と
言われ(普通の仕事人にはそんなヒマはない)、
途中で通院をやめるとか、
そして、なんとなく良くなって
なんとなく放置して
なんとなく治った気になっているのです。
が、捻挫って実は根が深いのです。
「この症状なら、もうそろそろ良くなっても
いいんじゃないかな」とか、治りがイマイチである場合
「古い捻挫」がその原因だったりすることがあります。
治りにくい腰痛、坐骨神経痛の下に、数十年前の
「治りきっていない捻挫」が隠れていたりするのです。
もちろん、そのような「古傷」のチェックもできます。
あなたの長びく腰痛や不調、もしかすると
昔の古傷が原因かもしれません。